本日の一品

プラモのように作るシャープペンシル「Varacil」

2つ作った。カット跡をちゃんととったほうができはいい

 「Varacil(バラシル)」というシャープペンシルがある。30近くの小さな部品からなり、プラモデルのように組み立てて作るのが最大の特徴で、モノができるまでが本番という変わった一品だ。

 できた感じは幾何学的で芸術的ともサイバーな感じとも言えるデザインで、飾っておくだけでもいい。シャープペンシルにしてはちょっと太めだが、太すぎるわけでもない。

 組み立ては、プラモデルそのものだ。すべてのパーツがくっついたランナーからカッターやニッパーでひとつずつ切り出して、カット跡を削る。接着剤は使わずに、パーツ同士をつなげて大きくしていく。

 カット跡を残したまま組み立てると、先に進めば進むほどパーツ間に隙間ができて、パーツがきちんとはまらなくなる。完成形を拝む前にパーツがぽろぽろと外れていってしまうかもしれない。パッケージやマニュアルによると対象年齢は15歳以上。かつ上級者向けで、とどめに「立体的パズルが苦手な方はご遠慮ください」と念押ししているが、なるほど納得の難しさだ。

開封するとわかる難しさ

 プラモデルに馴染みがない筆者は、大人ながら苦労した。子供だましの商品かと思いきや、最初から難しかった。むしろ最初こそが難しかった。だがそれだけに、しっかり型にはまった完成形を見た感動はひとしおであった。ちゃんと組み立てれば、一応、シャープペンシルとして利用できる。

 一応、というのは、接着剤なしで組み立てたプラモデルなので、強めの衝撃を加えると本体の部品が飛んでしまう。組み立ての精度が甘いと、芯を出そうと強めにノックしたり、強い筆圧で書いただけで部品がばらけてしまう。メーカーもテストや会議などの大事なシーンでの使用は推薦していない。基本的には、作るプロセスを楽しんで、完成品はオブジェとしてデスクに飾り見栄えをよくする、というコンセプトの製品だ。

 ちなみにこの「Varacil」には、5つのカラーバリエーションが用意されている。色が違うだけで部品の形は同じようなので、複数のパッケージを組み合わせてより変わった色使いのシャープペンシルを作るのも楽しいだろう。

 かなり買う人を選ぶと思うが、モノとしては斬新で面白い一品である。プラモデル作りに慣れている人は、この製品にぜひ挑戦されたし。

製品名販売元購入価格
VaracilAS IF TOY980円