耐久性も抜群、アームで自由に巻きつけられるコンパクト扇風機

　USB扇風機のような季節モノの製品を記事で紹介する場合、どうしてもその年に発売された製品が中心になりがちだ。なぜならそれらの製品は1年単位で型番が切り替わることが多く、時期を逃すとシーズンが終わるだけでなく、製品自体が終息していることがほとんどだからだ。

　結果的に、評価の中から耐久性にまつわる視点が欠けてしまいがちなのだが、逆に言うと年またぎで紹介できる製品は、そうした耐久性についてはお墨付きであることが多い。今回紹介するドウシシャの「お出かけファン（FSU-92B）」は、まさにその典型といえる製品だ。

製品本体。3本の脚で自立する構造

横から見たところ。本体内にリチウムイオン電池を内蔵している

脚は自由に曲げられる

　これはUSBで充電して使うコンパクトな扇風機で、3本の脚を使ってさまざまな場所に巻きつけられるのが特徴だ。身の回りにある手すりや支柱に簡単に取り付けられるので、思い通りの角度から風を送ることができる。屋外のキャンプでの利用や、車やベビーカーに取り付けるにはもってこいだ。

かなり極端な角度をつけることも可能だ

アームを使って支柱などに固定できる

CDとのサイズ比較。本製品がやや小さいが、実質同等のサイズと見てよい

　同種の製品はいくつか存在するが、本製品の大きな特徴は風量の強さだ。3段階の「弱」でも1m以上の距離からでも十分に風を感じられるほどで、「強」になると部屋の空気をかき回すくらいの勢いはある。さすがに「強」だと風切り音がかなり騒々しいが、直径10cmにも満たないサイズながら、この風量はなかなかのものだ。

　アームでくくりつけるという構造上、首振りなどの機能を持たないが、角度変更の自由度の高さは折り紙付きで、ピンポイントで特定の場所に風を送りたい場合にはとても便利な製品だ。もちろんデスク上での自立も可能で、汎用性は非常に高い。

背面ポートからUSBケーブルで充電する。ちなみに運転時間は弱で6時間

上部のボタンを使って風量を3段階で切り替える。長押しで電源をオフにできる

　筆者が購入したのは昨年夏だが、以来一日数時間、200日は稼働し続け、今年夏もまだ使い続けているくらいなので、耐久性もお墨付きだ。一般的なUSB扇風機は、モデルの終息うんぬん以前に、1年経つと異音を発するような製品も珍しくないので、本製品の耐久性の高さが光る。3シーズン目まで使えるかどうかは分からないが（そもそも保証期間は1年だ）、長期間使いたい人にとっては有力な候補になるだろう。

　ただしAmazonのレビューを見ていると、アームを頻繁に曲げたり伸ばしたりしていると、破損につながりやすい傾向は少なからずあるようだ。扇風機本体は頑丈だが、そのほかにウィークポイントがあるというパターンで、その点だけは十分に気をつけて使ったほうがよさそうだ。