スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

東プレ初のマウス「REALFORCE MOUSE」を試す!!!

税込み実勢価格1万8000円前後だが……その使い心地は?

 2020年3月に入って発表(プレスリリース[PDF])された瞬間に「なんですとっ!!! ソレ買う!!!」と思ったのが、東プレのゲーミングUSBマウス「REALFORCE MOUSE (RFM01U11)」。俺の場合、現在、東プレ「REALFORCE TKL for Mac」という使い心地が超絶良好なキーボードを使用中であって、「あの劇的に使いやすいキーボードのメーカーが出すマウスなら絶対使いやすいハズ!!!」と思ったのだ。

東プレのREALFORCE MOUSE。6ボタン+ホイールで、ゲーミングマウスとしては比較的にシンプルな製品だ。抑えめの静かなデザインではあるが、ブランドロゴがLEDで光ったりする。左右ボタンのスイッチとして、同社REALFORCEシリーズキーボードと同じタイプの静電容量無接点方式スイッチが採用されており、その耐久性は5000万回に及ぶという。税込み実勢価格は1万8000円前後

 この新型マウスを知って「やっべぇ!!! マウスなのに静電容量無接点方式スイッチ採用!!! これは恐らく別次元の使用感でサイコーにイイ感じなハズだから予約予約予約!!!」と、思った、のだが、その直後に約256秒程度考えたところ、「もしかしたらコレは地雷かもしれない!!!」と追加で思ったのであった。

 というのは、俺が激愛用中のキーボードことREALFORCEシリーズの打鍵感は、静電容量無接点方式スイッチ独特のもので、クリック感がほぼ無い。スムーズでソフトでサイレントな打鍵感で、これに慣れるとサイコーにイイ。

 だが、これと同種のスイッチを採用しているからと言って、マウスでも果たしてサイコーにイイという使用感になるのだろうか? だってフツーのマウスでもサイコーに使いやすいマウスでも、左右ボタンってカチカチと明確なクリック感があるスイッチじゃないスか。我々はあのクリック感に慣れまくっている。

 俺はこう考えた。「REALFORCE MOUSEには、たぶんあのカチカチがない。ということは、これまでのマウスとは全く別の使用感。そんな斬新なスイッチをマウスに搭載して、馴染むのか? てゅーか“東プレ初のやっちまったプロダクト”なのかもしれない!!!」と。俺がいくら東プレのREALFORCEキーボードを気に入っているからと言って、やっちまった残念プロダクトに2万円近いお布施をするなんて危険危険危険!!!

 というコトで、今回はメーカーから実機をお借りしての試用。果たしてその使い心地はどんなモンなのか? 以降、レビューをお届けしてゆきたいッ!!!

REALFORCE MOUSEは、どんなマウス?

 まずREALFORCE MOUSEの概要を。前述のとおり6ボタン+ホイールのマウスで、PCとの接続インターフェースはUSB 2.0 Type-A。本体サイズは幅67×前後122×高さ42mmで、質量は約83g。PixArt PMW3360センサーを採用しており、DPI値は100~12000(本体ボタンで400/800/1600/3200に切り替えられるほか専用アプリで100DPIステップでカスタマイズ可能)。レポートレートは本体裏面スライドスイッチで125/500/1000Hzの3段階に切替可能。

 ちなみに、マウスのDPI値は、マウス(センサー部)が1インチ動いた時に画面上のポインタが動くドット数だ。この調整幅が広いほど、より多くの用途にマッチさせられるマウスと言える。

 それと、レポートレート(ポーリングレート)とはPCに対するマウスの応答速度のことで、センサーなどからの情報を1秒間にPCへ送信する回数を示す。プレイするゲームに応じて適切な値を設定すると“より有利”らしいが、俺はゲームあんまりしないのでイマイチ有り難みがわからないのであった。

