本日の一品

狭い場所での配線に便利? 根元から「く」の字に曲がったLANケーブル

 近年ちらほらと見かけるようになったのが、先端の角度を変えられるLANケーブルだ。RJ45コネクターをルーターやハブに挿した時、そのまま真っ直ぐ後方へと伸びるのは都合が悪い時がある。これらを使うことによって、左右もしくは上下へと、向きを変えて配線できるというわけだ。

パッケージは簡素なビニールタイプ。規格はカテゴリー6A、今回購入したのは3m

 代表的な製品としては、以前紹介したエレコムの「LD-GPATSW」などがその典型例だが、今回紹介するサンワの「500-LAN6ASW」は、コネクターが回転することで、そうした配線の自由度の高さがアップするとアピールする製品だ。

 本製品はケーブルの根元にあるブーツが「く」の字、角度で言うと120度程度に曲がった状態になっている。前回のエレコム製品のように自由にスイングするわけではなく角度は常時固定だが、これを回転させることで、都合のよい方向にケーブルを逃せられる仕組みだ。

 構造を確認しようとブーツを外してみたところ、実はこのブーツは単にケーブルに角度をつけているだけで、コネクター自体に回転機構は存在しないことが分かった。そのためケーブルを固定した状態でコネクターをひねると、コネクターの付け根がねじれてしまい、それを解消するために同じだけケーブルもひねらなくてはいけなくなる。

ケーブル根元のブーツが「く」の字、角度で言うと120度程度曲がっているのが特徴
ブーツ部分を指でつまみ、RJ45コネクター部をひねると…
回転させることができる。ただしこの時、ケーブルも同時に回転させなくてはならない

 同社のWebサイトを見ると「1回転させるとケーブルの捻れが大きくなるのでご注意ください」という一文があり、上記の構造を知るとナルホドそういう意味かと理解できるのだが、これを「回転」と表現してよいかは疑問で、購入前のユーザーに対する説明としては不親切さを感じる。前述のエレコム製品が、水平もしくは垂直方向の文字通りのスイングを実現しているのとは対照的だ。

ブーツを外すと、実際には回転機構はなく、ブーツ部は角度をつけているだけなのがわかる
エレコム「LD-GPATSW」(右)は、水平もしくは垂直のどちらかにスイングする構造。本製品(左)とはある意味で対照的だ

 そんなわけで製品のアピールの仕方はやや疑問なのだが、ケーブルをくの字に曲げたまま角度をキープできる本製品の仕様が、LANケーブルをまっすぐ後方に伸ばせない場合に便利なのは間違いなく、こうした特性を知って使えば便利に活用できる。コネクター部分がそもそもコンパクトでかさばらないのもポイントで、このあたり、正確に記述したほうが本当に求めるユーザーに届きやすいように感じられる。

 実売価格は一般的なLANケーブルとそう変わらず、また長さのバリエーションも豊富だ。現時点では色がブルーしかないのがネックだが、特性をあらかじめきちんと把握しておけば、フィットするシーンは多い製品と言えそうだ。

製品名発売元実売価格
500-LAN6ASW-03BLサンワダイレクト1120円