ウワサのキーボード付きAndoroid端末
■ウワサのキーボード付きAndoroid端末
今回のブツはNECのLifeTouch NOTE。待望の(!?)キーボード付きAndroid端末ですな。発売後に製品版をお借りできたので鋭意試してゆきたい!! てな心意気である。
NECのLifeTouch NOTE。Android 2.2を搭載したノートPC風Android端末で、NEC Directでの販売価格は3万9900円から | ボディカラーはピアノブラック、チョコレートブラウン、バーミリオンレッドの3色が用意されている |
LifeTouch NOTEはAndroid 2.2搭載のAndroid端末で、見てのとおりノートパソコンのカタチをしており、81キーの日本語キーボードを搭載している。液晶はタッチ対応の7型ワイドLED液晶(800×480ドット)で、プロセッサとしては1GHz駆動/デュアルコアのTegra 250を搭載。ほか、背面カメラ(200万画素)、GPSモジュール、電子コンパス、加速度センサーなどを搭載している。本体サイズは34×138×25mmで、質量は約699g(Wi-Fiモデル)。
なお、LifeTouch NOTEは全3機種ある。まずWi-Fiモデルが2機種あり、メモリ容量違いで内蔵8GB+SDカード8GBの「NA75W/1A」と、内蔵2GB+SDカード2GBの「NA70W/1A」。これに加え、4月下旬発売予定のFOMAハイスピードモデルとなる「NA75F/1A」(メモリは内蔵8GB+SDカード8GB)がある。ボディカラーはピアノブラック、チョコレートブラウン、バーミリオンレッドの3色が用意されているが、Wi-Fiモデルでメモリ容量の少ない「NA70W/1A」はピアノブラックのみとなる。
以上がLifeTouch NOTEの主だった仕様だが、拙者的に圧倒的かつ本格的かつ集中的に気になるのは、キーボード。使用感、どーなのか、と。使いやすかったりしたら買っちゃうゾLifeTouch NOTEを、と。てなわけで以降、LifeTouch NOTEの使用感をキーボードの使い勝手中心にレポートしてみたい。
■キーボードのキー配列や打鍵感はどうか?
LifeTouch NOTEは81鍵の日本語キーボードを搭載しているが、まずこの点について拙者的結論を言っちゃうと、タブレット/スレート型端末と比べると「文字などの入力が遙かにラク」であり、このラクさ加減&使える度において急激にLifeTouch NOTEが欲しくなっている。
ただ、これはLifeTouch NOTEのキーボード最高ッ!! って話ではなく、現時点で両手でタッチタイプできるキーボードを備えたAndroid端末がLifeTouch NOTEくらいだから、ってニュアンス。後述するが、LifeTouch NOTEのキーボード使用感は十分実用的だと感じるものの、改良して欲しい点も少々あると感じた。
ともあれ、まずはLifeTouch NOTEのキーボードの打鍵感とかキー配列などから。拙者的には日本語配列ってトコロがイキナリ残念だが、キーのサイズや打鍵感はまずまず使いやすいと感じた。一部ヘンな配列&Android端末用キーボードとしてどーなの的キー位置だったりするものの、使い始めて30分経たないうちにわりとフツーにタッチタイプできるようになった。
キー配列や使い勝手的印象は人それぞれだと思うが、拙者の場合、Enterキーと「む」キーや、バックスペースキーとDeleteキーを打鍵し間違える程度で、まあまあ実用的と思えるレベルで使えた。ただ、ローマ字入力ではなくカナ入力の人は、「ろ」キーの位置とかどうなんでしょうな。
拙者的には、Android端末特有のキー(緑の刻印)の位置がどーなのかな? とも感じた。ホームや戻るや検索やMenuといったキーだが、これらのキー、端末を持って手前に位置するってアタマがあるので、LifeTouch NOTE試用開始当初は打鍵するたびに「?」が浮かんだ。でもまあ、慣れちゃいますけどね。
打鍵感だが、大雑把な言い方をすれば「テキトーなネットブックよりは快適だけどサブノートPCとかと比べるとイマイチ感があるかも」的な印象。しかしこれも慣れてしまえる部分ではある。
ひとつの拙者的結論として、LifeTouch NOTEのキー配列も打鍵感も、イマイチ要素はいくつか含んでいる。打鍵感なら若干ペナペナ感があるわりには反発力強めで微妙に安っぽい。キー配列ならEnterキー周りが狭苦しいし「Android端末にはこーゆーキーって不要なのでは」と思えるキーもいくつか。改善してくれれば、と思う。が、Android端末にキーボードが付いたって点は、そういった細々した難点を吹き飛ばすような実用性があると感じる。
