スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

iOS 13が来た! てゅーかiOS 13がキてる!!!

即、インストール! まずウワサのアレを試す

 iPhoneやiPod touch用のOSが最新の「iOS 13」(公式ページ)へとメジャーアップデートされましたね~♪ 筆者は使用中のiPhone XS Maxに即インストール。早速使用開始しました。で、筆者的結論をいきなり書いちゃいますと、iOS 13すご~くイイです! こんなポジティブな気分にさせられたiOSアップデートって初めてかも。

 なお、iOS 13へアップデートできる端末は新しめ世代のiPhoneやiPod touchです。具体的には、iPhone SE、iPhone 6s、iPhone 6s Plus、iPhone 7、iPhone 7 Plus、iPhone 8、iPhone 8 Plus、iPhone X、iPhone XR、iPhone XS、iPhone XS Max、iPhone 11、iPhone 11 Pro、iPhone 11 Pro Max、それからiPod touch(第7世代)です。iPadは先日リリースされたiPad OSが専用OSとなり、iPadにiOSをインストールすることはできなくなりました。

 ちなみに、iOS 13は2019年9月20日(日本時間)にアップデート提供開始となりましたが、その5日後の25日(日本時間)にはiOS 13.1のマイナーアップデートが提供開始されました。なので、現在の最新iOSバージョンは13.1ということになります。

 さてさて、最新版iOSはいろいろ良くなってますが、具体的にはアップル公式ページ「すべての新機能」に書かれています。たくさんの新機能がありますが、ここでは筆者が「おっ、イイね!」と思った新機能に絞ってiOS 13をレビューしていきます。

 で、まずは気になっていたBluetooth関連。「いつできるようになるのかな~?」と以前から期待していたワイヤレスマウスの接続&利用、一応できるようになりました。アクセシビリティ機能の一端としてBluetoothマウスやUSBマウスの接続と使用が可能になりました。下の写真のように、画面上に丸いポインタが出てマウスが使えます。

手持ちのBluetoothマウス、ロジクール「MX Master」とiOS 13搭載のiPhone XS MaxをBluetooth接続してみると、あっさり接続完了! ただしこれだけではiOS上でマウスを使えません。
設定アプリ→[アクセシビリティ]→[タッチ]の順で開き、AssistiveTouchをオンにします。これでアクセシビリティ機能の一端としてBluetoothマウスやUSBマウスが使用可能になります。画面上には丸いカーソル(赤矢印)が現れ、この丸いカーソルを指先のような感覚で使用しつつiOSの操作を行えます。タップ、スワイプ、スクロールなど、イロイロと。

 iOSでマウス! 使用感的には、慣れると「コレはコレであり!」という、わりとスムーズな使い勝手です。macOSなどとマウスの操作感を比べてみると、場合によっては「iOSのマウス操作のほうが便利かも」と思えたりも。

 マウス以外では、Bluetooth接続のゲーム用コントローラーも使えるようになりました。具体的にはPlayStation 4用のBluetoothコントローラーやXboxワイヤレスコントローラが使用可能。これらを使ってiOS用ゲーム(の一部)をプレイできるようになりました。

ソニー「DUALSHOCK 4 Wireless Controller」をBluetooth接続。コントローラー側のペアリング準備は、中央下のPSボタンと左上縦長のSHAREボタンを10秒間同時押しです。既にペアリング済みのPS4などがある場合、一旦ペアリングを解除しておくかPS4本体の電源を切っておくなどの前準備も必要。なお、このコントローラーの電源オフはPSボタンの10秒間長押しで、電源オンはPSボタンの短押しです。

 上の写真のバイクの爆走系ゲームをこのコントローラーでプレイしてみました。このゲーム、バイクの進行方向をiPhoneの傾きで決めますが、これがコントローラー操作で行えるといきなり難易度が下がりますね~。ちょっとチートに近い感じ? ともあれ、確かにゲーム用コントローラーをiPhoneで使えました。すべての操作ができるわけではなく、まだまだ手でタップするなどの操作が必要なシーンが多かったりしますが、今後はゲーム用コントローラーだけでiOS用ゲームが楽しめるようになるのかもしれません。

写真が便利になった~♪

 iOS 13を使い始めてまず好印象だったのは、純正の写真アプリ。写真タブが非常に便利です。ブラウズしやすく、編集も手軽になりました。例えば、大量の写真から目的の1枚を探してレタッチして利用する、みたいなフローがスムーズに。具体的にスクリーンショットと説明文で見ていきましょう。

