本日の一品

「Lenovo 300e Chromebook Gen3」はタフでLTE対応、あらゆる場所に持って行きたくなる件

 ソフトバンクから販売されている「Lenovo 300e Chromebook Gen3」をお借りした。3週間ほどの試用期間だったのだが、これが、外出持ち運びマシンとして素晴らしく秀逸な出来だったのでご紹介したい。

「Lenovo 300e Chromebook Gen3」

Chromebookとは

 「Lenovo 300e Chromebook Gen3」は、Chromebook、つまりWindowsやMacOSではなく、Googleが開発した「Chrome OS」を搭載したノートパソコンだ。

 Chrome OSは、起動すると素早く使うためだけのプロセスが動き、スイッチオンから数秒で起動し、使い続けていても経年劣化せずサクサク動くというのウリ。実際、電源をONにしてみると本当に数秒で起動画面が立ち上がる。

 また、省電力を志向して作られており、一般的に長時間駆動が可能になっている。実際に「Lenovo 300e Chromebook Gen3」では、利用タスクにもよると思うが筆者の標準的な業務での作業の場合、バッテリーで満充電から10時間ほど利用できた。

 もちろん、ユーザーインターフェイスは、Windowsの作法がそのまま使えるわけではない。たとえば、タスクバーで左クリックしても、Windows 10なら右クリックが表示されるが、残念ながらChromeOSでは何も起きない。そういう細かい部分は「慣れ」「作法」と割り切れば、まったく問題なく使える。

 アプリは、Android向けのものが一部使える。筆者の場合、Jota+テキストエディタとPRO-KEYが利用できたので原稿執筆に使ってみた。この原稿の一部はChromebook上で執筆した物だ。また、Chromeブラウザが利用できるので、その拡張も利用可能だ。

思わず持って外出したくなる頼もしく便利なLTE内蔵&強靱ボディ

 では、「Lenovo 300e Chromebook Gen3」を実際に使ってみてどうだったのか。結論を先に言うと、実に外への持ち出しに適したマシンだと思わざるを得ない。

 ひとつめの理由は、LTE通信モジュールを内蔵していること。

 「Lenovo 300e Chromebook Gen3」は、Wi-Fi以外にもLTE通信モジュールを搭載していて、パソコン単体で、LTE通信エリアならインターネットに接続できる。

 つまり、Wi-Fiスポットを探したり、モバイルルーターを用意したりしなくても、いつでもどこでも常時インターネットに接続できるというのは、便利このうえない。これがなんといってもすばらしい。

いつでもどこでも……ということでいつもの食事処に持ち出し、野球のライブなどを観ながら注文が出てくるのを待つ筆者であった

 もちろんWindows PCでも、モバイルデータ通信モジュールを内蔵するモデルはある。しかし、価格が全く違う。

 「Lenovo 300e Chromebook Gen3」のソフトバンク版は、5万7600円。たとえばWindows PCでモバイルノートとされるようなジャンルでは、10万円以上はざらにある。もちろん、WindowsとChromebookでは、利用できるアプリが異なるし、処理能力の違いはあるので、用途にあわせて選ぶといったかたちになるだろう。

 そして、ふたつめの理由は、なにしろ堅牢ということ。

 本体重量は1.33㎏と並のノートパソコン程度なのだが、厚みのある、そのアルミ筐体のせいか、ちょっとゴツく感じつつも、頼もしい造り。

 ちなみに、耐久性向上のため、ゴム製のバンパー、耐水性キーボード、補強されたポートとヒンジが装わっている。机からの落下や屋外での使用を想定し、MIL規格に準拠した堅牢性を備えているという。

重量的には1.33kgと並のノートパソコン程度だが、見た目が頼もしい
言われてみれば、充電ポート(USB Type-C)から既に普通のパソコンとは違う補強がされている

 MIL規格とは、早い話が、「米軍に納入できる機械が通るべき環境試験の内容」をクリアするスペックだ。

 つまり「高温・低温環境での操作、保管、稼動時に許容すべき湿度、直射日光などに対する耐久力」をもつ機械だということだ。参照元にあるように、すべてのテストにパスしている必要はない(おそらくしていない)が、一定の耐久性はあるということだろう。

 さらに言えば、文部科学省のGIGAスクール(全国小中学校での一人一台パソコン・ICT教育構想)の標準仕様にも準拠しているそうだ。

 みっつめの理由は、データをクラウドドライブに置くことができるということ。

 クラウドストレージであるGoogle Driveを利用することで、他のパソコンやスマートフォンともファイルを簡単に共有できる。ちなみに、Googleアカウントを作ると、誰でも「Gmail」+「Googleドライブ」+「Googleフォト」で合わせて合計15GBまで無料で使用できる。

 そして、「Lenovo 300e Chromebook Gen3」をソフトバンクで購入、契約すると、100GBの保存容量に拡張し、プラスアルファの機能が利用できる「Google One」を12カ月間、利用可能だ。

 ただひとつ、この「Lenovo 300e Chromebook Gen3」の使用感に難があるとすると、「あまり実行アプリの個数を増やしすぎると実行が重くなる」点だろうか。

 OSの起動は確かに早いのだが、そこから、Webブラウザのページ数やアプリ実行数が増えるに従って、実行速度が徐々に怪しくなってくる。Chromeでタブを15~6も開いたり、アプリを7~8個開いてしまうと、操作が鈍くなってきたのがハッキリ分かる。

 なお、「Lenovo 300e Chromebook Gen3」のハード構成としては、CPUがAMD 3015Ce/1.20GHz/デュアルコアプロセッサーというChromebook専用品。メモリは、PC4-25600 DDR4 SDRAMの4GB、ストレージには標準でeMMC 32GBが搭載されている。ついでにMicroSDメモリカードスロットも載っている。これは、Chromebookとしては標準的な構成のようだ。

 とにかく、Chromeのタブの開きっぱなし、タスクの開きっぱなしをしない使い方に慣れれば、本当に外出先どこにでも持っていきたくなる、そしてどこででも開きたくなる頼もしいノートパソコンだ。

 これが、5万7600円という価格に加えて、データ通信料(3GBなら、データ通信3GBプランが月額1408円)で使えるというのは、かなりおトク感のある一品だ。

製品名メーカー価格
Lenovo 300e Chromebook Gen3レノボ5万7600円