■ノートPCスタイルをそのまま持ち込める
LifeTouch NOTEスゲくイイ~とか思うのは、これがAndroid端末であり、クラムシェルスタイルでキーボードを実装しており、日本語入力システムとしてATOK for LifeTouch NOTEが使えて、SDメモリカードの抜き差しが容易なSDカードスロットもあっちゃったりするという総合力だ。とりわけテキストを書く~扱うという点では、ほか多くのAndroid端末の追従も、さらにはiPadとかiPhoneとかの追従も許していないように思う。
まずAndroid端末であること。要はスリープと復帰を繰り返しつつ比較的に長い時間利用できるハードウェアなんですな。LifeTouch NOTEの場合、バッテリー持続時間は7時間(YouTube動画再生時)とか9時間(ウェブサイト閲覧時)とかある。また、前述のとおり、サイズは34×138×25mmで質量が約699g(Wi-Fiモデル)。持ち歩きが現実的な、わりと小さいマシンなのだ。
この長時間使えるモバイルマシンを、パカッと開いて即使える。この点はノートPCをサスペンドやレジュームで使ったときの利便に近いが、Android端末だと復帰が一瞬。LifeTouch NOTEならホントに開いた瞬間使える状態になっている。
使った後に閉じればスリープに移行する点も快適。開いて復帰で閉じてスリープ。机上で考えると「そんなんアタリマエ」なのだが、実際にLifeTouch NOTEを持ち歩いてみると「スゲくイイ!!」と感じられる。とくに閉じたとき。アタリマエではあるが、画面もキーボードも保護されちまうんですよ。画面を立てる台座グッズとか使わなくても画面が自立してんですよ。クラムシェル型だから当然なんだが、モバイルできて電源オフる必要なくて長時間駆動でキーボードもマトモに使えるクラムシェル型Android端末、スゲく実用的だと思う。
これに加え、ATOK for LifeTouch NOTEおよびSDカードスロットが使えること。ツイデにキーボードの一部キーのキーバインドを変更できること。ATOK、SDカード、キーバインド変更は、拙者的には「ノートPCのスタイルをそのままLifeTouch NOTEに持ち込める」ことを意味する。
たとえば、拙者はLifeTouch NOTE試用中、メモ帳というアプリをテキストエディタとして使ったが、単純に「キーボードとATOK使って書けて、それをテキストファイルとして汎用的な外部メディアに保存できる」のだ。ノートPCなどでやってることとだいたい同じ。
ATOK for LifeTouch NOTEは、PC用ATOKと同様のキーボードショートカットが使える。また、LifeTouch NOTEはキーバインドの変更も可能。なので、たとえば[Ctrl]+[U]、[Ctrl]+[I]、[Ctrl]+[O]、[Ctrl]+[P]、[Ctrl]+[J]などのキーボードショートカットを使い、英大文字/小文字/単語の頭のみ大文字変換やひら/かな変換などを、ホームポジションから一瞬で操作できる。細かいことなんですけど、昔からPCでテキスト書いている人は少なからずこういったキーボードショートカットを使うが、そのあたりまで漏らさず狙ってくるNECサスガ~とか思う。
LifeTouch NOTEには日本語入力システムとしてATOK for LifeTouch NOTEを搭載されている | もちろん推測変換機能も使える。次の候補を予測&提示する利口さはご存知のとおりですな | こんなふうに、文章を書くのにも十分使える精度で機能する日本語入力システムなのだ |
本体右にSDカードスロットが。作ったテキストファイルをSDメモリカードに入れPCで使える | メモ帳というアプリでテキストの作成や保存をする様子。パソコンと同様の操作ですな | SDメモリカード上の好みの場所に保存可能。もちろん既存のテキストファイルを開くこともできる |
キーボード左側にある[Ctrl]キー、[Fn]キー、[Menu]キーのキーバインドを変更できる | これら各キーに[Ctrl]キー、[Fn]キー、[Menu]キーの機能を自由に割り振れるわけですな | [A]キーの左にある[Menu]キーを[Ctrl]キーにしたところ。小指で[Ctrl]キーを押せますな♪ |
まあ厳密にノートPCとLifeTouch NOTEでの作業を比べると、効率に差が出たりするし、アプリの機能差が快適さの違いになるとは思うが、基本的に同じコトがデキるのである。単純なコトなんだが、こういうコト、ほかのスマートフォンなど端末には意外にデキナイことなのである。
■「キーボード付きAndroid端末」で何か起きそう!?