写真タブですべての写真を表示した様子。サムネイルの大きさを自由に変えられます。左は3枚ずつ並ぶようにした状態ですが、横幅いっぱいに写真を広げた大きなサムネイル(?)にすることも可能です。そこから中央~右のようにサムネイルを小さくしていけます。右のサムネイルは小さ過ぎのような感じがしますが、色に特徴がある写真を探しやすくて実用的です。なお、サムネイルサイズ変更はピンチイン・アウト操作もしくは画面右上のソフトウェアボタンで行えます。
左から、年別、月別、日別、で写真を表示した様子。状況に応じてシームレスに表示が変わり、例えば年別で特定年月をタップすると月別表示となり、そこから特定月日をタップすると日別表示へと推移します。年別・月別・日別の推移はピンチイン・アウトでも行えますので、非常に直感的に画像ブラウズを進めていけます。
上の写真表示で、日別のみ写真の大小が付いていましたが、これはiOSが自動的に写真を分析・キュレート・レイアウトして表示してくれるためです。上のスクリーンショットはその処理が行わている様子です。結果、似た写真を小さく表示したり特徴的な写真の一部分を大きく表示するようになります。目的の写真を探しやすくなるという印象。
写真のレタッチも行いやすくなりました。調整処理、フィルタ処理、トリミング処理を行えますが、どれも機能選択と調整を行ったり来たりせず、画面推移がほぼない表示で手早く扱えてスムーズです。
これはトリミングや傾き・歪補正を行っている様子。建物の上のほうが小さくなる歪を補正するシフト補正も可能です。また、こういった処理(調整・フィルタ・トリミング)は動画にも適用でき、動画は非破壊編集対応でもありますので、静止画と同様に処理後でもオリジナルへと戻せます。

 一気に使いやすくなった写真アプリ、という印象です。特に写真タブの日別表示は、大量の写真を場所や時間といった軸でダイジェストのようにまとめてくれるので、目的の写真をとても探しやすい。余計な写真が目に入りにくく見やすい。画面推移で「あれ~さっきの写真どこにあったんだっけ~」的に写真を見失うことが少ないのもイイ。非常に快適に使えるようになりました。

見やすく疲れずイラつかないダークモード

 iOSにもダークモードが搭載されました。ダークモードはmacOS Mojaveにも搭載された表示機能で、ウィンドウなどの表示色を暗くし、ユーザーが作業に集中できるようにするというものです。iPhoneなどのダークモードも同様の効果を発揮するようですが、プラスして画面が目立ちすぎないというメリットがあります。夜間にiPhoneを使っていると画面が明るくて目立ったり周囲に迷惑がかかったりしますが、それが解消されるというわけです。

ダークモードの使用(外観モードの変更)は設定アプリの[画面表示と明るさ]から選択します。ダークモードにすると白っぽかったUI表示が全体的に暗くなります。ダークモードを使っても文字などの視認性が悪くなるわけではありません。
ダークモードに適した壁紙も新規追加されました。また、自分で撮った写真を壁紙に使っても、ダークモードは適用され、周囲の明るさに応じて写真の明るさが変化します。

 しばらく使ってみましたが、イイですね、スマートフォンのダークモード。文字などは読みやすいままで、画像なども見やすい感じ。他の機能で見やすさや探しやすさなど快適性が高まっているiOS 13なので、ダークモードを使うとさらにフラストレーションが低減されるという気がします。

 それと、端末によってはダークモードの使用がバッテリー持続時間延長にもつながります。具体的にはディスプレイが有機EL(OLED)タイプのiPhone 11 Pro/iPhone XSシリーズ。一般のLEDはバックライトが画面全体を照らし続けますので、画面を暗い色にしても消費電力を減らせず、輝度を落とせば消費電力を減らせます。一方、有機ELディスプレイは各画素それぞれが発光しますので、表示色が暗く画面輝度が低いほうが(つまりダークモードを使ったほうが)電力消費が少ないというわけです。

外部ストレージのファイル全部読める~♪

 iOS 11から使えるようになった「ファイル」アプリですが、以前はけっこう制限がありました。例えばiOSデバイスに接続したSDメモリーカードやUSBメモリーなどにある全ファイルを自由に扱うことはできませんでした。デジカメ画像を読み込むとか、アプリからファイルを書き出すとか、クラウドストレージのファイルを読み込むとか、なんか遠回りな感じのファイル操作制限。

 iOS 13では、こういった制限がほとんど解除され、iOSデバイス・外部ストレージ間で自由にファイルをやりとりでき、さらにはZIPファイルの圧縮・展開にも対応しました。どんな感じで使えるのか、スクリーンショットと説明文で見ていきましょう。

