スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

良さゲなBluetoothキーボード「3E-BKY1」

良さゲなBluetoothキーボード「3E-BKY1」

 出張時、同行した編集者がちょっと良さゲなキーボードを使っていました。3Eの「3E-BKY1」(公式ページ)という機種。折りたたみ式のBluetoothキーボードです。

3Eの「3E-BKY1」とiPad Pro 9.7インチを組み合わせて使っている様子。「3E-BKY1」は折りたたみ式のBluetoothキーボードで、畳んだ状態ではA6(ハガキ大)より一回り大きい程度のサイズになります。

 ちょっと触らせてもらったところ、予想外に良好な打鍵感ですし、キーボード全体の剛性も高め。「折りたたみ式のキーボードにしてはずいぶんカッチリしてる」という印象です。キーも大きめで打ちやすく、すぐにタッチタイピングできました。折りたたみ式キーボードにアリガチな、奇妙な配列や折れ目部分の独自配列などもありません。

 編集者曰く「ちょっと重いんですけどね」と。確かに折り畳んだ状態はコンパクトですが、大きめのスマートフォンより重い感じ。しかし、キーボードとしてはとても使いやすい気がしました。

 というわけで、早速購入して使ってみることに。結果、かなりイイ感じ♪ 久々に使用感良好なBluetoothキーボードを手に入れたかも! というわけで以降、「3E-BKY1」の機能や使用感などについてレポートしてみたいと思います。

どんなキーボード?

 まず「3E-BKY1」の概要から。3つ折りにできるBluetoothキーボードで、Bluetoothによる無線接続以外に、有線接続(USB接続)キーボードとしても使えます。対応OSはWindows 8/8.1~、Android 4.1~、iOS 6~。Bluetoothキーボードとしては、充電式で、満充電からの電池持続時間は最長約260時間です。キーは英語配列(78キー)。サイズは、折りたたみ時が横166×縦120×厚さ15.8mm、展開時が横297×縦117×厚さ8.25mm、質量約288g(キーボード本体のみ)です。

3Eの「3E-BKY1」は3つ折りタイプのBluetoothキーボードで、USB接続にも対応。畳んだ状態ではハガキより一回り大きい程度のサイズになります。マグネットで容易に開閉できるセミハードケース付き。実勢価格は7300円前後です。
こんな感じで3つ折りにできます。畳めば電源オフ、展開すれば電源オン。

 Bluetoothキーボードとしてペアリングできる端末は1台で、電源は本体を展開すれば電源がオンになるスタイル。常用するスマートデバイスとペアリングしておき、キーボードを開けば自動的に接続されてタイプできるという、シンプルな使い方に適するキーボードです。ちなみに充電しながらでもBluetoothキーボードとして使えます。また、ペアリングはFnキーを使ってのショートカットで行えて、操作全体が比較的にわかりやすいので、複数台のスマートデバイスと都度ペアリングし直しての使用もまあまあ現実的です。

 基本的には、3つ折りによる携帯性の良さから、スマートフォンやタブレットなどスマートデバイスと組み合わせての使用によく向くキーボードです。ですが、上記のとおりUSB接続が可能であることや後述のキーピッチや打鍵感の良さを含めて、デスクトップPCと組み合わせて使うのも良いと思います。

 ちなみに、3Eからはコレと良く似た3つ折りキーボードとして「3E-HB066」という製品も発売されています。「3E-BKY1」との違いはキー数やキーピッチや質量などで、「3E-HB066」のほうがより軽くてコンパクトなので携帯性に優れます。ただしキー数が少ないことやキーピッチが狭いことから、「3E-BKY1」よりも「慣れる必要があるモバイル用キーボード」ということになると思います。

マトモなキー配列と良好な打鍵感が好印象♪

 続いて打鍵感やキー配列などを見ていきましょう。まずキー配列ですが、一般的なテンキーレス英語配列キーボードとだいたい同様の配列。スマートデバイス向けでありかつ折りたたみ式のキーボードというと、「どうせキー配列が変則的なんだろう」とか思いがちですが、ヒッジョーにマトモです。

 また、キーピッチが19mmであること。これも一般的なキーボードとほぼ同じ。ちなみに、キーの左右端のサイズはフルキーボードとほぼ同じでもあります。ShiftキーやEnterキーなど、モバイルキーボードではギュッと圧縮されて小さくされがちなキーも、快適なキーサーズとして実装されていて使いやすいです。BackspaceキーがありつつDeleteキーもしっかりあるあたりもナイス! キー配列などにおいて「モバイルキーボードだからソコは我慢」という要素が非常に少なくてグレイトだと思います。

