スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

アウトドアで使えるスピーカー「JBL WIND 3」は、e-bikeでのサイクリングにもピッタリだった!!!

 e-bikeでサイクリング中に音楽を聴きたい。たまにスマートフォンのスピーカーから音楽を流してサイクリングするが、なかなか気分がいい。だが、サイクリング中には、耳とスマートフォンの距離的な制限があったりして、音量的にも音質的にも物足りなかったりする。その件は家電 Watchの「e-bike日々徒然」でもちょっと書いた。

 そこで買ったのが、ハーマンインターナショナルのポータブルBluetoothスピーカー「JBL WIND 3」。直販価格9900円。汎用でアウトドアでも使えるBluetoothスピーカーだが、自転車やバイクのハンドルに装着できるハンドル・マウントキットが付属することが、購入の後押しになった。

JBL WIND 3はアウトドアでも使える汎用のBluetoothスピーカー。自転車やバイクのハンドルにセットできるハンドル・マウントキットが付属しているほか、本体背面のクリップなどでバックパックやショルダーバッグにも装着可能。

 あと、先日買った完全ワイヤレスイヤホン「JBL TOUR PRO 2」も後押し理由。かつてJBLブランドのスピーカーも買ったが、JBLブランド音響製品の音質はどれもけっこう好みなので、「JBL WIND 3」の音質にも期待したカタチ。

 ただ「JBL WIND 3」の対応オーディオコーデックはBluetooth標準のSBCのみ。「非常に優れた音質」は期待していないが、こういう汎用スピーカーでもそこそこの音質ならいいなー、くらいの期待度である。

 でも結果、良かったっス音質。後述のイコライザーの「BASS Mode」がイイ感じ。自転車での使用感もナイス。てなわけで以降、「JBL WIND 3」についてレビューしてゆきたいッ!!!

 なお、自転車走行中の音楽聴取に関しては法的なルールはとくにない。しかし条例などでイヤホンやヘッドホンの使用が禁止されていることがある。また、音楽に聴き入って周囲の音に注意を払えないのは危険。なので、自転車走行中にイヤホンなどを耳に装着して音楽を聴くのはやめよう。スピーカーやスマートフォンを使う場合も、音量などにより周囲の音が聞こえにくくなると危険であり、周囲の人の迷惑にもなるので、これらの点にも注意しよう。

ミョーに充実した機能性をもつJBL WIND 3、音も好印象

 まずJBL WIND 3の概要から。2023年7月14日に発売されたばかりのポータブルBluetoothスピーカーで、43×47mm径フルレンジスピーカー1基を搭載し、最大出力は5W。

 IP67の防塵・防水等級をもつのでアウトドアでの使用も可能。IP67は、粉塵が中に入らない耐塵形の防塵性能で、一時的に一定水圧の条件で水没(水深1mに30分など)しても内部に浸水することがない防浸形の防水性能となる。

充電式(USB-C)で、満充電までにかかる時間は最長約2.5時間、満充電から最長約5時間の連続使用が可能だ。背面のホール付きクリップを使ってバックパックに装着したり吊して使ったりもできる。

 Bluetooth 5.0に対応し、BluetoothプロファイルとしてA2DP 1.3/AVRCP 1.6/HFP 1.7に対応。内蔵マイクも搭載しており通話にも対応しているいというわけだ。

 Bluetoothオーディオコーデックは前述のとおりBluetooth標準のSBCのみなので、他のBluetoothスピーカーよりスペック的に高音質とか低遅延とかいうことではない。

手に持った感じ。サイズは73.2×90×35.8mmで、重さは約230g。ポケッタブルというイメージではないが、クリップを使って身につけるなどするのは十分現実的なサイズ感だ。本体上部には視認性の高いディスプレイを内蔵する。

 それからJBL WIND 3は、意外なほど充実した機能性を備えている。それは音源の豊富さ。具体的にはBluetooth接続できるスマートフォンなどを音源として使えるほか、FM/ワイドFM受信にも対応し、microSDカードに入れた音楽(MP3/WAV)も再生でき、AUX入力端子まで装備している。

microSDカードを入れて音楽を再生してみた。音源の表示は「TF(TransFlash)」となるが、microSDカード内のMP3ファイルを再生できた。

 音源の切り替えは本体上部後方のボタンで行う。通常はFMとBluetoothの切り替えのみとなるが、microSDカードが入っていればそれを含めて切り替えることができ、さらにAUX端子にケーブルがつながっていればそれも含めて音源を切り替えられるようになる。

 なお、microSDカードにテキトーにMP3ファイルを入れて再生させてみると、カードのルートにあるMP3もフォルダに入れたMP3も再生できた。また、再生順はカードのルートの曲名順→フォルダ名順にフォルダ内の曲名順再生、となるようだ。

 JBL WIND 3の操作はすべて本体の大きめボタンを使ってシンプルに行える。これはグローブをしていても操作可能という仕様だが、音源の切り替え(切り替わり)やMP3などファイルの再生順も「一度試せばすぐわかる」というシンプルさで扱いやすいと感じる。

 JBL WIND 3はイコライザーを搭載していて、通話しやすいよう声の明瞭さを高めた「SPORT Mode(スポーツモード)」と、低域から高域までバランスよい音質になる「BASS Mode(バスモード)」を搭載している。

