スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

スマートフォンにストラップホールを! ……無理すか

ならばグッズで対処してゆきたいっ!!!

 Rakuten Mini大好きオヤジの俺が思うに、「Rakuten Miniは偉大だよな」と。超小型Androidスマートフォンであったり、超小型なのにおサイフケータイ対応だったり、しかもお財布に入っちゃったりする。「理想的スマートフォン」のひとつのカタチだと、俺は思っている。

 まーだオマエはRakuten Miniの話をしてんのかッ! と叱られそうだが、叱られツイデにもうひとつRakuten Miniの偉大さを挙げるなら、なんと本体にストラップホールが開いているという点である。

Rakuten Miniは偉大な端末なので、本体右下にストラップホールまで装備している
このように落下防止ストラップなどを通せば、落下&画面バリバリ割れを未然に防げるから偉大である

 最近スマートフォンにはストラップホールとか全然ナイっすね。前はストラップホールありの機種けっこうあったような? ガラケーってかフィーチャーホンにはたいていあった。

 とか言ってるのは、俺の場合もたま〜にスマートフォンにストラップを装着したいからである。ややワイルドな自然のなかでのロケなどで、スマートフォンを落としたり無くしたりしないために、ストラップで落下や紛失の防止をする必要があるのだ。まあ、そうそう落としたり無くしたりするモンでもないのだが、「これなら絶対落とさない・無くさない」という安心感が欲しいのである。

 だが今時のスマートフォンにはストラップホールがないので、ストラップホール付きのスマートフォンケースを使うようにしていた。しかしストラップホール付きケースってそんなに多くないので、ケースの選択肢が狭まっていた。

 また、常にストラップを装着していたいわけではない。紐付きスマートフォンはビミョーにカッコ悪い気がするというのもあり、落下・紛失防止をしたいときだけ、ケースにストラップを装着。でもメンドクサイんスよね〜、ケースのストラップ穴に輪っかを束ねて通すのって。

 だが、最近の俺の場合、「スマートフォンにストラップを装着するための方法」が大きく変わった。既存のスマートフォンケースにストラップホールを追加するためのグッスを好んで使っているのだ。↓こんなの。

こんなよーなグッズ。薄くて平たくて、先端にリングが装着されている
これをスマートフォンケースとスマートフォンの間に入れる
そしてスマートフォンをケースに入れると、スマートフォン下部にリングつまりストラップホールができるというわけだ。ケースによるが、この状態で充電することもできる。また、ケースによっては、ケース端が歪んだり、ケースが外れやすくなることも

 このタイプのグッズ、両面テープでケースかスマートフォンに貼って使うが、貼らずに挟むだけでも使える(メーカーもそういう使い方も提示していたりする)。スマートフォンケースのUSBポートやLightningポート部に適切な穴がないと使えないが、多くのケースにストラップホールを追加できる。貼らずに挟んで使えば、必要なときだけケースにストラップホールを追加でき、なかなか実用的なのだ。てなわけで今回は、そんなグッズをいくつか紹介してみたい。

定番、NITE IZEの「HITCH」

 俺的にけっこう好きなのが、NITE IZE(ナイトアイズ)の「HITCH(ヒッチ)」という製品。見れば「ああ、なるほどネ」と理解できる製品なので、写真とともにご紹介したい。

HITCHシリーズは付属パーツ構成でいくつか種類がある。これは「HITCH & COIL CORD(ヒッチ&コイルコード)」というパッケージで、税込2420円
最重要パーツがこの「ヒッチアンカー」。52×48mmの柔らかな樹脂プレートの先に、化繊リボンとリングがある
使い方は、ヒッチアンカーをスマートフォンとケースの間に置くだけ。USBもしくはLightningコネクター部分に穴が開いたケースで使うように作られている。穴からリボンとリングを出すわけですな
ヒッチアンカーを置いた後、スマートフォンをケースに装着。ケースによってはスマートフォンが僅かに浮く感じになるが、あまり支障はないだろう
ケースから出たリングにストラップなどを接続して完成

