本日の一品

スマホでの画像加工に「ちょうど良くてちょっといい」タッチペン

 今回紹介する製品は、タッチペンの「Adonit Pro3」。スマートフォンやタブレットを使った画像加工のクオリティを、ちょっとアップさせたい人におすすめの一品です。

 筆圧感知やアプリ連動といった機能は非搭載で、3000円台という価格は少し高価に感じられるかもしれません。しかし、その値段に納得できるポイントが随所に見られる「ちょっといい」タッチペンです。

 また、そういった高度な機能がない分、充電の必要はありません。いつでも気軽に使える「ちょうどいい」タッチペンでもあります。

「Adonit Pro3」

 筆者の場合は、女性向けメディアや広告でよく見られる、写真の上に手書き文字を配置するおしゃれな加工を上手に再現したくて購入しました。なお、本製品を購入したあとに後継機種である「Adonit Pro 4」が発売されていました……。一つバージョンが古い製品のレビューになってしまうこと、ご了承ください。

高級感と細かな気配り

Adonit社のロゴ。ボディのデザインと相まってかっこよく見える

 スタイリッシュで高級感のあるアルミボディはかっこよく、所持しているだけで気分が高まります。ボディカラーはグレーを選びましたが、このほかにブルー・ピンク・ブラックの3色も販売されています。

 グリップには滑り止めの溝が入っており、あまり力を入れずともラクに持てます。触り心地はすべすべ、ひんやり。気持ち良いのでずっと触っていたくなります。長さは約12cmと一般的なボールペンよりも少し短く、クリップ代わりのスリットがあるので持ち運びに便利です。

 使わないときには、付属のキャップでペン先を保護できます。キャップには磁石が付いているので、パチン! とワンタッチで閉められるのも良いところ。

書く楽しさも味わえる感度、趣味で使うには十分な品質

今回使用したアプリは「メディバンペイント」

 実際に「Adonit Pro3」を使って、手書き文字が生きる画像を作ってみました。

 書き心地はシャープでサラサラとしていて、趣味で使うには申し分ないレベルです。引っかかりもなくスラスラと書けるので、書く楽しさを邪魔しません。ペン先が安価なシリコンゴム製のタッチペンだとペン先がすぐにぶにっと潰れ、線を引こうとしても引っかかりを感じていたので、本製品の書き心地はだいぶお気に入り。

完成!別アプリでテキストも入れてみた

 メディバンペイント上では、ペンの種類はGペン、太さは6.6ptに設定しました。筆圧感知機能が無いと手書きらしいタッチは出せないのでは? と心配だったのですが、この設定にするとほどよく文字のフチがざらざらになり、味のある文字が書けました。

「ちょうどよくてちょっといい」タッチペンでひと味違うデザインを

 上述したように、本製品には高度な機能は無いので、繊細な表現を求めている方にはオススメしませんが、私がマネしたかった手書き文字のような味とクオリティは出せたと思います。タッチペンだけでなく、使うアプリによっても仕上がりは左右されそうですが。

 また、フィルム有り無しどちらの状態でも使ってみたところ、特に感度の違いは感じられませんでした。これは便利! と思ったのですが、Adonit社としてはフィルムを貼ったディスプレイで使うことを推奨していないので、性能をフルに発揮するにはやはりフィルムなしのほうがよさそうです。

ペン先は透明ディスクタイプ。ディスクが透明なおかげで、ペン先のイラストなどが隠れず見えるので、細かい作業に向いている

 強いてデメリットを挙げるとすれば、短い線や点などを描こうとすると、認識されないことがたまにあります。ペン先がディスプレイに触れている時間が短すぎると、スマートフォンがタッチペンを認識してくれないのかもしれません。なので筆者の場合は、短い線を描くならゆっくりと線を引く、点を描くならくるくると小さな円を描くように意識しています。

 また、スマホを立てて使うとペン先の透明ディスクが描きやすい角度でディスプレイにフィットしてくれないので、スマホを地面と平行に置きながら使ったほうがいいでしょう。

 実際に使ってみて「Adonit Pro3」はシンプルながら十分な性能、充電なしという手軽さ、高級感のある見た目、そして細かな気配りを感じる作り……と、趣味で使うには「ちょうどよくてちょっといい」タッチペンでした。手書き文字の他にも、細かい写真の切り抜きやイラストなどさまざまな場面で役立ってくれそうです。自分のデザインの幅を広げてみたい、なんて方は使ってみてはいかがでしょうか。