3000円強で買えるドン・キホーテオリジナルブランドの完全ワイヤレスイヤホンが想像以上に高性能だった

　完全ワイヤレスイヤホンが一般化していき、各メーカーから続々と製品が発売される中、販売価格は1万円～3万円程度がボリュームゾーンとなりつつあります。完全ワイヤレスイヤホン黎明期から比べれば、比較的手に取りやすい製品も増えてきているものの、メーカーや音質にこだわりがない人からすると、有線イヤホンと比べるとまだ割高なこともあり、“使い捨て”のように扱いにくいのがネックかもしれません。

　これはイヤホン側の問題というよりは個人の問題も大きいのですが、完全ワイヤレスイヤホンは充電ケースごとなくしてしまったり、本体を片側だけ落としてしまったりと、有線イヤホンやネックバンド式イヤホンと比較すると、紛失のリスクが高い製品です。アップルの「探す」機能や、Androidの「デバイスを探す」機能に対応している製品であれば、後から見つけ出せるかもしれませんが、すぐに手元に戻ってくるとも限りません。

　そこで今回、ドン・キホーテのオリジナルブランド「情熱価格」から販売されている完全ワイヤレスイヤホンを試してみました。販売価格は店舗によって若干上下する可能性もありますが、筆者は3278円で購入しています。

　3278円で完全ワイヤレスイヤホンが買えるというだけで、満足度が高いとも思えるのですが、性能もまずまずというのが正直な感想。ここからは、細かな使用感についても触れていきます。

　情熱価格の完全ワイヤレスイヤホンは、ブラック、ホワイト、ブルーの3色展開。筆者はブラックを購入しています。

　素材感は、高級感があるとは言えないものの、マットな質感でイヤホン本体にはあまり指紋が付着しません。一方、充電ケースも似たような触り心地ではあるものの、手に持つ機会が多い分、若干指紋の付着が気になります。

　特に好印象なのは約3.5ｇ（片側）というイヤホン本体の軽さで、カナル型のイヤホンながら、長時間着けていてもあまり疲れを感じません。IPX5の防水性能を有していることもあり、ワークアウト時に使っても良いでしょう。本体はスティック型なので、着け外しがしやすいのも魅力です。

　Bluetooth規格は5.3に対応しており、接続も安定している印象。出力はclass2なので、接続距離は10m前後となります。3000円台の完全ワイヤレスイヤホンながら、低遅延モードも搭載しています。筆者の耳では、体感できるほど遅延速度の変化が感じられなかったものの、モード切り替えに対応しているのは1つの強みと言えるでしょう。

　音質としては、低価格なカナル型の製品らしく低音特化かと思いきや、ほぼ真逆になっており、中高音域がかなり前面に出ています。もちろん、数万円の製品と比較すると、解像度の低さを感じるシーンはありますが、値段を考えれば十分にも思えます。

　バッテリーはイヤホン単体で約6時間、充電ケース併用で最大約21時間の音楽再生に対応。決して長くはないものの、普段使いにおいてストレスに感じるほどの短さでもないので、多くの人が問題なく使用できるはずです。

ケースの充電はUSB Type-Cにて行う

　対応コーデックはSBCとAACの2種類。AACにも対応しているため、iPhoneを含むアップル製品との互換性も十分。何度も触れている通り、3000円台の完全ワイヤレスイヤホンと考えれば、AAC対応もひとつの特徴です。

　マルチポイント接続や防塵、ワイヤレス充電など、ミッドレンジからハイエンドクラスの製品に搭載される機会が増えている機能には対応していないものの、費用対効果という意味では抜群の仕上がり。ブランド名にある「情熱価格」を、そのまま完全ワイヤレスイヤホンに落とし込んだような製品になっています。

付け替え用のイヤーピース、充電ケーブルも同梱される

　冒頭で触れたように、完全ワイヤレスイヤホンを“使い捨て”する製品として捉えるのはなかなかハードルが高いものの、3000円台であれば、ある程度気兼ねなく使えます。全国に店舗を展開しているドン・キホーテで購入できるのも、ありがたいポイントでしょう。音質にあまりこだわりがない、イヤホンにあまりお金をかけたくないという人には、十分おすすめできる製品です。