 けっこう驚くのが、ヒッチアンカーをケースとスマートフォンの間に置いただけなのに、ストラップなどでスマートフォンを吊せる安定感があること。ストラップなどを強く引っ張っても、ヒッチアンカーが抜けたり変形したりすることはほぼない。さらに強く引っ張ると……恐らくリボンが最初に切れるか、ストラップ側の紐などが切れると思う。ちなみに、リングはつなぎ目のないタイプで、これが破損することはまずなさそうだ。

 使う時だけスマートフォンケースに挟んで、使わないときは外す。貼るタイプではなく置くタイプなので、着脱も非常に容易。またストラップホールとしての安定感や強度も十分ある。これを使えば、とても手軽に「スマートフォンケースへのストラップホール追加」ができるというわけだ。

 ちなみに、この製品のカナメはヒッチアンカーというパーツだが、単体では売られていないもよう。最も安価にヒッチアンカーを入手できるパッケージとしては「HITCH & MICROLOCK(ヒッチ&マイクロロック)」があり、価格は1650円となっている。

同タイプの製品イロイロ

 NITE IZEのHITCHのように使う製品はけっこうある。たとえば2021年にクラウドファンディング(https://www.makuake.com/project/hachimitu-create/)で登場した「STRAPPER(ストラッパー)」(https://strapper.jp)。前出のHITCHは柔らかい樹脂のパーツを使ったが、STRAPPERは金属製(ステンレス)。HITCHのようにスマートフォンとケースの間に挟むだけでも、付属の両面テープで貼り付けても使える。

STRAPPERのパッケージ。ストラッパー本体にストラップや両面テープが付属する。色は、写真のガンメタルのほか、シルバー、ディープレッド、クリーム、ピンクゴールド、マットブラック、ゴールドがある。Amazonで1330円。
ケースとスマートフォンの間に挟んで使う。必要に応じて付属の両面テープで固定してもいい
完成。ケースによるが、この状態で充電することもできる

 さらに安価な製品もある。というか、Amazonで「ストラップホール」をキーワードにして検索すると、たーくさん出てくる。たとえば999円で2枚入りの↓こんな製品。

SHANSHUIブランドの「ストラップホルダー」という製品。こちらは透明タイプで、ストラップホール部は柔らかめの樹脂素材。粘着テープ付き
こちらはブラック。ストラップホール部は金属リング。これも粘着テープ付き
ブラックのほうを装着した様子。スマートフォンやケースに貼り付けて使ったり、ケースとスマートフォンの間に挟んで使ったりできる。ケースの外側に貼り付けて使ってもOK的な紹介もされている

 どれも使ってみたわけだが、とくに問題なく使えている。また、意外に頑丈で、安定的に使える。

 ただし、これら各製品にしてもNITE IZEのHITCHにしても、スマートフォンケースにより使用感が異なる。USB/Lightningの穴の広さなどにより、ストラップホール追加部分周辺が若干歪んだりする。スマートフォン装着感が非常にタイトで固めのケースの場合、スマートフォンにケースが正しく装着できないこともある(ケース下部がかなり歪むため)。逆に、着脱が容易な「かなり柔らかいスマートフォンケース」の場合、ストラップホール追加グッズの引っ張り方によっては、スマートフォンからケースが外れてしまうこともある。

 なので、ご自身が使っているスマートフォンケースにマッチするかしないかは、実際に試してみないとわからない。でもまあ、だいたい、大雑把には使えちゃうので、あ〜んまり細かいことを考えなくてもいいかもしれない。

梱包テープと糸で自作もできちゃう

 上記全てのストラップホール追加グッズについて、俺的にはちょっと懸念がある。「ストラップホールとケースの繋ぎ目が切れたりしないかな?」ということだ。まあ常識の範囲で引っ張るくらいなら、どれも切れない強度はあると感じられる。

 だが、たとえばNITE IZEのHITCHの繋ぎ目は、薄いリボン。前出999円の製品の透明のやつの繋ぎ目は、1mm以下の厚さの柔軟な樹脂。……あるとき突然、プチッと切れちゃったりしない? と、ちょっと不安が残る。

 また、考えてみればこういうシンプルなグッズって、自作できるのではなかろうか、とも思った。たとえばNITE IZEのHITCHの場合、リングを通したリボンを、粘着テープでサンドイッチしたような構造。材料があれば自作できそうだ。