PCとの接続はUSB 2.0 Type-A。汎用ではあるが、現在のところカスタマイズ用アプリはWindows版のみ提供されている(macOS版は将来的に提供予定)。また、macOSの場合は左側の2つのボタンの前ボタンが機能せず、後ボタンがアプリスイッチャーとなるため、Macユーザーはこれらを自力でカスタマイズする必要があるっていうか、やっぱり現段階ではWindows用マウスと考えた方が良さそうだ
サイズ感は日本人に合わせてやや細身で小ぶり。特に高さが42mmと低めなので、いろいろな“握り方”のユーザーにマッチしやすく、女性にも使いやすいと思われる。マウスの左右サイドはエラストマー素材の滑り止め付き
形状的には右手用マウスとなる。ホイール手前のボタンを押すとDPI値が切り替わる。DPI値を切り替えると、ホイールとボタンの間にあるLEDとマウス後方のブランドロゴLEDが3秒間点灯し、その点灯色により設定されたDPI値がわかる
マウス裏面。ほぼ中央にセンサーがある。裏面に向かって右下には、レポートレートを切り替えるためのスライドスイッチがある
ホイールとボタンの間にあるLEDと、マウス後方のブランドロゴLEDは、7色に光る。DPI値切り替え時に特定の色で光るほか、常時点灯の色をユーザーが選べる。DPI値切り替え時以外は発光させないようにもカスタマイズできる。これらカスタマイズには専用アプリを使う

 前述のとおり、REALFORCE MOUSEの税込み実勢価格は1万8000円前後。その値段だけを考えると、率直に言って機能的にもそーんなにピンと来ないし、また高級感があるマウスという印象でもない。

あっ、イイじゃんこのボタン押下感♪

 さて、懸案の静電容量無接点方式スイッチ。「マウス左右ボタンに“クリック感のないスイッチ”が採用されるのは微妙なんじゃないのかな〜」と心配していた俺であったが、REALFORCE MOUSEを使ってみたら、即、その危惧が消えた。

 というのはまず、REALFORCE MOUSEに採用されている静電容量無接点方式スイッチは、キーボードのREALFORCEシリーズに採用されている静電容量無接点方式スイッチとは違った押下感だから。キーボードの方の静電容量無接点方式スイッチはクリック感がほとんどなく、底づきするまでスッとキーが下がっていく感じだ。

 一方、REALFORCE MOUSEの左右ボタン(これら2つのボタンに静電容量無接点方式スイッチが採用されている)は、僅かなクリック感を伴った押下感である。押していくと「コッ」という小さな一度の音とともに入力が行われる。

REALFORCE MOUSEの左右ボタンには静電容量無接点方式スイッチが採用されていて、軽い押下感と僅かなクリック感で押せる。押下時の音は「コッ」という感じで一度だけ。かなり静かな音だ。なお、他のボタンは静電容量無接点方式スイッチではなく、一般的なスイッチ。なので押下時に2度のクリック音がする

 一般的なマウスは「カッ・チッ」という二度の音とややシャープなクリック感となるが、それと比べるとREALFORCE MOUSEは音もクリック感も非常に抑えめという印象になる。のだが、REALFORCE MOUSEもクリックの感触が指先でわかるので、俺的にはマウスとして違和感をほとんど感じなかった。

 それどころか、使っていくにつれて「このボタン押下感イイなぁ♪」と感じるようになった。 ちょっとわかりにくいかもしれないが、どういうことか、REALFORCEキーボードを例に取って説明してみたい。

 REALFORCEキーボードは、前述のとおり打鍵時にクリック感がほとんどない。これに慣れると、指先をリラックスさせて打鍵するようになる、と感じる。指でキーを押し下げるのではなく、指の重さをキーの上に乗せるような、そんなふうな“打鍵のコツ”を“指が覚えていく”という感じ。まあ俺の場合なんですけどね。

 ともあれ、REALFORCEキーボードに慣れていくと、指先に余計な力を加えなくなるという感覚。指や手をリラックスさせていくことにつながるが、恐らくそういう打鍵スタイルになるから、ラクにスムーズに静かに入力できるのだと思う。自分で言うのはナンだが、REALFORCEキーボードで入力していると「とてもエレガントにタイプしている」という感覚になる。

 で、それと似た使用感がREALFORCE MOUSEにもある。特に左右ボタンの押下感がそうで、使っていると「こんなに軽く、静かに、クリックできるもんなんだ」「フツーのマウスってカチカチとやたらうるさかったんだ」と改めて感じるようになる。

