iOS対応のデジタルペンを使ってみた

スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコ ンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称 衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。


iOS対応のデジタルペンを使ってみた

 今回のネタは、紙に書くとその内容が電子的な軌跡として保存されるデジタルペンのMVPen。何機種かあるが、そのなかのiOS対応製品となるMVPen EN301i。iPhone/iPad/iPod touchでも使えるデジタルペンってわけですな。Amazonにて8825円で購入した。

MVPenテクノロジーズの「MVPen EN301i」。iPhoneやiPadでも使えるデジタルペンで、メーカー価格は1万1800円

 MVPen EN301iの発売日は2011年1月末。俺がMVPenを初めて使ったのが2008年10月頃。発売日的にも俺的にも今さら感のあるMVPenなのだが、最近急激に「ももももしかしたらMVPen EN301i超イイのでは!?」と思ったので手を出した。きっかけはiPhone 4Sのカメラ機能。

 先週、iCloudについて書いたが、そのなかのフォトストリームが何かと役立つ。フォトストリームを使い始めてから「画像メモ」を多々撮るようになったのだが、これが役立ちまくりである。

 何しろ撮るだけで自動的にPCやiPad上にも同じ写真が現れる。つまり画像メモを各端末で共有できるのであり、すなわち「忘れちゃ困るコト」や「要チェックの情報」などを各端末上で参照できるようになる。「あら便利♪」とか思った俺は、手書きのメモなんかまでiPhoneで画像メモとして撮影するようになった。

 そこで「あ。手書きメモって……確かMVPenがiPhone対応したとか言ってたなあ」と思い出してポチッと買ったのがこのMVPen EN301i。MVPenで書く→iPhoneに送る→各iOS端末やPCで書いた内容をフォトストリームを経由して共有、ってのがデキるかもしれない!! と考えたわけですな。

 結果、フツーにデキたんであり、便利であり、俺のなかのMVPen熱が再燃であるゆえ、今回はそのあたりの話をば。

MVPenってナニ?

 MVPen EN301iとiOSデバイスを連携利用するゼ的な話の前に、そもそもMVPenとは何なのかをササッとご説明。

 MVPenは紙に書いた内容(軌跡)をデジタルデータとして記録してくれるデジタルペン。紙の上にユニットをセットし、何か書けば、その内容がユニット内に保存される。保存されたデータをPC上に転送して参照したり、あるいは文字をテキスト化(手書き文字認識)して利用できる。

MVPenはボールペンと同様に使えるデジタルペン。使うには本体一式(ユニットとペン)とA4サイズ以下の紙が要るユニットを紙の上部にセットしたら専用ペンで書くだけ。書いた軌跡が逐一自動的にユニット内に保存されていくユニット内の軌跡データをPCに転送した様子。付属のノートテーカーユーティリティ上で書いた内容を参照できる
ノートの内容が手書き文字ならテキスト化することも可能付属のMyScriptNotesアプリを使って手書き文字認識できる手書き文字認識結果。十分に実用的な認識結果だと思われる

 てな感じで、ユニットを紙の上方に置いて書けば、紙のメモ書きに加えてデジタルデータが残り、さらには手書き文字のテキスト化まで(かなり高い精度で)行ってくれる。

 また、MVPenとPCをUSB接続していると、書いた内容を逐一PC上のノートに残せたり、マウスとしても使えたり、あるいは付属アプリを使って写真の上に手書きメッセージを書いたりすることもできる。
 全体的にシンプルに使えてコナレ感も高い製品だ。「よく書く人」ほど役立ち度が高いデジタルペンだと言えよう。

MVPen EN301iをiOS端末と連携利用

 何機種かあるMVPenのなかで、MVPen EN301iはiOS搭載デバイスと組み合わせて使える。具体的には、iOSデバイス側に専用アプリをインストールし、MVPen EN301i付属の専用USBケーブルでユニットとiOS端末を接続すれば連携利用できる。

 なお対応端末は、iPhone3GS/iPhone 4/iPhone 4S(iOS 3.0.0以上)、iPad/iPad 2(iOS 3.2.0以上)、第4四世代以降のiPod touchとなる。アプリは、iPhone/iPod touch用が「iPenNote」、iPad用が「iNote HD」となる。

ユニットとiOSデバイスを専用のケーブルでつないで連携iPhone/iPod touch用アプリは「iPenNote」となっているiPad用アプリは別に用意されており、「iNote HD」となる

 MVPen EN301iとiOSデバイスをケーブル接続すると、専用アプリを2つのモードで使えるようになる。モバイルモードとオンラインモードだ。俺が注目した機能は前者のモバイルモード。

 モバイルモードは、MVPen EN301iでノートに書いた内容(軌跡)を、iPhone/iPad/iPod touch上に転送できるというモード。MVPenのユニット内に保存されたノートを、JPEG画像として、iOSデバイスのカメラロールへコピーできる。アプリがMVPenユニット内の軌跡(ベクトルデータ)をJPEG化してカメラロールに保存してるってコトなんでしょうな。

