スタパ齋藤のApple野郎

Macのマウスはポインター加減速が激ウザい件

「カーソルセンス」でマウスポインター速度を自由に調節!!!

 俺の場合、新しいコンピュータを使い始めたらまずするのが「マウスの動きとマウスポインターの移動速度を一致させること」である。macOSでもWindowsでもそうだが、真っ先にコレを設定。設定しないと、マウスの動かし方に応じてマウスポインタがゆ~っくり動いたり素早く動いたりして、操作感が気持ち悪過ぎてウッカリとコンピュータを破壊しそうになるからだッ!!!
 初期設定段階でパソコン物理破壊は絶対避けたいョね!!!

 Windowsの場合は簡単に設定できる。たとえばWindows 10なら設定>デバイス>マウス>その他マウス オプションへと進み、マウスのプロパティのポインターオプションで「ポインターの精度を高める」のチェックを外せばいい。これで、マウスを動かした分だけマウスポインターが動くようになる。ポインターが動く速さも、マウスを動かす速さに追従する。

 macOSの場合は……基本的には「マウスの動きとマウスポインターの移動速度を一致させること」はできない。なんで?? ヒジョーに残念。

macOS Big Sur(バージョン11.4)システム環境設定の「マウス」。マウスポインターの速度に関する設定は「軌跡の速さ」のみ。これはマウスポインターが動く速度の最大値を指定するもので、マウスを速く動かした時のポインター速度になる。この設定をある程度高速にしても、マウスをゆっくり動かすとポインターもゆっくりと短距離だけ動く。この「マウスの動きに応じてマウスポインターが加減速する動作」の設定は変えられないのであった。

 まあ、人によっては「それのほーが便利じゃん」となるかもしれない。繊細な操作の時にはマウスをゆっくり動かして、マウスポインターの動きを遅くして緻密にコントロールする。マウスポインターを一気に遠くまで動かしたい場合、マウスを速く動かせばポインターの動きが加速されるので、一気に遠くまでポインターが移動する。広いデスクトップで描画系アプリなんか使う時は、たぶん、便利な、マウスポインターの動きだろう。机が狭い場合も、たぶん、便利だろう。

 だが、俺的にはこの「マウスポインターの加速減速」がものすご~く気持ち悪いのである。マウスポインターは、いつでもマウスを動かした距離分だけ移動して欲しい。マウスポインターは、マウスを動かしている速さで移動して欲しい。

 しかしこのポインターの加減速、良かれと思っての仕様なのだろうか? 勝手に加速減速とかヤメレ~気持ち悪い~って思うユーザーも少なくないんだから設定変更させれ?!!! みたいな気分である。

 そしてこの気持ち悪さをオフにできないmacOSの仕様はマウスの使用を前提としたOSとして微妙にズレが生じているような気がしなくもないがさておき、基本的じゃない方法を使えば「マウスポインターの加速減速をオフ」にはできる。で、俺的結論から言えば、980円の有料アプリ「カーソルセンス」を使うのがいいと思う。

「カーソルセンス」はmacOSのマウスポインター移動速度を細かくカスタマイズできるアプリ。ポインター移動速度を一定にすることも可能で、Windowsの「ポインターの精度を高める」のチェックを外した時と同じ状態にできる。マウスの動きとカーソルの動きがリニアに一致するわけですな。

 でも「このアプリ980円で買うとイイっすよ」だけだとアレなので、お金をかけずにmacOSのマウスポインター移動速度を一定にする方法を書いておきたい。よく知られる方法っスけど。

 やり方は簡単で、macOS標準アプリ「ターミナル」を開き、下記コマンドをコピー&ペーストにて入力してreturnキーを押し、Macを再起動するかログアウトして再ログインすればいい。

[defaults write .GlobalPreferences com.apple.mouse.scaling -1]

ターミナルを開き、「defaults write .GlobalPreferences com.apple.mouse.scaling -1」をコピペしてreturnキーを押す。
新しいプロンプト(mac-macbook:~ mac$ など最後が“$”で終わる文字列)が表示されればOK。この後、Macを再起動するかログアウトして再ログインすれば、マウスポインターが加速減速しなくなる。

 なお、↑で変更した設定を元に戻すには、ターミナルで下記コマンドを入力してMacを再起動するかログアウトして再ログインすればいい。また、システム環境設定のマウス項目で「軌跡の速さ」を適宜設定しても元に戻る。後者が手っ取り早いですな。

 でもターミナル使ってコマンドとか打ち込むのは、macOSの普通一般の使い方から外れた、やや強引な使い方になる。なので、自己責任で行うべきであろー。

カーソルセンスなら、クリック一発でポインターの加速減速をオフ!!!

