ゆるさの虜に!? ウェット&ドライのハンドクリーナー


以前から気になって仕方なかった「充電式ウェット&ドライ・ハンドクリーナー FC-800」

 2010年の暮れも押し迫った頃、2009年に購入したハンディクリーナーのバッテリーが昇天した。最近パワーが落ちやすくなったかな? と思ってからはあっという間だった。バッテリーそのものはメーカーに連絡すれば購入できるものの、それが我が家の貴重な掃除機ともいえる存在だけに、使えなくなるのは非常に困る。そこで、家電量販店やネットでよくみかける、お手頃価格のハンディクリーナー「充電式ウェット&ドライ・ハンドクリーナー FC-800」を購入してみることにした。あくまでもメインのハンディクリーナーが復活するまでの、代打のつもりである。

 このハンドクリーナー、新製品というわけではなく、過去に何度か見かけていた製品だ。目にする度に「本当に500円玉吸い込むのか? 液体なんか吸い込んで大丈夫なのか? ていうか、安いけど、本当のところどうなの?」と疑問だったのだ。なんでもかんでも1円でも安ければうれしいクセに、安物買いのナントカが怖くて、手を出せなかったのである。それが、今回は代打という名目ができたので、正々堂々正面から挑んでみたというわけ。

 さっそく駅前の家電ショップにでかけ、購入。取り出してみると実に軽い。本体の重さは720gである。付属品は、先端に取り付けられる、隙間ノズル、吸水ノズル、ブラシ付きノズルが各1本ずつと、充電アダプターだ。この充電アダプターがユニーク。接続部分がピンプラグになっていたのだ。クリーナーを置くのではなく、差し込む。ゆえに、使ったあとサッと充電台において……というわけにはいかない。いつも1回でうまくささらず、クリーナー側の端子の位置を確認しながら置くはめに(笑)。

 そんなユニークな充電アダプターで充電すること数時間。どんなハイパワーかと思ったら、かなりまったりとした吸引力であった。たしかに500円玉を吸い込むことは確認できたが、とてもぐんぐんとは言い難い。それまで使っていたクリーナーの何分の一かという力なのである。正直「やっぱりそんなものかな~」と思ってしまった。吸引力命のユーザーなら、すぐ見切ってしまいそうだ。

 ただ、使っているうちに、このゆるさもいいなと思い始めた自分がいた。というのも、吸引力がやさしい分、音も控えめなので、精神的に使いやすいのである。特に夜中に使いたいときには重宝する。床に落ちているゴミやホコリなら問題なく吸い込んでくれるし、なだらかな先端は床にフィットしやすいので、気がついた時に部屋の隅を掃除、なんてことがしやすい。テーブルの上の消しゴムのカスなんかにも威力を発揮する。

 液体を吸い込むというのは本当で、ゴム製の吸水ノズルを取り付け、電源を入れ、水たまりの中をゆっくり動かすと、ダストカップの中に水がスルスルと吸い込まれていく。しかも逆流しないし、上に向けても、すでに吸い込んだゴミをぬらさない構造なのだ(ダストカップ内に残っているものは別だが)。これなら、こぼした液体も、ぞうきんで拭き取る前におおかた吸い込んでおけば、すぐに拭き仕上げに近い状態にできるわけで、かなりありがたい機能である。しかも、そのゴム製のノズルをつけた状態で、結露した窓を下から上へと移動させれば、ぞうきんを使わなくても、かなりの結露を取り除けるとも気づいた。

 ウェット側の機能に意外と使い勝手があることが判明し、結局メインのハンディクリーナーが復活しても、そのまま使い続けている。簡単な掃除はこればかりで、むしろ出番が多い(笑)。「掃除はこれ1本で」とはとても言えないが、気軽にホコリを吸いとれる、リーズナブルなコードレスハンディクリーナーとして、そばに置いても悪くない。本格的な掃除機の扱いが面倒で、結局掃除がおざなりになるという方、リーズナブルに新生活を始めたい方には、いろんな意味で負担が少なく、むしろおすすめかもしれない。

10~12時間の充電で、最大15分使えるという側面および背面の様子
付属品の充電アダプター(上)と、吸水ノズル(左)、隙間ノズル(中)、ブラシ付きノズル(右)、説明書バッテリーが寿命を迎えたハンディクリーナーとのサイズ比較。
スイッチはONとOFFのみダストカップの構造。中央の白いカップのおかげで、ホコリと液体が混ざりにくい
充電アダプターにセットした様子充電アダプター接続端子
充電アダプターの中央からは、ピンが1本出ている充電中は赤いランプが点灯。アダプターにはノズルもセットできる
確かに500円玉は吸い込まれた液体も吸い込んだ。これはなかなか便利!

 

製品名製造元購入価格
充電式ウェット&ドライ・ハンドクリーナー FC-800フカイ工業2600円

 

 

(すずまり)

2011/2/10 06:00