本日の一品

音質の評判がいいNothing Ear (2)はiPhoneとの相性もバツグン

 3月30日に発売された「Nothing Ear (2)」を使ってみました。と言うか、製品説明会でレビュー用の製品を提供されて以来、気に入って使い続けています。

 Nothing Ear (2)は、イギリスの新興メーカーNothing Technologyが2021年に初のプロダクトとしてリリースした「Nothing Ear (1)」の後継モデル。カナル型で、スケルトン調の斬新なデザインはそのまま継承されています。イヤホン本体はEar (1)より、わずかに(0.2g)軽くなっているようですが、装着感も変わらず。イヤーチップは3サイズが同梱されています。

左がNothing Ear (1)、右がNothing Ear (2)。Ear (1)はホワイトとブラックの2色展開だったが、Ear (2)はホワイトのみ。充電ケースも前モデルより軽くなっている
ステムの部分がスケルトン調になっていることが大きな特徴

 見た目はEar (1)からほとんど変わらないものの、中身は大きくアップデートされています。まず、新機能として「イヤーチップのフィットテスト」が追加されました。イヤーチップのサイズが最適で、適切に装着されているかを確認できるテストです。つい最初から着いているMサイズのままで使いがちですが、左右の耳の形状は違うので、「右耳はMで、左耳はLが合う」といったこともあるようです。ただし、筆者の右耳は特殊なのか、何度テストしても最適という表示が出ず、自分の感覚で着け心地がよいと感じるものを使っています。

イヤホンのフィット感を確認できる機能が追加された。しかし、筆者の右耳はどのサイズをどのように装着しても緑表示にならなかった

 筆者はiPhone 14 Proとペアリングして使っています。iOSでも「Nothing X」アプリを使って、スムーズにペアリングでき、先述の「イヤーチップのフィット試験」や音質の設定なども行えます。

iPhone 14 Proとペアリングして使った。各種設定には「Nothing X」アプリを用いる

 デフォルトの設定で聴いてみたところ、明瞭で豊かな音質という印象。筆者は、前モデルのEar (1)も持っています。両モデルを比べると、Ear (1)のほうが音が大きめで、迫力があるように感じますが、Ear (2)のほうが音が明瞭で、バランスがとれており、より一体感が感られる音質に進化しているように感じました。

 Ear (2)には、内部により多くの空気を流すために「デュアルチャンバー」を採用。ダイヤフラム(振動板)の素材には、低音域の性能を高めるポリウレタンと、音を明瞭にするグラフィンを組み合わせ使っているとのこと。Ear (1)と聴き比べてみると、その違いは明らかでした。

 イコライザはEar (1)と同じ4種類がプリセットされ、カスタマイズも可能。Ear (2)では、さらに自分の聴覚に合わせた最適な設定が行える機能が追加されています。両方の耳それぞれでビープ音とノイズ音を聴き分けるテストを行い、自分の「ヒアリングID」を作成。それをイコライザやノイズキャンセリングに生かせる趣向。筆者はプリセットのイコライザで十分と感じましたが、音質にこだわりがある人は試してみるべき機能といえるでしょう。

イコライザは「カスタム」を選択すると、自由に調整できる
音の聴こえ方をテストして、自分に最適な音の設定にできる機能も搭載

 アクティブノイズキャンセリングはオン・オフ、トランスペアレンシー(外部音取り込み)の切り替えが可能。ノイズキャンセリングのレベルは3段階から選択でき、周囲の音に合わせて自動で調整される「アダプティブ」も追加されました。電車の中やスポーツジムで試してみたところ、ノイズ除去の効果は十分に満足できるものでした。

ノイズキャンセリングは、周囲の環境に合わせて自動で調整される「アダプティブ」が便利
環境に合わせたノイズ除去を設定するためのテストも行える

 一時停止・再生・スキップといった操作は、イヤホンのステムをつまむようにカチッと押して行えます。Ear (1)はタッチ&スライドでコントロールする仕様でしたが、Ear (2)のほうが操作の確実性が高く、イヤホンがずれにくいことも利点。なお、操作はカスタマイズでき、長押しでボリュームを調節できるようにも変更できます。

イヤホン本体でのコントロールはカスタマイズ可能

 ほかに、新しい機能としては、複数のデバイスに同時に接続できる「デュアル接続」に対応。パソコンやほかのオーディオデバイスに接続して音声を聴いていても、スマホにも接続させておけば、着信した電話に応答できる仕組みです。対応コーデックは従来のAAC、SBCに加えて、ハイレゾのLHDCを追加。しかし、筆者は普段「Apple Music」や「Spotify」を聴いているので、その恩恵を受けることはなさそうです。

複数のデバイスに同時に接続できる機能のほか、イヤホンの装着を感知する機能、紛失したイヤホンを音を鳴らして探せる機能なども搭載
充電ケース使用時の再生時間は最大36時間(イヤホン単体では最大6.3時間)。USB-Cケーブル(同梱)で充電できるほか、ワイヤレス充電にも対応している

 ちなみに、筆者は、普段「AirPods Pro(第2世代)」を使っています。Ear (2)とAirPods Pro(第2世代)を比べると、音質はEar (2)のほうがハードで、AirPods Proはソフトな印象。どちらが好きかは、人によって分かれるでしょう。ノイズキャンセリングの性能はAirPods Proが若干高いように感じています。ただし、AirPods Pro(第2世代)は3万9800円、Ear (2)は2万2800円という価格差を考えると、Ear (2)はかなりコスパが高いイヤホンと評価できそうです。

製品名発売元実売価格
Nothing Ear (2)Nothing Technology2万2800円
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