本日の一品

カジュアルな食事タイムならウケそうな胡椒挽き「Ah Choo!ペッパーミル」

 和テイストな食卓や立ち食いうどんのふりかけ型定番調味料と言えば“七味”だ。一方、洋食の定番ふりかけ調味料の代表選手は“胡椒”(ペッパー)だと思っている。

 一般的に、キッチンや食卓の上にはペッパーミル(胡椒挽き)のある家庭は多いだろう。そんな家庭の食卓の楽しい雰囲気を一気に潰してしまうか、反対に一気に盛り上げてしまうかもしれないおバカ・ガジェットが今回ご紹介する「Ah Choo!ペッパーミル」だ。

 Ah Choo!(アチュ~)はご存知の方も多いだろうが、日本語で言うなら、我慢していても、くしゃみの瞬間に思わず出てしまう“はくしょん”の意味だ。そんなおかしな商品名の付いたペッパーミルが今回の主役だ。

胡椒+鼻=くしゃみ を製品にした「Ah Choo!ペッパーミル」を買った
大人の手のひらにピッタリサイズの巨人の鼻のような胡椒挽き
ネジ一個で分解組み立ては簡単だ

 大きさは大人の男性が手でもってしっくりと良いサイズ。手の小さな女性や子供には少しオーバーサイズかもしれない。しかし、それ故、「Ah Choo!ペッパーミル」が手の中に隠れることなく大きくあふれて楽しさや面白さが増す可能性も高い。

 構造は極めて簡単だ。超素人の筆者が見た限り、基本は既存のペッパーミルのパーツを上手く流用し、外側に極めて大きな巨人の鼻のような被せモノをした感じだ。

 最上部の固定ナットを回して取り、続いて回転ハンドルを取り外すと蓋が取れてブラックペッパーホール(ブラックペッパーの実)を入れることが出来る構造だ。

 筆者宅でも以前からずっとキッチンに常備しているのは、ブラックペッパーのいっぱい詰まったペッパーミルだ。透明で中身の見える構造なので、使っているうちに減ってくると、いつもの近所の業務スーパーで買ってくるのが習慣だ。不思議と中身のブラックペッパーホールを買いに行ったこともなく売ってるのも見たことがない。

ありきたりだけど……何処でも入手可能なマトモなペッパーミル
既にあったマトモなペッパーミルからブラックペッパーホールだけを移した
この『アブノーマルさ』がたまらない!

 ミル付きでも安価な商品なので、わざわざリフィルを買って詰め替える人も少ないのだろう。しかし安くてもこれがなかなかの味と使い勝手なのだ。今回、「Ah Choo!ペッパーミル」で使う時も、ブラックペッパーだけを買いに行く手間を省いて、この業務スーパーのペッパーミルから必要量を「Ah Choo!ペッパーミル」に移し替えて使ってみることにした。

 「Ah Choo!ペッパーミル」側の口はかなり小さくて、ブラックペッパーホールを移し替える時にまき散らしそうだったが、なんとか上手くいった。

 先ほどの分解とは逆のプロセスで「Ah Choo!ペッパーミル」を組み上げ、ちょうどでき上がったばかりの麩を使った自家製オニオンスープにハンドルを回してブラックペッパーを挽いてかけてみた。

このひと振りで美味しくなるか、不味くなるか……それが楽しみだ

 腕力が弱いと、ハンドルを回す方に気も力も集中しがちで、「Ah Choo!ペッパーミル」本体を持っている方の手が多少フラつくが、これも慣れてくると絶妙の感覚で、「Ah Choo!ペッパーミル」の鼻の頭を隠すこと無く上手く握ってジャリジャリ、ジョリジョリ……と上手く挽くことができるようになってくる。

 サイズは大きいけれどかなり離れた2つの鼻の穴を意識してターゲットである食べ物の上に細かく挽かれた胡椒の粉をまき散らすことができるようになれば一流だ。

 しかし、この「Ah Choo!ペッパーミル」を使ってみて気付いた欠点が一つだけ見つかった。「Ah Choo!ペッパーミル」はごく一般的な丸型のペッパーミルのメカ部品を流用したための問題だ。

 ハンドルを回すことで細かく粉砕された胡椒の粉は両方の鼻の穴の中央に設えられた山脈のような形状の仕切り板で左右の鼻の穴に振り分けられるが、鼻の穴の周囲に多少の余分なスペースがある為に、一部の粉砕された胡椒の粉はダイレクトに大きな鼻の穴から落下せずに、余分なスペースに引っかかってしまいそこにとどまってしまうことだ。

鼻の穴の内側周辺の構造が今一つ甘いので粉砕屑が内部に溜まることがある

 これを回避するには、ハンドルを回して削った最初のサイクルの後に「Ah Choo!ペッパーミル」を左右に傾けたり、揺すったりして、粉砕メカから出た胡椒の粉を鼻の内部に留めないことだ。

 訓練を積んだ「Ah Choo!ペッパーミル」のプロレベルの使い手なら、周囲の誰にも気づかれることなく、ハンドルを回転させながら、同時に「Ah Choo!ペッパーミル」全体を揺すって残留物が鼻の内部に残らないようにできるかもしれない。

 「胡椒+鼻=くしゃみ」を直線的に想定した商品企画はさすがだ! メイド・イン・チャイナも最近は製造だけではなく、こういうウィット精神も出てきたと思ってパッケージを見たら、確かに製造はお約束の中国だったが、発案はカリフォルニアのニューポートビーチだった。

 さて食卓で、何処にでもあるありきたりのブラックペッパーホール入りのミルを使うか、わざわざ千数百円と、手間をかけ、練習をして「Ah Choo!ペッパーミル」を使うかどうかは読者諸兄の食生活環境とテーブルを囲む人の個性と品性、ユーモアを解する広い心によるところが大きいので本コラムでは責任を負うことはない。

マトモなデザインのペッパーミルで人生を平凡に生きるか、ウケかひんしゅくを買うか不明だが挑戦してみるか……
製品名発売元購入価格
Ah Choo!ペッパーミル(アチュー胡椒挽き)BARBUZZO1700円
Amazonで購入