矢印で示したアイコンをタップするとモバイルモードとして利用できるユニットの内の軌跡をiOS端末にアップロードしたり消去したりできるアップロード中。若干待たされるが、まあ許せる範囲の待たされ時間だ
転送終了後、書いた軌跡がJPEG画像としてカメラロール内に現れるその画像を拡大表示したところ。十分判読できるクオリティですなフォトストリームにより、画像はPC上にも自動的にプッシュされる

 ニャ!! できた♪ iCloudのフォトストリーム機能により、MVPen EN301iユニット→iPhone内カメラロール→PCやiPad、という流れで手書きメモなどを使用中の各端末で共有できた~!! ので、今後は鋭意MVPenでメモ書きしまくりつつ、iPhone 4Sで画像メモを撮ってゆきたい!! とか活気づいた俺なんですけど、一点、残念な仕様が。

 てのは、同じ軌跡を何度も転送できてしまうこと。たとえばMVPen EN301iユニット内に3つのメモがあったとして、これをiOSデバイスに転送する。と、iOSデバイス内に3つのメモ(JPEG画像)が出現する。ここまではいい。

 しかし、MVPenを続けて使い、MVPen EN301iユニット内にさらにメモが2つ増えたとしよう。その2つのメモをiOSデバイスに転送しようとすると、転送済みの3つのメモも再度転送されてしまう。

 要は、工夫しないとiOSデバイス内にメモ画像が重複しまくりになってしまうのだ。アプリにはMVPen EN301iユニット内のデータを消去する機能もあるので、転送後にユニット内データを消去すればこの「メモ画像の重複」は防げる。

 しかし、ユニット内のデータをPCに転送する前に消しちゃうと、PC上で「手書き文字認識をしてのテキスト化」を行えなくなる。iOSデバイスへの転送はメモをJPEG画像として変換転送しており、前述の付属ソフトではJPEGイメージの手書き文字認識などはデキナイのであった。

 ん~悩ましい。まあメモ画像が重複しても消せばいいだけなんですけどネ。あとiCloudで手書きメモをフォトストリーム云々以前に、MVPen EN301iユニット内のデータをポータブルなiOSデバイスのみで閲覧できるってだけで非常に便利なんですけどネ。

オンラインモードも楽しげ

 アプリで使えるもうひとつのモードとなるオンラインモードは、紙に書いた内容がほぼリアルタイムでアプリ上に現れるというもの。メーカーは「画面上に、細かな手書きの文字やイラストが記入できる♪」「カメラで撮った写真に手書きコメントができる♪」としている。なおこのモードを使う場合もやはり、MVPen EN301iユニットとiOSデバイスを専用ケーブルで接続する必要がある。

オンラインモードで書いた線はリアルタイムでアプリ上に現れる線の太さやカラーを変えつつ書ける。消しゴム機能も利用できる背景は罫線入りや無地などいくつかのバリエーションから選べる

 オンラインモードの機能や表示だけ見ると「MVPen EN301iを使えばiOSデバイス上に直接書き込める感じだな」と思いがちだが、実際はそーでもない。オンラインモードで使った場合、アプリ上に小さなカーソルが現れるので、それを目で追いつつ紙の上に書けば、一応は「iOSデバイス上に直接書ける」とは言える。

 しかし実使用感としては、カーソルの追従性がイマイチよろしくなく、カーソルを目で追いつつだと書きにくい。ので結局、紙の上だけ見つつスラスラと書いたほうが快適。フツーに紙の上に書いて、後からモバイルモードで書いた軌跡を転送したほうがずっと実用的だと感じる。

 ただ、写真の上への書き込みはアリかもしれない。iOSデバイス内の写真を選び、そこへ直接手書きして(と言っても操作的には紙の上でペンを走らせて)、何かを記入済みの写真をカメラロールへと新規保存できる。ので、たとえば、撮った写真にちょっとしたコメントを入れてSNSなどに投稿するのも現実的。画像メモに対し、さらに文字での説明を加えるという使い方もありそうだ。

オンラインモードでは写真への自由な手書きも可能だ書き加えた写真は新規にカメラロールへと保存される手書きコメント入り写真をツイートしたりできますな

 なかなかオモシロいかもしれない!! ただ、繰り返すが、MVPenはユニットを紙の上にセットしてペンで紙の上に書くという使用スタイル。写真への簡単なコメント付加程度なら、写真加工アプリと静電容量式パネル対応スタイラスを使ったほうがスムーズかもしれない。

 ともあれ、従来はデータ活用時にはPCとの接続が必須だったMVPenが、MVPen EN301iの登場でiOSデバイスとも連携できるようになったのは大きな利便だ。メモ書きが画像としてカメラロールに保存される点、前述の「メモ画像がカブる弊害」はあるものの、メモ書きをほかのアプリでも汎用でき、活用幅がグッと広がった。iOSデバイスユーザーで、デジタルペンにも興味があるという方は、ぜひ一度MVPen EN301iをチェックしてみて欲しい。

 ……余談だが、Android端末ユーザーの方はぺんてるのairpen Pocketですな。じつはairpen Pocketも使用中の俺なんですけど、コレ、Android端末とBluetooth接続して使えるんスよ。MVPenもairpenも(メモリーユニットは)イスラエルのペガサステクノロジーズ社からのOEM品。機能的にも非常によく似ているので、Androidな人はairpen Pocketをチェックするといいかも。



2011/11/21 06:00