 そこで自作してみることに。材料は、梱包テープと糸、それから必要に応じて金属リング。自作の方法を写真とともにご紹介しよう。

梱包に使うテープを用意。いわゆる“布ガムテープ”で、強力な粘着力があり、素材には強度がある
糸は釣りで使う「PEライン」を用意した。PEラインは高分子量ポリエチレンの撚り糸で、PEラインとして売られているものもあれば、「イザナス」「ダイニーマ」「スペクトラ」「テラミクロン」といった商品名で売られていることもある。写真のものは、ストラップの先にあるループの糸より少し細いくらいの糸だが、45.1kgの引っ張り強度がある。つまり45.1kgのモノを吊せる強度。これを何本か使えば、切れる心配はまずなくなる。ただし釣りで使う場合は、障害物と擦れて傷つくと引っ張り強度が下がって切れやすくなると言われている。この製品の後継製品はコレ(https://valleyhill.taniyamashoji.co.jp/4754)だと思われる
PEラインにリングを通してストラップホールにしようと考えた。そこで用意したのがOWNERのC'ultivaブランド「P-14 ソリッドリング」(http://www.owner.co.jp/search/1982/)の6.5。繋ぎ目のないシームレスリングで、研磨済みの表面は滑らか。写真の製品は300lb(約136kg)の引っ張り強度がある
まずテープを机上やカッターマットに固定し、そこに糸を貼り付けていく。今回は3本の糸を使ってみる。糸を貼り付けるとき、前出のリングに糸を通す。なお、PEラインは普通のハサミだと切りにくかったり切れなかったりハサミを痛めたりするので、PEライン専用のハサミか、切れ味のよいカッターナイフで切るといい
3本とも貼り付け完了。この上にテープを貼り、糸をサンドイッチする。テープの上で糸を重ねていないのは、厚みを抑えるためと、テープと糸の間に生まれる摩擦を最大限に高めるため
テープで糸をサンドイッチした状態。テープの上から擦って内部の糸を粘着剤と密着させる
あとは適当なサイズにカットしたら、ストラップホール追加パーツ自作版の完成
実際に使ってみる。まずはケースのとスマートフォンの間に挟んで……
ストラップホールが追加された。なかなかイイ!!!

 自作できるかな? と思った20分後には自作が完了していた。材料を出してくるのに時間がかかったが、自作は5〜10分あればできるだろう。

 肝心の強度だが、十分に強く安定的だ。糸をガムテープでしっかりサンドイッチし、粘着剤と糸がよく密着するように押さえると、糸とガムテープの間に十分な摩擦力が生じ、常識的な範囲で強く引っ張っても糸が抜けたり切れたりすることはない。

 またリングも頑丈。普通のストラップのループを通したり、金属製の小型カラビナを通したり。リングを介することでPEラインが受ける摩耗(=PEラインの劣化)もある程度防げると思う。

 作成したグッズはケースとスマートフォンの間に挟んだだけだが、布ガムテープ2枚分の厚さ。なので、ケースは少し歪むものの、支障が出るほどではなかった。糸も細いので同様に問題はない感じ。

 緑色の布ガムテープを使ったので見栄えがアレだが、最近では布ガムテープもカラフルになっている。ホワイトもあるしパステルカラーもある。端末やケースの色に合わせたテープで自作するといいかも。

 その後、透明テープでも自作してみた。透明のケースに挟んだとき違和感がないかな、と。しかし、今度はPEラインの色が目立つ感じで……。でもまあ最近のPEラインはホワイトとかグレーとかピンクとかレッドとかカラフルになっているので、これもケースや端末の色に合うものを使えばいいのかもしれない。

透明テープで自作した例。糸の色が目立つ。気泡も汚い〜。また、1枚のテープでサンドイッチしただけだと、ケースとスマートフォンの間に入れた状態で引くと歪んだりする。3〜4枚のテープを重ねないと強度が足りないようだ(テープにもよるが)

 てな感じで、今後はこのタイプのストラップホール追加グッズで行こうと決めた俺。ストラップホール付きケース限定で探す必要がなくなり、より幅広いケースから選べるようになり、ちょっと解放感があって嬉しいのであった。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。