本日の一品

災害対応ラジオで有事に備えたい

 今年の3月半ばに発生した福島沖を震源とする地震発生時、筆者の住む地域では停電が起きた。ブラックアウトと呼ばれる大規模停電を回避するため、発電所が送電を自動的に停止した影響によるものだ。幸いにも数時間程度で復旧したが、テレビも固定回線はもちろん、モバイルも回線が混み合い接続できず、深夜に情報が遮断された数時間を経験した。そうだ、こういう時は災害に強いラジオだ、と思って愕然とした。手元でラジオを聴取できる機械がスマートフォンのradikoアプリだけだったのだ。緊急時に備えているようで、何も出来ていないなと痛感した出来事だった。というわけで、慌てて災害対応ラジオを購入した次第である。

ソニーの災害対応ラジオ ICF-B09

 今回購入したソニーのICF-B09は、災害時に便利な機能を備えたポータブルラジオだ。ラジオの機能としては、AM・FM・ワイドFM対応で、小型スピーカーとロッドアンテナを備えた、ごく一般的なものだ。災害時でも使えるよう手回し式の充電器を内蔵しており、ハンドルを1秒に2回転の速度で回すことで、内蔵充電池に充電ができるようになっている。また、充電した電気は本体横にある懐中電灯にも使える。さらに本体上面のソフトライトで面光源としても使えるなど、災害対応ラジオのファンクションとしての必須のものを過不足なく備えている。

手回し充電器を内蔵する。側面には懐中電灯、上面(白い部分)にはソフトライトを備える
ストラップが付属しており、本体は手のひらに乗る程度。メーカーがメーカーだけに「パスポートサイズ」といういにしえのフレーズが思い浮かぶ
側面にはスポット(懐中電灯)とソフトライトの切り替えスイッチ、充電ポート・イヤホンジャックがある

 もう一つの重要な機能は、USB出力ポートを備えていることだ。充電ケーブルは別途用意しておく必要はあるが、USB出力さえあればスマートフォンへの充電は大抵なんとかなるだろう。ラジオ自体で情報は集めることはできるし、スマートフォンへの充電もできるならとりあえず災害時の情報取得について最低限の備えができると言える。

ゴムフラップを開けると、USB出力ポートとイヤホン端子がある
本体にはUSB micro-Bケーブルと、フィーチャーフォン向け変換端子が付属する(活躍の機会は少なそうだが…)

 災害対応ラジオで検索すると、同様の機能を備えつつ廉価な機種はたくさん見つかる。今回購入の決め手になったのは、クラシカルな選局ダイヤルだ。本体横のダイヤルを回すと選局インジケーターが左右に動く、昔ながらの方式のものだ。なぜこれが決め手になったかと言うと、廉価な機種ではボタンを押して周波数を選択し、周波数が液晶パネルで表示されるものがほとんどだった。万が一、本体が衝撃を受けて液晶パネルが損傷したら…と思うと、多少高価でも確実に動作する可能性が高いほうを選択するに至った。

本体を収める袋と、緊急用ホイッスルも付属。スマホの充電ケーブルと一緒に袋に入れておくのがよさそうだ

 災害に対しては、いつどれだけ備えても、それが本当の大きな災害の前であれば遅きに失するということは無いように思う。皆様も、今更などとは思わずに、今一度防災バッグの中身を見直してみてはいかがだろうか。デジタル時代に対応した備えに更新することも大切だと思う。

製品名発売元実売価格
ICF-B09ソニー9000円
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