本日の一品
あのジェームス・リジィの“ルック・アット・アス万年筆”
2019年7月22日 06:00
ニューヨークのブルックリンを活動の拠点としていたジェームス・リジィの作品は、大都会の喧騒をテーマに、都市生活の華やか且つ賑やかで陽気な日常を、大胆なフォルムと色彩で表現した明るい作品が多く、亡くなった直後からその作品の多くが一気に高騰した。
いくら欲しくても彼のアート作品にはなかなか手が出ないのが現実だ。ところが、わずかなお小遣いでジェームス・リジィのポップ感覚を常に持ち歩ける万年筆が数種類発売されている。
発売したのはドイツに本拠を置く「ONLINE」社。ONLINEはドイツバイエルン州ノイマルクトでトーマスとアレキサンドラのバッチご夫妻によって1991年に創業され、万年筆の世界ではまだまだ歴史の新しい元気な会社だ。
多くの筆記具に交じって、スマホなどでも活用できるスタイラスペンや、既存の筆記具とスタイラスのハイブリッドという新しい筆記具もいち早く販売した積極的な企業だ。
一品としてご紹介するのは、ジェームス・リジィの作品をオマージュした万年筆だ。同社の”ヤングライン”シリーズの一つとして登場した”ジェームス・リジィ”シリーズは、ドイツ人気質が生み出す伝統的な品質と機能性を備えたオーソドックスなスタイルにポップなデザイン性と創造性を合わせた斬新なイメージの万年筆だ。
発売された万年筆は全部で5種類。ポップなイメージをまとったYOUNG LINEシリーズの“LOOK AT US”、“THE CITY THAT NEVER SLEEPS”、“THE BIRDS ARE BACK”、“TAXI TAKE US HOME”、“GIVE PEACE A CHANCE”だ。
個々のアートのイメージはONLINE JAPANのWEBページを見て頂くとして、筆者の購入したモデルは最初の“LOOK AT US”というタイトルの付けられた万年筆だ。
店頭のショウウィンドウに飾ってあった“LOOK AT US”を見て、すぐに実際の商品に触れさせてもらった。最初の驚きはその軽さだった。それもそのはず、クリップとペン先以外は全てがプラスティック製だ。
プラスティック製の万年筆だと、持った瞬間、安っぽく見えてしまい購入を躊躇することが多いが、ジェームス・リジィの陽気で軽妙なポップアートとのコンビネーションなら、軽いという特徴は最大のメリットに感じてしまうのが不思議だ。
万年筆の表面に貼り付けられているのか印刷されているのか、ジェームスリジィのアートはプラスティック素材の上面に見事に定着しており、プラスティックのチープさを感じさせない。
また筆者が購入した2番目の理由は、5種類すべてにおいてペン先の太さがEF(極細)、F(細)、M(中)の全てが揃っていることだった。字画が多い繊細な漢字を書くことが多いためか、多くの日本人の好むペン先はF(細字)系であると言われている。
筆者はFサイズの万年筆は実は1本も持っておらず、M(中字)以上を使っている。過去の経験では、カタログ上にはMサイズがあっても、実際の店頭には在庫していることが少なくお取り寄せになる確率も高い。今回は店頭にMがあり、価格も安く、躊躇なく購入してしまった。
持ち帰ってその重さを計ってみたら、インクカートリッジ込みでたったの15g。ごく普通の木の鉛筆一本が5g前後なので、なんと鉛筆3本分の軽さだ。
筆者は同社の純正カートリッジを使っているが、おそらくLAMY製と同じだ。お好みのボトルインクを使いたいなら、同社のスポイトも使用できる。
極めてポップな印象が前面に出てくる“LOOK AT US”万年筆だが、クラシカルでトラディショナルな大学ノートや革張りの高級感あるクラシカルな手帳とのコンビネーションでも楽しく活用できそうだ。
製品名 | 購入場所 | 購入価格 |
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ジェームス・リジィ ルックアット 万年筆M | ヨドバシカメラ | 1900円 |