 カーソルセンスはマウスポインターの移動量や加速減速を細かく調節できるアプリ。俺的にまず惚れたのは、マウスポインターの加速減速をワンクリックでオフにできる点だ。↓こんな感じ。

カーソルセンスをインストールすると、システム環境設定から使えるようになる。「加速度」は macOSマウス設定の「軌跡の速さ」にあたる。「感度」はマウスを1インチ動かした時に進むカーソル距離。これらを細かく調節していくと「自分にぴったり合ったポインター移動量およびポインターの加速減速」にしていける。設定次第で絶妙な使いやすさになったりも。
「加速度/感度を無効」にチェックを入れると、マウスポインターの加速減速が機能しなくなり、「マウスの動きとマウスポインターの移動速度が完全に一致」する。Windowsの「ポインターの精度を高める」のチェックを外した時と同じ状態だ。

 本来は、マウスポインターの速さや加速減速度合いを微調整していくアプリだが、一発でマウスポインターの加速減速をなくせるアプリでもある、というわけですな。「ポインターの加減速とかイラネ!!!」って人は、上のスクリーンショットのように「加速度/感度を無効」にすればいい。

微調整を追い込んでいくと「これ最高!!!」と思える操作感になる♪

 カーソルセンスでマウスの加速度や感度を微調整していくと、まさに自分にぴったりのマウスポインター操作感が得られる。マウスをゆっくり動かした時でもポインターが遅過ぎず、速く動かした時は小気味よくポインターが移動。指先がマウスポインターになったかのように思い通りに動かせて、ホンっト~に気持ち良い操作感を大堪能できる。

 ただ、最初はその微調整がなかなか難しい。あーでもない、こーでもない、と微調整しているうちに「もういいや、面倒!!!」となってしまったりする。

 そんな時にツカエるのが「おすすめ設定」。ほかのユーザーの設定をランキング形式で見ることができ、その設定をコピーしてそのまま使ったり、コピーから微調整していける。いわばマウスポインター設定共有機能ですな。

「おすすめ設定」から、ほかのユーザーの設定を参照することができる。カーソルセンスでは5つまでの設定を保存することができ(ウィンドウ右下)、それらをクリックやショートカットで切り替えることができる。複数ユーザーの設定を比べたり、作業別に違った設定を保存することもできるというわけだ。

 設定を細かく調節して保存して使い分けたりすると、マジでヒッジョーにマウスが使いやすくなる。「こ、このマウスってこんなに使いやすかったのか……」とか思うほど。

 でも俺の場合はやってないのであった。やってみたら「すご~い!!!」と感動したのではあるが、やり始めると「カスタマイズ沼」にハマりそう。ハードもソフトもなるべくカスタマイズせず(手間をかけず)そのまま使うデフォルト主義を重視しているので、単に「加速度/感度を無効」を使う程度だ。

 それと、カーソルセンスは複数のマウスに対応している。たとえば、マウスAにはカーソルセンスでのカスタマイズ設定を適用して、マウスBには適用しない、といった使い方ができる。

カーソルセンスはマウス毎にON/OFFを切り替えられる。

 それから「自動移動」機能もある。ウィンドウがポップアップしたら、そのウィンドウのどこにマウスポインターを移動するか、あるいは移動しないかを設定できる。ちょっとしたオマケ機能ではあるが、「最近Photoshopがウィンドウ位置を忘れがち」問題に直面している俺にとっは有難い機能となっている。

カーソルセンスでは、マウスポインターを自動的に規定(選択可能)のボタンに移動させる機能がある。これはアプリケーション毎に設定できる。俺の場合、Photoshopのポップアップウィンドウが開いたらキャンセルボタンにポインターを移動させる設定にしている。
Photoshopで作業中。赤矢印のところにマウスポインターがある。その状態である機能を呼び出すと……。
ポインターから離れた位置にウィンドウがポップアップすることがある。そこまでいちいちポインターを移動するのが面倒。だが、カーソルセンスの「自動移動」機能を使えば、ウィンドウがどこにポップアップしても(だいたいは)ポインターをその位置に自動移動させられる。設定項目で「移動先へ一瞬で移動する」のチェックを外しておくと、目で追える速度でポインターが移動していくので、どこにウィンドウがポップアップしたがかもわかりやすくなる。

 こういうポインターの自動移動については、それ専用のもっと高機能なアプリがあるそうだ。より細かく設定するなら、そういった専用アプリがいいかもしれない。

 でもまあ、俺的に絶対やってほしい「マウスポインターの加速減速のオフ」ができ、さらに最近の Photoshopの面倒をひとつ減らしてくれたカーソルセンス。980円で(確か6年前に)購入して使っているが、ゼンゼン全然ぜんぜん高くないのであり既に元は取れまくりだと感じており、このアプリはぜひ今後も存在し続けて欲しいと思う。ともあれ、 macOSのマウスポインター加速減速の違和感を無くしたいなら、これオススメ♪

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。