本日の一品

Anker初のオープン型イヤホン「AeroFit/AeroFit Pro」の実用性を試す

 ソニーの「LinkBuds」やJBLの「JBL Soundgear Sense」のように、近年はオープン型の完全ワイヤレスイヤホンが多く登場するようになっています。コロナ禍の影響もあり、Web会議といったコンテンツも一般的になってきたことで、イヤホンを使用する機会が増えたため、“ながら聴き”ができるイヤホンの利便性が注目されているのでしょう。

 筆者も仕事柄、自宅での作業中に電話を受けたり、Web会議に参加するため、自宅でイヤホンを着ける機会が多くありますが、カナル型イヤホンの場合は、音を遮断しすぎてインターホンの音などを聞き逃すことがあるのに加え、長時間の着用だと、耳に痛みが出るのが難点と感じています。オープン型イヤホンは、このように自宅で長時間作業をする際のお供として、おすすめできるデバイスといえます。

 そこで今回、比較的安価なオーディオ製品を展開するアンカー・ジャパンから発売された、メーカー初のオープン型イヤホン「AeroFit」「AeroFit Pro」の2製品を試させてもらいました。どちらもマルチポイント機能に対応しているため、スマートフォンとパソコンに接続し、作業中に活用してみたので、着け心地や使い勝手、音質についても簡単に紹介していきます。

AeroFit(左)とAeroFit Pro(右)

 オープン型とひと口に表現しても、近年はさまざまな形状のイヤホンが発売されていますが、「AeroFit/AeroFit Pro」はイヤーフック型を採用。両製品とも、フック部分は柔らかいTPU素材が使われているため、簡単に耳に馴染むのが特徴。本体質量はAeroFitが片耳約8.5g、AeroFit Proが片耳約12.2g。イヤーフックタイプのイヤホンとしては比較的軽量なので、長時間着用していても疲れにくくなっています。

 また、AeroFit Proには本体と接続できるネックバンドも同梱されるため、より長時間使いたいという人にはProモデルがおすすめ。ちなみにバッテリー駆動時間はAeroFitが単体11時間、AeroFit Proが単体14時間となります。両モデルともに10時間以上は連続駆動するので、仕事を始める前にしっかりと充電しておけば、作業中に電池が切れる心配がありません。

 充電ケースはAeroFitが楕円形、AeroFit Proが長方形。どちらも薄型なので、ポケットに入れてもかさばらないのは魅力ですが、サイズとしては少々大きいのが気になる人もいるかもしれません。

 音質としては、両モデルともにオープン型らしく、豊かな臨場感を表現するのが得意な印象。AeroFitは中高音域のキビキビとした音、AeroFit Proは重低音の深みがより前面に出ており、音質には明確な違いがあります。カナル型と比較すると、音が広がるためどうしてもボヤっとした部分も見られますが、ここは形状的に仕方のない部分といえます。

 オープン型イヤホンを使っていて気になる音漏れですが、耳の穴付近でしっかりと音を再生するため、極端に再生音量を大きくしない限りは、基本的に気になりません。

 冒頭でも触れた通り、筆者は基本的に、AeroFit/AeroFit Proを自宅作業中に使用しています。近年のイヤホン製品としては一般的になりつつあるマルチポイント機能も、オープン型の着け心地、ながら聴きができるといった特徴と相まって、より使いやすさを増している印象。自宅作業のお供には抜群のアイテムだと感じています。

 一方、屋外で使用する場合は使用用途が限られる印象もあります。特に電車移動中などはノイズがかなり大きいため、ゆっくり音楽を聴くといった使い方にはあまり適していません。音を聴くために再生音量を大きくすると、音漏れのリスクもそれだけ大きくなります。屋外ランニングなど、ワークアウトに使用するのであれば、周囲の安全を確認しながら使用できるため有用ですが、筆者はあまり運動をしないので、自宅専用デバイスとして収まりそうです。

 ワークアウト目的で本製品を購入する際に気を付けたいのが、標準モデルのAeroFitがIPX7なのに対し、上位モデルのAeroFit ProがIPX5となっている点。防水性能だけを見れば、標準モデルのほうが高くなっています。

 両モデルとも、スマートフォンと接続する場合は「soundcore」アプリを使うことで、イコライザーの調節とボタン操作の割当が行えます。ユーザーインターフェイス(UI)はわかりやすく、操作に迷うことはほぼありませんが、アプリでできることがもう少し増えると、より利便性が上がるかなと感じています。

soundcoreアプリの初回ペアリング時には簡単に使用方法の案内が表示される
アプリではイコライザーの調節、ボタン操作の割当ができる

 公式サイトでの販売価格は、AeroFitは1万6990円、AeroFit Proは2万2990円となります。完全ワイヤレスイヤホンとしては、高すぎず、安すぎない、ボリュームゾーンの製品ではありますが、実はオープン型で2万円を下回る製品は数が少ないので、自宅作業のお供を探しているという人におすすめです。

販売元商品名価格
アンカー・ジャパンAeroFit1万6990円
アンカー・ジャパンAeroFit Pro2万2990円
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