 ファンクションキーの上下幅が短いとか独自のFnキーがあるとか、一般的なキーボードと違う点はあるんですけど、「3E-BKY1」は「折りたたみ式もスマートデバイス向けBluetoothキーボードなのに、かなりマトモ感が高い」という印象。英語配列キーボードユーザーの多くが「これならスグ使い始められる」と思うんじゃないかな~、という気がします。

「3E-BKY1」のキー配列。ファンクションキーは独立していて、スマートデバイスの各種機能(コピペや音楽再生や音量調整など)を使えます。Fnキーと組み合わせて特定のキーを押すことでキーボードの機能設定を行うことも可能。そういった特殊機能を除いては、だいたい標準的な英語キーボードの配列およびサイズです。
主なキーのキーピッチは上下左右とも19mm。隣り合ったキーが完全に分離されているアイソレーションキーボードなので、タイプミスが起きにくいように感じられます。

 スマートデバイスに対する文字入力以外の操作もイロイロできますが、ここでの説明は割愛します。製品情報ページ下部から説明書PDFをダウンロードすることができますので、詳細はそちらをご参照ください。

 続いて打鍵感。特筆すべきはキーボード全体の剛性感だと思います。折りたたみ式のモバイルキーボードとしては、けっこー驚けるレベルの「シッカリ感」。敢えて強めにタイプしてもキーボード面が歪むようなことがほとんどありません。どうタイプしても「十分な手応えとともに打鍵できる」という印象。「折り畳めないタイプ」のキーボードと比べても、見劣りしない剛性感があると思います。ヘタなノートPCの剛性感イマイチ系キーボードより優れているとも言えちゃいます。

 キー自体はパンタグラフ式。ストローク自体は短いですが、キーインの瞬間に「コクッ」という軽いクリック感が指先に伝わるので、小気味良く確実にタイプしていけます。上記の剛性に加え、このキー押下のフィーリングも含め、ワタクシ的に「タイプしていてわりと気持ちイイ打鍵感」。折りたたみ式キーボードでこういう気持ち良さがある製品ってけっこー希少品のような気がしますが、まあ感じ方は人にもよりますし、できれば実機に触れて確認してみてください。

 でも、このキーボードなら、けっこービシバシと原稿を書けちゃう気がします。スマートデバイス側の漢字変換とかテキスト編集の快適さとか、現実的にはキーボード以外にもイロイロと要素があると思いますが、キー配列や打鍵感だけで言えば、ワタクシにおいては仕事で使えるレベルの良好な使用感です。

ほかにも良い点イロイロだけど……ちょっと重い

 ほかにも「へぇ」と思わせる機能性をイロイロと備えている「3E-BKY1」。目立つところでは、付属のセミハードケースがスマートデバイス用のスタンドになります。よくあるオマケ的機能ではなく、単体のスタンド製品と勝負できるくらい安定感と汎用性があるスタンドだと思います。

「3E-BKY1」はマグネットで開閉できるセミハードケースが付属しています。コレ、まずは開きやすいシンプルなケースとして使えます。
ケースのフタ部分のマグネットは、スタンドとして自立させるためのシクミでもあります。かなりシッカリ自立します。ケース(スタンド)表面はやや滑りにくい合皮なので、机上での安定性もバッチリです。端末角度を変えられる機構もあります。
スマートフォンやタブレットを安定的に支えることができます。端末は縦置きにも横置きにもでき、ホームボタンをグイッと押してもスタンドが後ずさりするようなことはまずありません。実用的なキーボードケース兼スマートデバイス用スタンドです。

 それから、キーボードにはバックライト機能があったりも。発光色は赤・青・緑の3種類に変えられて、点灯時明るさは2段階に変更可能。なかなか凝ったバックライトです。キーの刻印が光るので、暗い状況下で「普段あまり使わないキーを目視して探す」ようなときに便利です。

キーの上の文字などはバックライトで点灯します。色は赤・青・緑の3色に切り換えられ、明るさは2段階に変えられます。
キートップの文字などは、下からLED光が透過するタイプ。文字などの輪郭はシャープで、キートップ全体が綺麗に見えます。

 てな感じで、細々したところにも「ちょっとしたポイント」があります。全体的につくりが良いですし、キーボードとしてかなり快適に使える部類ですし、スタンドになるセミハードケースも便利だしで、なかなかイイ!

 と思うんですが、ちょっと重いんですコレ。キーボード単体だと約288gで、僅かに重いって感じなんですが、付属ケースを含めると458g(実測値)。500mlペットボトルより少し軽いですが、携行しようかどうか微妙に迷うような重みがあったりします。重さだけで言えば、もっと軽いモバイルキーボードはた~くさんあります。

 そのあたりをどう考えるか? 打鍵感や実用性とのトレードオフとして納得できるか、みたいな。ともあれ、なかなかイケてるキーボードでありつつ、ちょっと重いモバイルキーボードでもありますので、実際どういう感じなのか、ぜひ実機に触れて確かめてみてください。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。