てっぱんアプリ!
有償プランがスタートした自動化ツール「IFTTT」。無料版から移行するべき?
2020年10月2日 11:39
スマホを、もっと楽しく快適に使うには、アプリを活用しよう。本コーナーでは、続々登場する旬なアプリの中から編集部が厳選した、スマホユーザー必携の“てっぱん”アプリをご紹介します!
アプリ名: IFTTT
開発者: IFTTT, Inc
価格: 無料
対応OS: iOS 11.0 以降、Android OS
カテゴリ: 仕事
ダウンロード: iOS Android
これまで一般ユーザー向けには無償で提供していたところ、9月に突然有償プランを開始すると発表した自動化ツールの「IFTTT」。無料で使い続けることもできるが、その制限が厳しいということで注目が集まっている。しかし、期間限定ながら有償版には月額200円程度からの低料金でアップグレードすることが可能で、重要な機能もいくつか追加されている。アップグレードする価値があるのかどうか、その中身をチェックしてみよう。
無料で使えるのはアプレット3個まで。集約できないか確認を
「IFTTT」は、スマートフォンやスマート家電などの機器の操作を自動化できるようにする汎用ツール。実行のきっかけとなる条件と、実行するアクションの内容をそれぞれ指定することで、これまでユーザー自身が手動で行っていた機器の操作を手間なしにできるようになる。たとえば「玄関のスマートロックを解錠したら室内のスマートライトの明かりを点灯する」というような連動が可能だ。
こうした実行条件とアクションの内容がセットになったものをIFTTTでは「アプレット」と呼んでいるが、今回の有償プランの開始にともない、2020年10月8日から、無料ユーザーがアプレットを有効にできるのは最大3個までという制限が加わることになる。IFTTTの(無料プランの)アプレットでは条件とアクションが1対1でひもづけられるため、一度のスマートロックの解錠で部屋の明かりとエアコンをオンにする、というような設定はできない。複数のスマート機器をオンにしようと思えば、オンにしたい機器の数だけアプレットを作る必要があるため、ユーザーによってはあっという間に3個の上限を超えてしまうことも考えられる。
ただし、スマートライト1つ1つの操作を個別のアプレットにしているような場合は、スマートライトのアプリ側で複数ライトを1グループにまとめたりすることで、IFTTT側では1つのアプレットに集約することもできる。工夫次第で3つのアプレットに収めることも可能かもしれない。まずは必要のないアプレットや統合可能なアプレットがないか、確認しておきたい。
有償プランでは1つの条件で複数のアクションをまとめて実行可能に
これまで無料で使ってきたユーザーにとっては、有償プランにアップグレードするのは抵抗があるかもしれない。しかし、「IFTTT Pro」では3つほどの大きな機能追加があり、IFTTTの活躍の場をさらに広げることが可能になる。
1つ目は、実行条件に別の機器・サービスのクエリー情報を付加できるようになったこと。たとえば何らかの実行条件に天気情報を扱うサービスを合わせて指定することで、アクション実行時にその天気情報のサービスから取得した現在の天候や気温、風の強さといった情報を参照できる。「(ウィジェット)ボタンを押したら特定の地域の天候を取得して、すぐにプッシュ通知で知る」といったような使い方ができる。
2つ目は、実行するアクションを複数設定できるようになったこと。これにより「スマートロックを解錠したら、部屋の複数の明かりとエアコンをオンにして、メールでそのログを残す」など、1つの条件で多数のアクションをまとめて実行できるようになる。実行条件のクエリー情報取得ともうまく組み合わせて活用したい。
3つ目は、条件を満たしてから実際にアクションを実行するまでの処理タイミングが、無料ユーザーよりも優先されること。IFTTTのアプレットは即座に実行されるわけではなく、IFTTTのサーバー上での処理の都合上、数秒~数十秒程度のタイムラグが発生することがある。リアルタイム性が重要になるアプレットだと実用性に乏しいものになるケースもあったが、有償プランではタイムラグが少なく済むため、使い勝手がよりアップする可能性がある。
有償プランは、標準価格が月額9.99ドルに設定されているが、10月7日までは最低1.99ドルからのユーザーの「言い値」で月額料金を決めることもできる。公式の発表では、ユーザーが設定した月額料金が適用されるのは「無期限」としている。IFTTTをすでに愛用しているユーザーは、有償プランにアップグレードするかどうかを早めに決断したほうが良さそうだ。