アップルの「Lightning - SDカードカメラリーダー」を経由して、いろいろなファイルが入ったSDメモリーカードをiPhoneと接続してみました。すると、あっさりとSDメモリカードを認識。
カード内のファイルがサムネイル表示されました。JPEGファイルやTXTファイルは、その内容を問題なく表示できました。
PDFファイルも開けました。MP3ファイルは、表示が簡易的ながらも問題なく再生できました。MP4動画も再生可能。
上に並ぶ白いアイコンの3つのファイルはMTSファイル。これは、ソニー製やパナソニック製のビデオカメラで記録したAVCHD形式のハイビジョン動画ファイルです。このままでは再生できないので、Dropboxに保存してDropboxアプリから再生を試みます。結果、うまく再生できました。ファイルアプリで各種ファイルは読めますが、開けるかどうかはファイル次第なので、後はその形式を開けるアプリを探せばイロイロと捗るはずです。
こちらはファイルをZIPしていく様子。複数のファイルを選択し、右下のメニューから圧縮を選択すると、サクッとアーカイブが完成。もちろんZIPアーカイブの展開もできます。

 ファイル関連の新機能は他にもイロイロあり、LANでよく使われるSMBファイルサーバーへのアクセスが可能だったり、Safariでダウンロードしたファイル類を一括管理できたり。ともあれ外付けのストレージに対する読み書きができるようになって、いや~iOS端末の活用幅がグッと広がりましたね~。ようやくAndroid端末と肩を並べたとも言えますが、よりパソコン的に使えるようになったiOS 13搭載端末です。

地味だけど非常に使いやすい小さな機能性

 これスゲくイイじゃ~ん! と思える小さな機能もたくさんあります。とりわけイイのは、例えば長いウェブサイトや長文ドキュメントのスクロール。これまではフリックの連続でスクロールさせていましたが、iOS 13では画面右にあるスクロールバーを長押ししてドラッグすると目的の位置へ自由にスクロールできるようになりました。

縦長のドキュメントに現れるスクロールバー。iOS 13ではこれを長押しするとやや太くなり、指先でドラッグして画面を上下にスクロールさせられるようになりました。超高速スクロールも可能。快適です。

 それからテキスト編集時のカーソル移動。これまでは、画面上の目的の位置をタップしたり、キーボードに左右カーソルキーが表示されたらそれを使ったり、3D Touch対応iPhoneならキーボード長押しでトラックパッド機能を使ったり、3D Touch非対応端末ならスペース(空白)キー長押しでやはりトラックパッド機能を使ったりして、カーソル移動をしてきました。

 トラックパッド機能があることで、最近はかなり便利になっていたテキスト編集時のカーソル移動操作ですが、iOS 13ではさらに便利化。カーソル付近を長押しするだけでトラックパッド機能に近いカーソル移動ができるようになりました。また、テキスト選択の操作感も向上。総じて直感的でスムーズなテキスト操作が行えるようになっています。

テキスト編集時に現れるカーソル。iOS 13では、カーソル付近を長押しするとカーソルがやや大きくなり、ドラッグする指に追従して自由に動かせるようになりました。追従するカーソルは指の真上。見やすく操作しやすい位置です。

 それからテキストつながりで、ミー文字もちょっと楽しくなりました。iPhone Xから加わったアニ文字(ユーザーの表情をカメラでキャッチ・トレースしてアニメーションする立体的キャラクター絵文字)を、ユーザーオリジナルのキャラクターとして作れるようになったのがミー文字です。モンタージュ写真的に、自分とそっくりな顔文字を作れますが、このミー文字の作成がより詳細に行えるようになりました。加えて、作成したミー文字をもとに、メッセージなどに貼って使えるステッカーパックが自動生成されるようになりました。

ミー文字は自分で作れるオリジナルのアニ文字です。作ったミー文字は既存のアニ文字と同様にアニメーションを録画して送信したりできます。iOS 13からはアニ文字/ミー文字から自動的にステッカーが生成され、これをメッセージアプリに貼ることができます。

 スクロール操作やカーソル操作については、痒い所に手が届いたといった感じ。小さな機能性向上ですが、iOS端末がより快適になりました。

常用アプリもしっかり進化

 iOS端末ユーザーの多くが常用していると思われるSafariやメモ。これら純正定番アプリも進化しています。

 例えばSafariでは、ダウンロードマネージャが加わってダウンロード進捗を知ったりダウンロード後のファイルに直接アクセス可能です。他にもたくさんのブラッシュアップが施されたSafariですが、筆者的にはフォントサイズを手軽に変えられるようになった点、スタートページが使いやすくなった点が便利。

 また、iOS 13には「フルページマークアップ」という機能があり、ウェブページやEメールや各種ドキュメントなどの縦長ページ全てをスクリーンショット(PDF)として保存する機能もあります。もちろん注釈などを加えての保存が可能。Safariでも使えるので、長~いページをオフラインで読む時などに役立ちます。

