スピード重視なら紙に手書きがいちばん!
「保存するメモ帳 abrAsus」


iPhone 3GS(左)と「保存するメモ帳 abrAsus」を並べたところ。1年以上使っているので見た目ちょっとくたびれていますが、カッチリした革の感触は新品の時から変わりません

 ちょっとしたメモならスマートフォンのアプリで間に合ってしまいますが、スピードが要求される手書きメモに関しては、スマートフォンでいちいち認識して、保存操作なんぞしていたら追いつかない! ということが多々あります。そんなときは結局やっぱり紙がいちばん。

 IT系の記者や編集者では、10年以上前からIMEに頼ってきた結果、“漢字は読めるけど書けない”症候群の人がワタシ含めかなり多いです。このため、可能な限りキーボードを使おうとするわけですが、店頭取材や工場見学、データセンター見学など立ち取材の場合には、さすがにキーボードは無理。そんな時はやはり紙に手書きメモになります。

 紙に書いた手書きメモも、最終的には全部デジタルで保存したいという人も少なくないようで、そうしたユーザー向けにキングジムからショットノートが発売されたのは記憶に新しいところ。本日ご紹介するのは、ショットノートより前からあって、個人的にはショットノートより気に入っている、「保存するメモ帳 abrAsus(アブラサス)」です。

 メモ帳といっても、紙はついていません。どこにでもあるA4のコピー用紙を折ってたたんで挟んで使います。書き終わったら、まるごとスキャナで読み込む、あるいはデジカメやスマートフォンのカメラで必要な部分を撮影する。データ化したら紙は捨ててしまいます。

 牛革製の手帳は薄いですが、カッチリした堅さを持っているので、手で持って書くときに背がしっかりして書きやすい。手帳にぴったりのコンパクトなペンが付属していて、このペンは単体でも450円で購入できますが、ゼブラの油性ボールペン替え芯「4Cー0.7芯」が使えるので、インクが切れてもどこでも替え芯が購入可能で、交換して使えます。

 紙なしの手帳が5800円というのはちょいと高いようですが、RHODIAやMOLESKINEを買っているような文具コダワリ派ならむしろ安いと感じるはず。なにしろ初期投資だけで、紙はそこらにあるA4コピー用紙でOKなので、メモ帳の買い置きが切れる心配もありません。

 社員証などのIDカードを常時携帯する人向けに、首下げのIDカード入れと保存するメモ帳が合体した「IDケース with 保存するメモ abrAsus」も6300円でラインナップされています。

 ちなみに、デジタル化できるのがこのメモ帳の特長なのですが、ワタシの場合は数日後には自分でも解読できない場合も多く、書いた本人さえ解読できないものがOCRで解読できる可能性は非常に低いわけで、デジタル化することはほとんどありません。それでも、いつもA4コピー用紙をたたんで1枚入れておくと、助かることが多いです。立ってメモを取る必要のある方に、とくにお勧めしたい一品です。

「保存するメモ帳 abrAsus」を開いて置いたところ。A4コピー紙を挟む反対側にも、名刺を数枚程度ならはさむことができる製造元推奨の折り方とは違うんですが、A4コピー紙は、こんな感じでたたんでます
取材で使った紙の例。時間が経った今、自分でもこのメモから記事を書くのは無理薄いけれどカッチリした革で、メモの台にしても不安定さがありません

商品名実売価格購入場所
「abrAsus(アブラサス)」5800円バリューイノベーション株式会社直販サイト

(工藤 ひろえ)

2011/3/2 06:00