 2つのモードの切り替えは再生ボタンの長押し。SPORT Modeはやや極端なイコライズとなるが会話の声がクリアに聞こえる。BASS Modeは十分な低音も出るモードで、JBLブランドらしい豊かで聴きやすい音質という感じ。スポーツなどしながらのながら聴きにぴったりかも。音量も十分出るので、アウトドアでの使用にもよさそうだ。

自転車に取り付けて走ってみると……

 JBL WIND 3は自転車やバイクのハンドルに取り付けられる。付属のハンドル・マウントキットを使えば工具ナシでマウントをハンドル上に設置でき、マウントにJBL WIND 3を容易に着脱できるようになる。

JBL WIND 3にはハンドル・マウントキットが付属する。キットを使えばハンドルに対してJBL WIND 3を容易に着脱できるようになる。キットの取り付けにもその後のJBL WIND 3着脱にも工具は不要だ。
このマウントも極めてシンプル。指で回せるネジ1本でハンドルに取り付けられる。
マウントとJBL WIND 3背面クリップが嵌合するしくみ。
実際に自転車のハンドルにキットを取り付けた状態。
このハンドルの場合、付属のシム(サイズ調整ラバー)を2枚とも使ったらぴったりとなった。シムの位置がこの逆のほうがしっくりくることに後から気づいた。
JBL WIND 3背面のクリップ部で、キット上部を挟むようにしてスライドさせる。
取り付け完了。クリップを強めにつまみつつやや強く引き出すようにしないと(ほぼ絶対に)外れない。
操作ボタンが大きめなので、グローブをしていても容易に操作できる。ディスプレイは明るく視認性がよく、屋外の明るい環境下でもしっかり見える。

 実際に走ってみると、JBL WIND 3が予想以上に安定して装着されているという印象。これなら落下とかないな、みたいな。もちろん付属のハンドル・マウントキットを正しくしっかり取り付ければ、ではあるが。

 また音量もバッチリ。ボタンが大きく音量調節もしやすいので、状況に応じてすぐにボリューム調節できて便利だ。曲の再生・一時停止・送り戻しも大きなボタンで行いやすい。

 再生中の曲名表示などはナイのが、微妙に残念だが、まあ走行中に曲名確認とかしないし、みたいな。また、iPhoneを音源にした場合、Apple Watchを装着していればそれで曲名などを確認できるし、表示はこのシンプルさのままでもいいのかな、と個人的には思った。

 走行中の音質だが、俺の場合はイコライザーBASS Modeがイイと感じた。低音もよく出て曲全体がバランスよく鳴って、サイクリング中に好きな曲を快適に聴けてサイコー!!! って気分である。

 JBL WIND 3について、前述のわかりやすさ操作しやすさがあり、自転車で音楽を楽しむには最も適した手段のひとつだと感じられた。つーかサイクリストの方々、ツーリング中に音楽聴きたいって場合、JBL WIND 3サイコーっすよサイコー。スゲく便利。機会があればぜひお試しあれ!

もしかしたらバックパッカー用スピーカーとしてもサイコーかも!

 サイクリングでJBL WIND 3を使っていて、ふと「これをバックパックのショルダーハーネスに装着したらどう?」と思って、それも試してみた。結果、「とてもイイ!」と

バックパックのショルダーストラップなどにもクリップで取り付けられる。ただしこの場合、取り付け方によっては落下の可能性があるので、クリップ上部のホールに落下防止のヒモなどを追加使用するのが無難という感じ。

 ↑の写真のバックパックの場合、ショルダーハーネスに大きめのポケットがある。そのポケットを少し開口させ、JBL WIND 3のクリップで挟んでみた。そしたらなかなかイイ。ただこの使い方だと落下防止のヒモとかを追加しないとまずいかも、とも。

 このポケットのなかにJBL WIND 3を入れて鳴らしても、普通にイイ音で鳴っていた。ボタン操作はかなりしにくいが、そういう使い方もアリかもしれない。

 帰宅していくつかのバックパックにJBL WIND 3を装着してみたら、どれもけっこうイイ感じで装着できた。バックパック側の装着部の強度や大きさにもよるが、一工夫すれば多くのバックパックで「JBL WIND 3をウェアラブル」できるように思う。

バックパックのショルダーハーネスにある横向きの取っ掛かりにJBL WIND 3を引っ掛けてみた。まずまずの安定感。カラビナかヒモで落下防止をすればよさそう。
バックパックのチェストハーネスにJBL WIND 3をクリップしてみた。これはかなり安定する。

 ほか、バックパックに後付けや別途追加などするチェストバッグにJBL WIND 3を固定してもいいな、と。ウェストベルトあたりへの装着でもいいな、と。防塵・防水なのでいろいろなアウトドアアクティビティに向くJBL WIND 3だな、と思った次第。

 山歩きの人なんかは、自分の存在を知らせつつ熊よけにするため、ラジオを鳴らして歩いたりしているが、そういう方にもJBL WIND 3が向くと思う。一般のポケットラジオより音も大きいし頑丈だし、いろいろな方法で容易に身につけられて便利なのではなかろうか、とも思った次第だ。

 てな感じでアウトドアだけでもかなりの汎用性があるJBL WIND 3。ハンドル・マウントキットが付属するということで自転車の人にはとくにオススメだが、アウトドアで使えるBluetoothスピーカーを探しているならぜひチェックしてみてほしい!

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スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。