スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」
テンキー機能付きタッチパッド2機種を使う
(2013/4/22 06:00)
テンキー機能付きタッチパッド2機種を使う
今回のブツはUSB接続のタッチパッド2種。サンワサプライの「USBタッチパッド MA-TP01」シリーズと、エレコムの「タッチパッド機能付きテンキーボード TK-TCT005BK」である。どちらも静電容量式。
購入理由を大雑把に言うと、タッチパッドでテンキーパッドにも使えたりすると便利なのでは? と思ったからだ。
現在、キーボードは東プレの「Realforce86U」を使用中。テンキーレスキーボードですな。しかし時々テンキーが必要になるので、ロジクールの「Wireless Number Pad N305」も併用している。
で、このテンキーパッドのN305、便利は便利なんだが、純粋にテンキーの機能しかない。が、前述の2機種は、テンキーに加えてタッチパッド機能もある、というか、タッチパッドにテンキー機能が盛り込まれている。も~しかしたらN305を上回る実用性があるのかも!? とか思って手を出してみたんですな。
なお、2機種に手を出したのは、「USBタッチパッド MA-TP01」は大きめでショートカットキーがあったりして多機能だから。それから「タッチパッド機能付きテンキーボード TK-TCT005BK」は複数の指で操作できる「ジェスチャー機能」(マルチタッチ的なもの)が使えるからだ。
てなわけで以降、2機種それぞれの機能や使用感などを見ていきたい。
イイ感じではあるが詰めの甘さもあるMA-TP01
まずはサンワサプライの「USBタッチパッド MA-TP01」シリーズから。カラーバリエーションはホワイトとブラックの2色があるが、ホワイトのほーの「MA-TP01W」を購入した。購入価格は3680円(10%ポイント還元)だが、あっ、ヨドバシがもうMA-TP01の白3290円に値下げしてる~。
MA-TP01の特徴は、上の写真のとおり、タッチパッド機能に加えてテンキー機能を含むいろいろな機能が盛り込まれていること。タッチパッドにもなるし、テンキーパッドにもなるし、表示の拡大縮小やスクロールができるし、Cut/Copy/Pasteやアプリ終了や電卓起動などのショートカットキーがあるしと、かな~り活用幅が広そうである。
ただしマルチタッチには対応していない。が、その分、対応機種が多く、Windows搭載(DOS/V)パソコン、NEC PC98-NXシリーズ、Apple Macシリーズで使える。対応OSはWindows 8/7/Vista/XP、Mac OS X 10.3以降。ただしMacではテンキー機能が利用できない。専用ドライバなどは必要無く、対応PCにUSB接続するだけで使えるようになる。
早速使ってみると、タッチパッドとしては指の滑りも良く感度もフツーに良く、わりと快適だ。テンキーパッドを囲む線の内側がマウスポインタを動かせるエリアとなっていて、約縦95×横90mmの広さ(実測値)がある。この広さがあるので余裕をもってポインタを操作できる。
それから各種の付加機能。テンキーパッドを囲む線の外側に描かれたアイコンをタップしたりスワイプしたりすると、各機能を使えるが、これらがなかなか便利。たとえばウェブブラウザ使用時などにスクロール機能を使うと、指先で画面を上下にスクロールできる。使用感は意外なほどスムーズで実用性が高い。
個人的にイイかも~と思ったのは、テンキーパッド機能の使用感。タッチパッド動作モードからNumLockアイコンをタップするとテンキーパッドとして使えるようになる(タッチパッドとしてマウスポインタを動かすことはできなくなる)。
で、俺の場合、テンキーパッドを使う時は電卓アプリも使うケースが多いのだが、MA-TP01の場合、NumLockアイコンの真下に電卓アプリ起動アイコンがある。ので、これら2つのアイコンを「ポン、ポン」と叩くと電卓の使用準備が完了。タッチパッドから電卓利用向けテンキーパッドへの変身感っつーんでしょうか、これがちょっと小気味よい。
ただ、微妙な使いにくさもある。人によっては「これじゃあダメだなあ」となるかもしれない。具体的には、「テンキーパッドを囲む線の外側に描かれたアイコンを間違ってタップしがち」ということだ。
たとえばタッチパッドとして使用中、マウスポインタを左中央上方面にツーッと移動させていたら、あら? いきなり電卓アプリ起動。うっかり電卓アイコンに触れちゃったというわけだ。タッチパッドエリア外側のアイコンには、アプリ終了のためのアイコンがあったりもするので、時々ではあるが、MA-TP01使用中にウェブブラウザが閉じてしまったりすることも。
このトラブル、ある程度MA-TP01に慣れれば防げるとは思う。が、その多機能さが操作ミスの原因になっているってのは皮肉だ。タッチパッドエリア(テンキーパッドエリア)と、外側のアイコンエリアの境に、ちょっとした出っ張りでもあれば良かったんですけどねえ。
