本日の一品
ダイソーで1000円のこしゃくな「完全ワイヤレスイヤホン」をゲットした
2021年7月5日 06:00
初めてスマホで音楽を聴くためのBluetooth無線対応のイヤホンを買ったのは、値頃感の出てきた4年ほど前だったと記憶している。たしかこのコラムにも紹介したオンキョーの「W800BT」だった。
それまで3万円台だったワイヤレスイヤホンが2万円前後で買えるようになった年だ。そんな高級オーディオの部類に入っていたワイヤレスイヤホンだがつい先日、ダイソーで1000円で山積みになっていたので試しに買ってみた。
1000円とは言え、昨今のワイヤレスイヤホン同様、コンパクトな充電ケースも付属する。その他の同梱品は充電用microUSBケーブルと取説とシンプルだ。今なら充電ケースのポートはType-Cにしてほしかったが1000円なら我慢するしかないのかもしれない。
筆者は付属品のショートケーブルを使って最近は余り使わなくなったACプラグ付のUSBモバイルバッテリーを専用充電ステーションとして使っている。
左右の各イヤホン内部には50mAhのリチウムポリマーバッテリーが搭載され、充電ケースに収納して1.5時間で満充電となり4時間の音楽再生が可能だ。
一方、充電ケース側には300mAhのバッテリーが搭載されており、イヤホン側に追加充電することで、充電ロスを差し引いてもイヤホンで更に6時間の再生が可能なようだ。充電ケースと内部に収納したペアのイヤホンには、外部のUSB ACアダプターやモバイルバッテリーから4時間で満充電できるようだ。
スマホやPCとの接続はBluetooth 5.0。スペックでは10mの距離まで通信可能だ。実際にやってみたところ筆者宅マンションで再生スマホを部屋に残し、部屋を出て数メートル先の部屋に移動して木製のドアを閉めてもYouTube音楽が瞬断することは無かった。
あっという間にBluetooth接続は終了したので、さっそくいろいろな音楽を聴いてみた。カナル型のインイヤー方式なので本来の音の特性がダイレクトに強調される傾向があるが、全般的に高域より低域の押し出しが強い。好き嫌いや音楽ジャンルの向き不向きはありそうだ。
パッケージ上に金帯背景に記述されている『リズム際立つ迫力の重低音』という表現が言い当てているだろう。筆者にも後半の”迫力の重低音”は嫌というほど分かったが、いまだに”リズム際立つ”はピンときていない。
実は、筆者は10年ほど前に発売されたかなりクラシックでレガシーな有線イヤホンのAKG K3003という製品を長く使っている。リファレンスに相応しいオールラウンドで分解能の高いお行儀良すぎる高級イヤホンだが、時としてちょっと不満な時がある。
それは熱気のあるライブなどを再現した時の雰囲気だ。気のせいか再生音がどちらかと言えば値段の高いプラチナ席で聴いている感じなのだ。ライブには、少し粗削りだが勢いとノリのある臨場感が欲しいのだがちょっと淡白な感じなのだ。
今回、ダイソーの1000円イヤホンで聴いたのはYouTubeのライブやハードロックのCD音源だ。いずれも、遠慮なくバンバンバリバリ真っ黒な握り拳が飛んできそうな低域の押し出しがライブ向きだ。K3003のプラチナ席に対してステージ上で聴いている感じがとても良い感じだ。
スタジオ録音のジャズも聴いてみたが、なんとこっちもライブ感が出ているように感じてしまう。悪く言えば、多少粗削りだ。そして高級なイヤホンにあるように輪郭のハッキリした低域では無いが、風が吹いてくるようなパワー感は感じる音だ。
人間である以上、20代では低域から高域まで完璧な聴力も、超人じゃない普通人なら40代になれば4000~8000Hz辺りでは20dB近く聴力が落ちてしまう。それ以上の高域はもはや聴こえていないレベルにまでなっても、低域の耳感度はそれほど落ちないのが一般的だ。
そういう意味では、ダイソーの1000円イヤホンは全世代が低域の押し出しを感じ取りやすく、20代の人が高域のパワーや分解能の欠落を感じやすい商品なのかもしれない。筆者はプロのオーディオ評論家ではなく、常識的な範囲で高域の劣化した耳を持っているので、ライブ向きと感じてしまったのかもしれない。
ワイヤレスイヤホンが余りに安かったので、ついでにお風呂タイム用に500円のBluetooth接続防水スピーカーも買ってしまった。恐るべしダイソーだ。こんな調子でどんどん新しい商品を安く出されてしまうと困ってしまう日本のレガシーなオーディオメーカーさんがいっぱい出てきそうだ。差別化の難しい時代になったものだ。
商品名 | 購入先 | 価格 |
---|---|---|
True Wireless Earphone (完全ワイヤレスイヤホン) | ダイソー | 1000円 |