本日の一品

Zoom会議にもおすすめ? ノートパソコン・スタンドを買ってみた

 近頃、ネット販売のサイトを見たり、SNS上の広告で頻繁に見かけるモノに“ノートパソコン・スタンド”というガジェットがある。ノートパソコンスタンドは勿論、和製英語だが、海外でもラップトップ・スタンドで探してみるとたくさんの商品が見つかる。

 筆者はデスクの上にごく普通の状態で置いたラップトップ(パソコンは省略)に特別の違和感も感じない質だが、世の中にはラップトップスタンドにラップトップを載せて利用するユーザーが多い。

 初めのうちは格好から入るスタイリッシュなライフスタイル商品の広告イメージだと思っていたが、どうもそうではないらしい。

 去年の今頃、クラウドファンディングでもリトラクタブルでラップトップの底面に貼り付けるペラペラだがそれなりの強度を誇る折り畳み式のラップスタンドが話題になった。つい好奇心から2~3枚買って試してみた。

昨年、クラウドファンディングでバックした人気のリトラクタブル形式のラップトップスタンド。同型のモノが多く発売され筆者も3種類ほど手に入れた

 そこそこ底上げをして、キーボードに適度な傾きを付けることで入力時の雰囲気は一時的に新鮮な雰囲気にはなるが、格段これが入力パフォーマンスをアップするとは思えず、少しでもラップトップが重くなることの嫌いな筆者はすぐに剥がしてしまった。

 ただ、キーボードの角度改善は別にしても、普通に机の上に置いたラップトップの画面操作では、視線はどうしても下を向く傾向にあり、これは常に正面を見て作業の出来るデスクトップパソコンとは隔たりがある。人によっては肩こりなどの原因になるかもしれない。

 ここはやはり、典型的なラップトップ・スタンドを自分で買って確かめてみようと思い、SNSなどで頻繁に広告の登場する一品を買ってみた。速攻で届いたのは「ivoler ALUMINIUM ALLOY PORTABLE LAPTOP STAND」という商品だった。言ってみれば“アルミ合金のラップトップスタンド”だ。

今回ご紹介するALUMINIUM ALLOY PORTABLE LAPTOP STANDは専用携帯ケース付きだ
携帯時の格好はスキーの板のペアのように見える
携帯重量はケース込みで254gなので、どこにでも持って行けるギリギリだ

 実際に重さを測ってみたところ専用のポシェット込みで254gだった。これを出先にまで持って出かけてドヤるかどうかは別にして、その気になれば持ってゆけない重さではない。

 速攻で届いたラップトップ・スタンドは一見してスキーの板がペアで接続された感じで、まずは両手で左右に引き離し広げる。次にお好みの角度まで引き起こして固定した傾斜にラップトップを設置して使用する入力&操作の支援装置だ。

まず両方の指先で持って左右に引き離し、続いて手前に引き起こす
15度から5度刻みで最大傾斜40度まで6段階に角度調整が可能だ

 今回ご紹介するラップトップ・スタンドはなんと最小15度~最大40度までの角度を5度刻みで6段階も設定出来るそうだ。最大斜度40度なんて言うと、スキー場なら“グランドサンピア猪苗代リゾートスキー場”と同じで、一般的にはほとんど崖だ。

 そう思うと、崖にラップトップ・パソコンを立てかけてどのように利用するのだろうとシンプルな疑問が湧いて来る。

 もちろん、ラップトップのキーボードと画面との開口角度も重要なファクターだ。フルフラットに180度開くラップトップもあれば、構造によっては135度くらいのラップトップもある。うっかり傾斜40度のラップトップ・スタンドに立てかけてしまうと、ディスプレイは90度を超えてオーバーハング状態になる場合もありそうだ。

 いろいろなラップトップをラップトップ・スタンドの角度を変えて何度も設置して文字入力をしてみたが、実用的な条件と、面白いけど全く意味の無い設置法などがいろいろ見えてきた。昨今はZoom会議流行りだが、多くの女性ユーザーの中には、WEBカメラに下から撮影されるのを好まないこだわり派が少なからず居ることも分かってきた。

上に載せるラップトップのディスプレイ開口角度は135度~180度迄とまちまちだ
開口角度が130度前後だと、余り角度のあるスタンドに載せると液晶画面がオーバーハングに近い状態になる場合もある
インカメラがキーボード上に組み込まれているHUAWEI MateBook D 15などはWEBカメラを使う場合は余りスタンド向きではないだろう
スタンドに載せるラップトップのパームレストの厚さによっては、受け側の爪が出っ張ってキー入力の邪魔をする場合もある
ASUS Zenbook Duoも開口角度は大きくないので、むやみに角度のあるスタンドに載せると液晶がオーバーハング気味だ。というよりこの状態では普通の人がキー入力できるとは思えない。逆にキーボード上のサブディスプレイは見やすくなった

 一般的なラップトップの場合、Webカメラは、画面のフレームの最上段に配置されていることが多い。最近買って極めてお気に入りのASUS ZenBook Duoはなかなか意欲的な商品だが、そういう観点で見るとキーボードの高さからポップアップするWEBカメラは好ましい位置ではないのかもしれない。

 デスク上に直置きすると、まさに下から顔を見上げるアングルで撮影し、ラップトップ・スタンドに載せて使用すると、今度はほとんどキーボードを入力、操作するユーザーの手元しか捉えない雰囲気だ。

 これまでは全くラップトップ・スタンドに興味の無かった筆者だが、ラップトップ・スタンドの最大の意義は、やはりディスプレイを真っすぐ正面に見ることが出来る点だろう。

 そういえば、大昔、ThinkPadの商品企画に関わっていた頃、ThinkPad 220の発表会で、当時はラップトップ・スタンドなんていうシャレたモノは存在せず、丸善で買った書見台にThinkPad 220を載せ、ラップトップのディスプレイの高さを持ち上げて、デスクトップのように楽な姿勢で使う……というデモをしたこともあった。

そういえば25年以上前には丸善で買った980円の書見台を使って同じことをやっていたのを思い出した
25年前にも、当時のノートパソコンの液晶を目の高さの正面で見たくて、書見台に立てて発表会でもデモした。当然、キー入力は不可能なので外付けキーボードは必須だった
同じことを今やってみたが、やはり、ラップトップの液晶画面の見やすさを優先して、ディスプレイの位置を目線に合わせるなら、外付けキーボードはマストアイテムだ

 もちろん、そんな状態では、誰が考えてもキーボード入力は快適なわけはないので、外付けキーボードは必須だった。それを思うと、25年近くたった今、同じようにThinkPadでやってみたくなって、昔を真似してやって見た。

 これなら液晶ディスプレイは真っすぐ前を見た正面に位置し、Webカメラもほぼ正面から操作している人を捉える。外付けキーボードは自由な位置、角度で操作性も抜群だ。改めてたいていのモノは昔からある。テクノロジーワールドもガジェットワールドも温故知新の精神が重要だと感じた次第だ。

製品名発売元価格
ivoler ALUMINIUM ALLOY PORTABLE LAPTOP STANDivoler2999円(税込)