本日の一品

今さらデータ通信と給電を切り替えられるUSBケーブルに頼る

 いつの間にか「充電専用のUSBケーブル」が過去の遺物になりつつあるようだ。おそらく、かつてはパソコンのUSBポートから直接携帯電話や周辺機器を充電するのがスタンダードで、パソコン上で機器が認識されるなどの面倒を避けるため、あえてデータ通信しない充電専用ケーブルを使いたくなるケースも少なくなかったのだろう。ところが、USB充電器やモバイルバッテリーからスマートフォンを充電するのがわりと当たり前になった今、データ通信と充電を兼ねたケーブル1種類でいいじゃん、という判断になったものと思われる。

 機能は多ければ多いほどいい、というか、大は小を兼ねる的な精神はわからないでもないのだけれど、筆者としてはいまだに「小」が欲しくなるシチュエーションもある。たとえばオンライン会議・取材によく使っているアクションカム(Micro USB)は、給電にデータ通信対応ケーブルを接続すると、給電元が充電器やモバイルバッテリーであってもなぜかデータ通信モードになって撮影できなくなることがある。なので、充電専用ケーブルが一番無難なのだ。

 もちろん、充電専用ケーブルはまだ販売はしている。ネットにも、100円ショップにも売っている。ただ探してみるとわかるが、充電専用ケーブルの選択肢は限りなく少ない。しかも何の装飾もない、地味なケーブルだけだ。ある100円ショップでは、充電専用ケーブルはLightning端子(片面)のものしか置いてなかった。筆者が必要としているMicro USBの充電専用ケーブルは絶滅の危機に瀕している。

 手元にもUSBケーブルは大量にあるけれど、ほとんどがデータ通信兼充電用で、充電専用ケーブルはほぼゼロ。どうすればいいのか。頭を抱えながらネットをさまよっていた時に発見したのが、データ通信をオフにして充電オンリーにすることも可能なスイッチ付きのUSBケーブルだった。

Micro USBのコネクターにスイッチがある。これをスライドさせるとデータ通信と給電を切り替えられる

 これは、充電したい機器側のMicro USBコネクターに設けられたスイッチをスライドさせるだけで、データ通信モードと給電モードを切り替えることができるというものだ。今回の筆者のように、アクションカムに正しく給電しながら使いたいときにも当然使える。ただ、冒頭で説明したように、どちらかというとパソコンから給電しているときに接続デバイスがいちいちパソコン上で認識されないようにする、というのが本来の使い道に近いようだ。

 こういったスイッチでモードを切り替えられるUSBケーブルというのは、やはりパソコンのUSBポート経由で周辺機器を充電していた時代に流行ったもののようで、製造が終了しているパターンも多い。以前は100円ショップでも手に入ったようだが、数軒巡ってどこにも置いていなかったため、いつもどおりAmazon.co.jpからゲットした。若干値段が高い気はするが、仕方ない。

 ちなみにアクションカムでは、ケーブルを接続したままスイッチを動かしてもモードは変わらず、いったん抜いて差し直さないと機器上での認識は変わらないようだった。なので、もしデータ通信と給電を切り替えながら使いたいのであれば、その都度抜き差しする必要が発生する。筆者はもともと給電だけが目的なので、とりあえず問題はないのだが。

データ通信対応ケーブルから給電するとアクションカムはストレージ(内蔵のmicroSDカード)として認識されることがあり、撮影できなくなる
充電専用ケーブルなら給電しながら撮影可能(ディスプレイ右上のバッテリー表示に給電マークが付く)。もしデータ通信したくなったらコネクタ部のスイッチを切り替えて差し直せばOK

 とはいえ、ずっと給電し続けたり、使い終わるたびに抜き差しするのはバッテリーの劣化が怖いし、面倒だし、端子の破損も心配なので、「USBスイッチ付きコネクター」も組み合わせることにした。こちらは単純にすべての回路のオンとオフを切り替えるもので、オフにすれば給電もされなくなる。データ通信と給電を切り替えるケーブルは差しっぱなしにしたまま、アクションカムを使うときだけ「USBスイッチ付きコネクター」をオンにすれば、端子やバッテリーの劣化を抑えながら使い続けられるというわけ。スイッチ部の使い勝手を高めるのに、USB延長ケーブルを一緒に使うのもおすすめだ。

「USBスイッチ付きコネクター」と組み合わせてみる
必要なときだけ手元のスイッチで給電をオンオフできるように
製品名発売元価格
切り替えスイッチ付きUSBケーブルオウルテック580円
USBスイッチ付きコネクタースワロー340円