本日の一品
ラフに扱える首掛け式 Bluetoothワイヤレスイヤホン、お手頃価格な「オーディオテクニカ ATH-CKS330XBT」
2022年11月16日 00:00
出先でDAP代わりに使っているiPhoneを置き忘れてしまった。混雑する満員電車に乗っている最中にぶちぶちと音切れするのが不快で、わざわざ有線ヘッドホン端子を実装している時代の、使い古しの「iPhone 5」を引っ張り出してきて使い始めてはや3年と少々。
多少くたびれてきた感を持ちつつもイヤーピースをあれこれ変えながら使い、結構愛着はあったし、有線なので音切れの不快感は皆無で快適だった。とはいえどこに置き忘れたかも思い出せず、ヘッドホンを新調することにした次第である。
実を言うと、この3年の中でワイヤレスのインイヤー型ヘッドホンを試してみていた時期がある。確かに「ヒモ」がないのは取り回しの良さという点では快適だ。
一方、ちょっと耳から外すという行為そのものが難しい時もあると感じた。買い物のため店舗に入ったときだとか、何かの作業をするのに集中したいときだとか。そのたびに片耳だけ外してポケットに入れるのは大した手間ではないのだが、筆者はそそっかしいので何度か落として無くしそうになった。
そういった経験から、今回無くしたヘッドホンの代わりとして首掛け式のワイヤレスイヤホンにした次第。
買い物前の希望項目として以下のような感じだ。
- 1.リーズナブル(できれば5000円以内)
予定外の買い物だったのであまり高価なものは買えない、というか首掛け式の場合比較的リーズナブルなものが多くむしろ高級品は少ない。 - 2.でもできれば低音域はしっかり出ているものが欲しい
筆者の嗜好としてはボーズまでは言わないにせよドンシャリ系が好みなもの。 - 3.「マルチポイント接続機能」は欲しい
最近は電話会議も職場で日常的に行っているもののこっちは有線だとむしろ行動が制約されがちなので無線化したい。なので、複数台に切り替えて接続できる「マルチポイント接続機能」付きで使いまわせれば便利になる(かも?)
前置きが長くなってしまったが、今回選んだのはオーディオテクニカ製の「ATH-CKS330XBT」だ。
事前情報なしで、なくしたヘッドホンの捜索をあきらめたその足で家電量販店に向かい、その場で購入したのだが、前出の3つの要望は押さえてある。ワイヤレスイヤホンで、それなりに名前の通ったメーカー製なのに、店頭価格で5000円でお釣りがくるというのは素直にありがたい。
使ってみてまず感じるのは、やはり首掛け式なだけにちょっと耳から外すくらいで簡単にぶら下げられて取り回しが簡単なところだ。
左右に振り分けられたコントローラー部と次にマイク / バッテリー部、この2つをつなぐリボン状というか、きしめん状のケーブルを首にかけると、先端部の重さが適度な重しになって落ち着く。ちょっと耳から外すときは、そのままぷらんとぶら下げておいてもわりとしっかりぶら下がってる。
とはいえ強い風が吹く日はちょっと注意が必要かもしれない。それほど重くはないコントローラー部はむしろ風を拾いやすく結構持って行かれがちという印象だ。
2カ月ほど毎日使ってみたが使い始めのころに比べて音質が落ち着いてゆき、現在は中音域から低音域まで十分出ていると感じている。
低音域は「SOLID BASS」というサブネームをうたうだけに、値段相応程度ではあるが地下鉄の中で聴くにも、筆者の好みとしては十分な音圧を確保しているという印象。コントロールボタンはよくある「短時間押し:音量調整」「長押し:曲送り / 戻し」「センターボタン短時間押し:スタートストップ」「センターボタン長押し:電源ON / OFF」というもので迷いが少ない。
イヤーピースは、標準でS/M/Lの3種類が付属しているので耳の穴のサイズに最適なものをすぐに付け替え可能だ。
ちなみにイヤーピースのコネクター径と形状も一般的なものになっており、社外品でもある程度は好みに応じて装着することが可能だ。メーカーの保証対象外の使い方ではあるが、筆者はJVC製の「スパイラル・ドット」を装着して音や装着感の違いを楽しんだりもしている。
「マルチポイント接続機能」は価格的な機能制約からか、同時に接続設定できるデバイスは2つまでという上限があるものの、設定そのものはデバイス側で簡単にできるので、あまり悩まず運用でカバーしてしまうのが正解だと思う。
筆者は通勤時のDAP代わりのiPhone 5と、業務用パソコンの2つのデバイスで接続して使いまわしている。接続時にパスキーなどを入れる必要はない。デバイス側で見つけてくれるので単純に登録すればOK。ただし、登録デバイス上限を超える場合は見つけてくれないので、先に登録したどれかから1つ削除しておく必要はある。面倒なのはそれくらいだろう。
首掛け式スタイルというのはこういう時にも便利だ。勤務中も常時首からぶら下げておけば急な呼び出しにもすぐ対応できるし、ネック部に組み込まれているマイクはそこそこ指向性も高いようで過度に周辺の音は拾わずにいてくれるので電話会議でも十分実用的だと思う。
バッテリーの持ちについては、往復1時間半ほど音楽を聴くだけであれば4~5日は持つ感じだ。電話会議などで終日断続的に使っていても丸1日は余裕で保つ。充電はコントローラー部側面に充電口がある。USB Type-Cコネクターなので汎用性は高い。
ちなみに満員電車のなかでの「音切れ」だが、発生しないわけではない。ただ回数は以前使ってたBT4.2規格対応のものよりも確実に減っているし、接続断の時間も1秒程度、通勤電車の車内は確実にコロナ前の混雑具合に戻っており、そういった中でこの程度だったら「有線にもどろうか」とは考えずに済みそうではある。
ほとんど衝動買いに近い選び方をしたものの、結構いい買い物をしたなという満足度の高い機種だと思う。またどこかに置き忘れたり落としてしまったりしたら同じものを買うんじゃないだろうか。まあ、なくしたくはないのだが……。
製品名 | 発売元 | 実売価格 |
---|---|---|
SOLID BASS ワイヤレスイヤホン ATH-CKS330XBT | オーディオテクニカ | 3982円 |