 また、REALFORCE MOUSEはポインタの追従性や机面上での滑りも非常に良好。滑らかに動き、様々な面の上で使ってもポインタが正確に移動する。

 それから、使用開始当初は「PCとケーブル接続なのか〜無線であってほしかったな〜」と思ったが、REALFORCE MOUSEはマウスのケーブルにウザさが非常に少ない。ケーブルの直径が2.8mmと細く、ケーブル自体がしなやかでクセも付きにくい。個人的には「いわゆる、いいケーブル」という印象なのだがさておき、ケーブルがマウス操作の邪魔をするような感覚はほぼ無い。マウスのケーブル根本部分がやや机面から高めに設定されていて、微妙に上向きに出ているのも、マウス操作時のスムーズさにつながっているのだと思う。

ケーブルは細くしなやかで、マウス前方やや上から出ている。マウスによっては、ケーブルの硬さにより操作が邪魔されることがあるが、REALFORCE MOUSEにはそういった違和感がほとんどない

 ケーブルの違和感が非常に少なく、軽く動かせて、ポインタの追従性も秀逸で、左右ボタンは軽く静かに押下できる。そういう総合的な使用感を手指が覚えると、「他のマウスはけっこう雑に作られている?」というような気にもなってくる。一発目の製品なのにここまでイイ感じに仕上げるとは、さすが東プレという印象。危惧していた“やっちまった感”など全然ナイのであった。

 ただ、微妙に残念な点も。それは左右ボタン以外は至ってフツーな感触であること。個人的には、ホイールが回る感触は適度な抵抗があって好みだが、押下時のクリック感がややチープだと感じる。左側にある[進む][戻る]ボタンは正直言って安っぽい押下感だ。DPI切り替えボタンはフツー。これらボタンの押下時の感触も、もうちょっとこ〜REALFORCEならではのものへと追い込んでほしかった。

カスタマイズ性もまずまず高い

 最後にREALFORCE MOUSEのカスタマイズについて。DPI値やボタン機能などは、現在のところWindows版の「REALFORCE ソフトウェア」を使って行う。スクリーンショットとともに、どんなカスタマイズが可能かを見ていこう。

Windows版「REALFORCE ソフトウェア」の表示例。ボタン1/2(左右ボタン)は、右クリック/左クリックを入れ替えることができる
ボタン3/4/5/6(ホイール押下/進む/戻る/DPI値変更)は、「機能切替」「マルチメディア」「マクロ」のカテゴリーで機能を割り振ることができる。「機能切替」は、左クリック/右クリック/ホイールクリック/進む/戻る/DPIサイクル/DPIアップ/DPIダウン/LED色変更/LED輝度変更、から選べる
「マルチメディア」は、再生・一時停止/停止/次のトラック/前のトラック/音量を上げる/音量を下げる/ミュート、から選べる。「マクロ」は、コピー/切り取り/貼り付け/元に戻す/やり直し/ウィンドウを閉じる/次のタブ/前のタブ/デフォルトのズームに戻す/デスクトップを表示する/半角・全角、から選べる
本体にある2つのLEDランプのうち、どれを常時点灯させるか、色や輝度をどうするかを設定できる(2つのランプを異なる色で発光させることはできない)。DPI値は100〜12000DPIの間で100ステップ刻みで4つ設定でき、DPI切り替えボタンなどにより切り替えられる。リフトオフディスタンス(マウスを持ち上げた時にセンサーの反応しなくなる高さ)は2段階から選べる
設定リセットやファームウェアアップデートなどもこのアプリから行える。設定一式をプロファイルとしてファイル保存し、用途によってプロファイルを書き換えることも可能。アプリによってプロファイルが自動的に切り替わるような機能性は現在のところない。なお、右はマウスを接続していない時の表示

 ある程度のカスタマイズには対応しているという感じで、ゲーミングマウスとしてのカスタマイズ性はあまり高くない? そんな印象。個人的にはmacOS版のREALFORCE MOUSE対応「REALFORCE ソフトウェア」が早くリリースされないかな、とも思う。

 てな感じのREALFORCE MOUSE。俺的には「確かに“REALFORCE”な感覚の使用感だ」と感じられ、好印象である。

 でもやはりちょっと高いっすね〜。「品質管理が徹底された日本の工場で、設計開発から生産まで一貫して対応」ということで、いろいろコストがかかるのは理解できるが、フツー感覚の人だと「言っても左右ボタンが独特ってだけでしょ、やっぱ高いよ」となってしまいそう。

 ……でもREALFORCEキーボードの使用感が好きな人が使うと、「ん〜イイなぁ」と感じてしまう味わい深いマウスでもある。なので、ゼヒ、一度実機に触れてみてほしい。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。