何だかんだ言いつつもLifeTouch NOTEに大きな魅力を感じている拙者。現在常用している端末を、ゴチャマゼな感じで書いてみると、GALAXY S SC-02Bx、GALAXY Tab SC-01C、iPhone 4、iPad(Wi-Fi)、てなあたり。これら端末と比べても、LifeTouch NOTE独特の利便が光るシチュエーションが多い。
単純なところでは、LifeTouch NOTEにはカーソルキー(矢印キー)があるので、ストレスなく文章などを修正しながら入力できること。たとえばAndroid端末でもiOS端末でも、タッチ操作のタブレット/スレート型端末の場合、文字列の途中にカーソルを置く操作が非常に行いにくい。「ライフッチ」って書いちゃって「あ。ライフッチじゃなくて、ライフタッチだ」と思って「フ」と「ッ」の間にカーソルを合わせる面倒くささは異常。iOSだとそーとー面倒。Android端末だと左右の仮想カーソルキーが出たりはするが、上下移動はやはり面倒。LifeTouch NOTEの場合は単純に物理的なキーボードがあってカーソルキーもあるから、このストレスが完全にない。
あと、LifeTouch NOTE、画面が大きく使えるのもいいですな。解像度は800×480ドット(WVGA/7型ワイド)で、Android端末として標準的っていうか主流となっていると思われるドット数。画面サイズからすればけっこー粗いと言えるかもしれない。さておき、物理的にキーボードが実装されているので、文字入力が必要なアプリ使用時、画面上にソフトウェアキーボードを表示する必要がないのが良い。的確かつ効率良く文字入力でき、かつ、文字入力時に画面に表示されている情報の一覧性が下がるってことがなく快適に使える。
そんな感じで、物理的なキーボードが使えるってことだけで、ほかの端末にはなかった利便をアレコレと感じられる。「LifeTouch NOTEのキーボード最高ッ!! って話ではないけど、急激にLifeTouch NOTEが欲しくなっている」てなコトを前述したが、やはりクラムシェルスタイルでキーボードを実装した端末って、いろいろな良さがあるからビシッと確立されたスタイルとなっているんだなぁと思う。
最後にLifeTouch NOTEを使ってみての難点を少々。前述のようにキーボードの打鍵感やキー配列に改良の余地があることに加え、LifeTouch NOTEのボディバランス的なものも改良して欲しいと感じる。LifeTouch NOTE、なーんかキーボード側が軽めで、画面側が重いような印象なんですよ。
このバランスだと、LifeTouch NOTEの画面をタッチして使うときに不安定気味である。LifeTouch NOTE使用時、キーボード操作より画面をタッチして操作したほうが効率が良いシチュエーションは少なくなくて、その場合は指先や付属スタイラスで画面をポン、と。そのたびにLifeTouch NOTEの手前部分が浮いてガタッ、と。向こうに倒れそうになることもある。ので、画面をタッチするときは、もう片方の手でキーボード手前部などを軽く押さえてやる必要がある。
このボディバランスによる不安定さ、画面を垂直近くに立てて使えば抑えられはする。のだが、LifeTouch NOTEの液晶は少し下側から見たほうがコントラストが高くなって視認性が良好になる。ので、多くのシチュエーションで、画面をわりと寝かせ気味で使うのが快適。でも、その状態で画面をタップするとLifeTouch NOTEがガタリとか倒れそうになったりとか。妙に悩ましいバランスなのだ。
でもまあ、もうちょっとキーボードを改良してヨとかボディバランス見直してヨとか思うのは、そのあたりが改善されれば即買いするゼと思っている拙者だからかもしれない。てか、こういう端末、ネットブックとかノートPCの市場をかなり食うのかも。半年くらいして、キーボード付きAndroid端末がどんなふうな位置付け/存在になっているのかがちょっと楽しみだったりする。
2011/3/28 06:00