……と思ったので、試しに透明のビニールテープをアイコンエリアに貼ってみた。ら、タッチパッドエリアとアイコンエリアの摩擦感が変わり、ほんの少しの段差もできたので、操作ミスをかなり減らせた。
でも、こういう部分の実用性は、ユーザーがテープ貼って工夫するとかじゃなくて、あらかじめメーカー側で検証して対処しておいて欲しいもんですな。良い製品だとは思うが、微妙に詰めが甘いと感じられた。
ジェスチャー機能が便利だが、サイズが小さいかも~
次にエレコムの「タッチパッド機能付きテンキーボード TK-TCT005BK」。購入価格は2150円(10%ポイント還元)。
コレ、その名が示すように「テンキーボード」であり、「タッチパッド機能も付いてるヨ」という製品ですな。対応機種はWindows 7/Vista(SP1~SP2)/XP(SP2~SP3)が動作するWindowsパソコンで、付属のソフトを使えば複数の指でタッチパッドを操作する「ジェスチャー機能」を使えるようになる。
なおこのTK-TCT005BK、2009年10月に発売された製品。Windows 7発売後、Windows 7に搭載されたOS標準のマルチタッチ機能である「Windowsタッチ」が話題となったが、それと時期を同じくして登場したちょっと古い製品なんですな。
写真のとおり、タッチパッドと3つのボタンを持つシンプルな製品。タッチパッド面は約縦48×横63mmの広さ(実測値)だった。
それぞれのボタンは、まずNumLockボタンでタッチパッドとテンキーパッドの動作モードを切り替えられる。下のふたつのボタンは、タッチパッドとして使用しているときは左クリックと右クリック、テンキーパッドとして使用しているときはTabとBackSpaceとして機能する。
後述のジェスチャー機能を使わないのであれば、ドライバソフトのインストールなどをしなくても、PCにUSB接続すればすぐ使える。
で、タッチパッドやテンキーパッドとしての使用感だが、指の滑りも良く、3つの物理的なボタンも誤操作なく使えてイイ感じ。モバイルノートPCのタッチパッドおよびその周囲のボタンを使っている感覚ですな。
ただし、前述のようにタッチパッドの広さが約縦48×横63mmの広さ(実測値)。デスクトップで使うには、テンキーパッドとしてもタッチパッドとしても小さい。慣れれば実用に耐えるが、もうちょっと大きければナ~、みたいな。まあ、もはや4年前の製品なのでしょうがないのかも!?
意外に良かったのが、付属ソフトをインストールすると使えるようになる「ジェスチャー機能」。複数本の指でタッチパッドを操作することで、スクロールや拡大や縮小など、いろいろな操作ができるというものだ。
初期設定で「できること」は、1本~3本指でのタップ(クリック、マウスホイールボタン押下、コンテキストメニュー表示)、2本指操作での縦横方向へのスクロールやズームイン・アウトや回転、同じく2本指操作での拡大鏡(虫めがね)機能起動、3本指操作でのページ送り戻しやウィンドウの切り替えなど、となる。
てな感じで操作感や機能は非常にイイ感じ。上のスクリーンショットのとおり、意外とイロイロなジェスチャー機能を利用できるのもナイス。使わないジェスチャーをオフにできるのも実用的ですな。ただ、やはり現在となっては「タッチパッドの面積が狭い」というのが残念である。
……もしかしたら、ジェスチャー機能用にこのTK-TCT005BKを、タッチパッドやテンキーパッド用に前述のMA-TP01を併用したら便利かな? とか思って両方接続してみた。ら、とりあえず両方同時に接続~使用しても問題は起きなかった。また、使い分けもまずまず現実的。併用はフツーにアリと言えよう。
でも、なんか机上に2つのタッチパッド並べて、そのほかにマウスとキーボードがあるのって、やっぱちょっとヘンな感じですな。また、俺の場合だと、前述の「必要なときのみテンキーボードを使うことにより机上を広々使っている」というポリシーが完全に崩れちゃうので、ん~、やっぱりどちらかに絞ろうか?
あ。序盤でこれら2製品に「もーしかしたらN305を上回る実用性があるのかも!?」という期待を書いた。が、電卓での計算や数値入力のときに使うとなると、単純に物理的なキーを持つN305のほーが便利で実用的となった。「+α」があることのトレードオフまで考えれば、まあこれら2製品も悪くないのだが。
でもまあ、デスクトップPCでタッチパッド使うのは気軽&ラクでイイですな。メールやウェブのブラウズ用途程度なら、キーボードとマウスを使わずともこれらタッチパッドだけでイケる。さいわい両製品とも小型だったり薄型だったりするので、まあこのまま接続しておいて、ディスプレイ脇にでもしまっておいて、ちょっとデスクトップPCを操作するというときに使うのも良さそうだ。