本日の一品
逆輸入の最強コスパ カシオ・スタンダード腕時計にハマった
2023年7月31日 00:00
読者もよくご存じの様にカシオ社の鉄板腕時計であるG-SHOCKは1983年の登場以来今年で丸40周年を迎えた。当然の様に例年以上にG-SHOCKが注目され数多くの記念モデルも発売され今年のカシオはG-SHOCK一色だ。
天邪鬼でへそ曲がりな筆者は一通りその波には乗ってはみるが、多くの人が騒ぐとその圧の大きさに反してどんどん別の商品に目が移って行くのが通例だ。今ではもう遥か昔のことだがチプカシ(チープカシオ:プラ製の安価なカシオの腕時計)が一世風靡した時も同様だった。
チプカシだけでは無くそこまで安くはないがSwatch等が人気の理由は安価な部材を使って低リスクで思い切りの良いデザインチャレンジが出来ることも大きな理由の一つだ。筆者がチプカシの一部のモデルやSwatchが好きな理由はその「こしゃくなパワー」なのだ。
今回ご紹介する腕時計は国内のネット通販で偶然見つけたカシオの逆輸入モデルである”カシオ・スタンダード”の日付と表日表示機能を備えた”デイ・デイトモデル”だ。製品型番は「カシオMTP-1370L」。白黒2種類の文字盤が用意されており筆者はより精悍なタイプのブラック文字盤を手に入れた。
MTP-1370Lは、クラシカルでオーソドックスなデザインだがカシオの腕時計としてはレアなデイ・デイトモデル。昨今では日付表示の無いシンプルでプレインな腕時計も多い。一方幾つかの昭和な腕時計の中にはデイ・デイト2つの表示窓を標準で搭載しているレガシーなモデルもある。
海外製の腕時計ではロレックス社の超セレブなDAY-DATE腕時計が定番だ。今回手に入れたMTP-1370Lもその配置を踏襲し文字盤の11時から1時位置まで扇形に広く拡張された表示窓にはフルスペルで曜日が表示される。そして日付表示は一般的なデフォルト位置である3時ではなく曜日表示の対抗位置である6時位置に表示される。
国産の腕時計の中には3時位置の小窓を横に拡張しそこにデイ・デイトを集中して表示する一覧性の高い表示デザインを採用するモデルもあるがエレガントなデザイン性とカスタム感を表現するならフルスペルで最も目立つ11時~1時位置は良い選択だ。
ロレックスの中でも上位機種であるDAY-DATEの日付表示は文字拡大による視認性拡大を目的とする”サイクロプスレンズ”付きで伝統的な位置である3時位置に配置されている。一方MTP-1370Lはシンプルに12時位置のデイと対抗する6時位置に配置され普通にバランスの取れた配置で視認性も悪くはない。
長短針は文字盤上の時刻インデックスと同じイメージの中高で屋根型の多面カットを採用している。どの角度から見ても光の反射が期待でき現在時刻の視認性アップに効果的だろう。また超短針の中央には蓄光塗料によるインデックスが描き込まれており暗所における時刻視認性にも貢献している。
ブラック本革のクロコ型押しベルトはシルバーの本体、尾錠ともカラーバランスが良く誰が見ても税・送料込みの4560円の腕時計には見えない。昨今、”コスパ”と言う言葉は達成条件を語らずに”単に安い”という意味だけで使われることも多く余り好きな言葉では無い。
しかしMTP-1370Lは国産のクォーツメカを採用しのデイ・デイト表示とクォーツの精度、周囲と比べて引けを取らないエレガントなデザインの腕時計を条件として探しているならMTP-1370Lは稀に見るコスパ最強の腕時計だろう。
実は筆者がこのMTP-1370Lを手に入れたのは革ベルトには不向きな夏真っ盛りの時点だった、加えてそそっかしい筆者はベルト式の腕時計を装着する時によく落としてしまうことが多い。その為まずはベルトを伝統的な尾錠式からバックル形式に変更してから使おうと考えた。
筆者がネットを回遊して購入したのは一般的なプッシュ・アンロック方式のバタフライDバックルだ。amazonで950円という安価で購入し翌日届いた。カラーはもちろんMTP-1370Lのシルバーパーツとほぼ同じカラーでマッチングも完璧だ。
取り付けは簡単だ。MTP-1370Lに最初から付いてきた尾錠とピン(ツク棒)をバネ棒外しを使って取り外す。
そして外したバネ棒を流用してバタフライDバックルを取り付ける。続いてバタフライDバックルのベルト穴ピンのある方に剣先(ベルトの尖った方)を挿入し固定し適当なサイズのループを作る。後は実際に何度か腕に装着してベストな長さに調整するだけだ。
片開きの大きなDバックルと異なり両方開きのバタフライ型Dバックルは腕への装着性能が高くベルトへの負荷が最小化でき一般的な尾錠を通してピンを穴に入れて腕に装着する仕組みよりベルト本体の傷みも少なく腕へのフィット感も秀逸だ。
バタフライ型Dバックルを装着した後は、筆者のような慌て者でもまずはベルトに腕を通してからバックルを閉めるスタイルに変わるので腕時計を間違って落とすことは皆無だ。また前述した様に腕時計の度重なる装着、脱着を繰り返しても尾錠で穴にピンを通すスタイルよりベルトの傷みは遥かに減るだろう。
ここまでやっても4560円(MTP-1370L)+950円(バタフライDバックル)の5510円。まだまだ駆け出しの腕時計趣味人だが筆者の短い腕時計史の中でも極めて特筆に値するコスパ最強腕時計となった。
バタフライDバックル付きのMTP-1370L……もはやコスパがどうのこうのと言うアイテムでは無くなってきた。もったいなくて汗のシーズンが過ぎた秋ごろから使い始めたくなってきた。現在は安物の腕時計スタンドに載せてデスクサイドウォッチとして秋が来るまで毎日眺めている。
商品 | 価格 | 購入 |
カシオスタンダード腕時計 MTP-1370L‐1A(黒文字盤)白文字盤もあり | 4560円 | 株式会社ペリオド 「たいようのとけいてん」 |