Safariで表示中のページの文字サイズは、ツールバー左側から手早く変更できます。
左は従来と同様に一画面みののスクリーンショットを取得中の様子。右は新たに加わった「フルページ」のスクリーンショット(フルページマークアップ)機能。ウェブページの上から下まで全部スクリーンショットとして取得できるようになりました。

 メモアプリも、さらに便利になっています。イロイロな機能アップを果たしましたが、筆者的に便利だと感じたのは、まずギャラリー表示。メモのサムネイル表示なんですが、意外に探索性が高くて実用的です。それから検索も手軽になり、スムーズに絞り込んで検索していくような使い方ができます。

 ……あと、iOS 13を試している中で音声入力を使っていたら、な~んか認識率や変換速度が高くなったような気も。気のせいかもしれませんが、でもこのくらいツカエルなら今後は多用しようと思いました。

メモの一覧表示例。新たにサムネイル表示が加わりました。特に画像が貼られているようなメモは、サムネイルを一望する程度で見つけやすくなりました。
メモの検索機能。候補からメモのタイプを絞り込んで検索できます。中央は手描きで描画されているとiOSに判断されたメモが絞り込まれています。右は同様に添付ファイルありのメモが絞り込まれています。もちろん[候補名]+[検索文字列]としてさらに絞り込むこともできます。
iOS 13からはサブフォルダの作成もできるようになりました。新しく作ったフォルダを、ドラッグやコマンド選択などで既存フォルダ下にネストさせられます。
iOS 13だからか、ミョーに音声入力の効率がいいような? ちょっとしたメモや検索なら音声入力が手っ取り早い感じです。

 どちらのアプリもちょっとした進化なんですが、使い勝手が大幅によくなった感じです。常用アプリがより使いやすくなったのは非常に嬉しい。

細かな部分もイロイロとイイ感じに♪

 筆者がiOS 13をインストールした端末はiPhone XS Max。使っていて感じられるのはパフォーマンスの向上です。例えば、顔認証ログオンことFace IDのロック解除が明らかに速くなりましたし、アプリの起動も高速化したと感じます。ロードの遅いゲームアプリもササッと起動するようになった印象です。

 それから、長押し機能各種。アプリのアイコンやウェブリンクなどを長押しすると、アプリ固有機能を一覧から実行できたり、ウェブサイトの内容の一部をプレビューできたりします。これまで数ステップあったことが長押しからのワンステップでできるので、端末がササッと使えて快適~という実感につながっています。

アプリのアイコンを長押しした様子。左から、カメラ、メモ、Googleマップです。アプリアイコンの長押しで、アプリ内の使いがちな機能をワンタッチで呼び出せる感覚。実用的です。
これはコンテンツを長押しした様子。左から、ファイル上の写真サムネイルを長押し、Safari上のウェブリンク(オルファの製品情報URL)を長押し、メモのサムネイルを長押し。コンテンツ部分をタップすればコンテンツを開き、リスト部分をタップすればその機能が適用されます。コンテンツやリスト外の部分をタップすれば元に戻れます。

 この長押し機能各種、いろいろ話が早いというか手っ取り早いというか、iOS 13搭載端末をスムーズに使いこなすための入り口となってくれる感じ。アプリもコンテンツも「とりあえず長押しで!」と思わせるイカシた機能性です。

 現在ちょっと不明というかよくわかっていないけど気になっている機能に、「カスタムフォント」があります。App Storeからフォントをダウンロードでき、そのフォントをiOS 13対応端末にインストールし、アプリで利用できる……そうですが、イマイチ正しい使い方がわかりません。

左はiOS 13の設定アプリの[一般]表示。フォントという項目があります。中央は、試しにインストールしてみたMamelonというフォントです。フォントの項目からプレビューできます。左はMamelonフォントを使ってメールアプリで書いた様子。フォントのインストールは、それらしきフォント関連アプリをApp Storeからダウンロードして開いた程度です。アプリのカタチでフォントが存在しているってコトなんでしょうか? 確かに、インストールしたフォントを利用できましたが……このやり方でいいのかな? 的なモヤモヤが残ります。初の機能はちょっと戸惑いますね。

 フォントが使えて、マウスも使えて、スレート型端末として快適性がググッと高まって……まだハッキリと見通せないものの、なんか非常にポジティブなiOS的近未来がキてるという印象です。ともあれ、喜べたり楽しめたりする要素が非常に多いメジャーアップデートのiOS 13。オススメです。ちなみに、iOS 13インストール後のiPhone XS Maxですが、トラブルは特に起きておらず、快適に使えています。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。