本日の一品
分割・ファンクションキー・コンパクト!なキーボード「BAROCCO MD770」
2020年8月11日 06:00
緊急事態宣言解除後、テレワークを継続する企業、出社とテレワークを半々にする企業、従来の出社に戻った企業など、様々な対応がなされているかと思う昨今、筆者は必要があれば週1~2回出社、それ以外は在宅勤務という形態に落ち着いている。となると、さらに作業環境を良くしたくなるというものだろう。入力周りを強化するため、以前から興味を持っていた分割キーボードに手を出すことにしてみた。
トレンドは、キースイッチをはんだづけする「キーボードの自作」だ。地上波テレビで取り上げられたこともあり、ブームになっていることをご存知の方も多いだろう。しかし、プログラマーをはじめとするギークが主たる購買層のためか、ファンクションキーを配置することを想定しないものが多い。Fnキーとの同時押しは、筆者が主に使うExcelでは不便だ。しかし拾う神はいるもので、自作ではなく、吊るしでファンクションキーを備えるものを発見。台湾のメーカー、Mistel社から発売されている「BAROCCO MD770」を早速導入した次第である。
結合時の見た目は、テンキーを省略して横幅を短縮した、いわゆる75%キーボードと言われるタイプのものだ。総キー数は85個となっている。上端にはファンクションキーが備えられているのと、右端にPage UP/DOWNやEndキーがあるところが特徴的だが、配置自体に不自然さは見られない。パソコンとの接続はUSBで、パソコン側ポートはType A、キーボード側はType Cとなっているのが今どきなつくりだ。
本体を分割できるので、左右間をつなぐカールコードがあるのが普通のキーボードと異なる。左右間の接続コードは着脱式で、いずれもUSB-Cとなっている。スイッチはCherry MXを採用しており、茶軸・青軸・赤軸・クリア軸・静音赤軸がラインナップされている。筆者は打鍵圧が高く、自宅で使う事を考慮し、静音赤軸をチョイスした。
左右は、数字キーの1~6が左手、7以降が右手となっている。ホームポジションのキーで言えば左人差し指のFと、その横のGまでが左手、右人差し指のJと、その左横のHからが右手となっている。カーソルキー等を配置する都合上、本体サイズは右手側が大きいアシンメトリーな構造だが、頻繁にタイプするキーの割り当ては半々くらいとなっている。本体にはUSBポートが4つあり、うち2つは左右接続に使う。パソコンとの接続には残ったポートを用いるが、両方使う際は右手側からパソコンに接続する。片方だけの運用も可能となっており、左手側のみ使いたいときは左手側のポートを使用する。左手デバイス的な運用もできる、柔軟な造りだ。
また、豊富なマクロ機能を有しているため、さまざまなキーのカスタマイズが可能。1回キーを押下するだけで複数のキー入力を行うことができるよう割り当てられるので、応用次第でさまざまな活用ができるようになっている。
早速この原稿を執筆するのに使っているのだが、まず姿勢については驚くほど自然になった。いままで普通のキーボードでタイプする際に、いかに肩をすぼめていたのかを逆説的に実感した。両手をまっすぐ前に伸ばせばホームポジションになる、という事がこれだけ自然で楽なのか、と目からウロコが何十枚も落ちた気分だ。
一方で、両指の割り当てが完全に、かつ強制的に分割されたことによるミスタイプも多発している。今まで無自覚だったが、Bのキーを右手人差し指を伸ばしてタイプするクセがあったという事に気づかされた。こうやって強制的に分割されると、いかに非効率にタイプしていたかが浮き彫りにされて面白い……のはおそらく今だけで、この先しばらくはミスタイプに苦しむことになるだろう。ここは日々の業務で慣れていくしかない。
左右が強制分割されることや価格の高さから、万人におススメできないことは十分に承知している。しかし、品質と耐久性、さらには健康のことを考慮すれば決して高い買い物ではないと確信している。在宅勤務では、オフィスのような理想的なデスク環境が構築できない人も多いと思うが、入力環境の改善には必ず役に立つと思われる。我慢できずに英字配列のものを購入したが、過去モデルには日本語配列モデルもラインナップされている。価格的に悩ましいところだが、もし日本語配列モデルが発売されるのなら買い直してもいいかも……と思わせる完成度だ。
製品名 | 発売元 | 購入価格 |
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BAROCCO MD770 | BAROCCO | 1万8436円 |