スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

iPadで「原寸大」の製品写真を表示!

マスキングテープの定規を貼る実用的ハックを紹介

iPadで「原寸大」の製品写真を表示!

 先日、コンピュータマニアでアナログ時計マニアでスマートウォッチマニアでありかつ文具マニアの友人こと船田氏(公式サイト)が、単純明快だけどヒッジョーに実用的なコトを、iPad上でやってました。ソレ見て「あーっ、便利!」とビックリ。船田氏がやっていたのは、これです。

船田氏はiPadで最新文具情報などを閲覧していました。ふと見ると、iPadの額縁部分に、テープが貼ってあります。「そのテープなに?」と訊くと……。
「マスキングテープの定規なんですけど、Webの製品写真をサイズどおりに表示させて、原寸大で見てんですよ。腕時計なんかもほら」と船田氏。定規を貼るだけで、多くの製品写真を原寸大で見られるという工夫でした。

 あら~便利♪ 原寸大。WYSIWYG表示、みたいな。なるほどね~画面端に定規のマスキングテープをね! 有りそうで無かったというか、やりそうで誰もやってなかった、非常に手軽で実用的なハック! コレ、実際にいろいろな場面で便利です。とくに小物のサイズ感をリアルに感じられて実用的。

 メーカーのウェブサイトや通販サイトなどで、小物の写真は自由に見られますが、サイズ感がイマイチわからないことが多かったりします。サイトには製品のサイズが示されていますが、「ん~と、143mmって……こんなもん?」と指を広げてだいたいのサイズしかわかりません。実物を見たら「意外に大きかった」「思ったより短かった」みたいなことが少なくありません。

 ですが、上のように定規タイプのマスキングテープなどを貼り、写真の製品が原寸大表示になるように拡大縮小すれば、あ~ら無問題♪ いつでも手軽に製品の原寸大表示が可能。リアルなサイズ感を手っ取り早く理解することができます。とてもイイ感じで使えるので、この「iPadでの原寸大表示ハック」をイロイロと試してみました。

使うテープと原寸大表示の方法

 これ、「定規タイプのマスキングテープを使う」というのが大きなポイントかもしれません。船田氏、最初は定規で測りつつ原寸大表示にさせていたそうですが、「定規を携帯したりいちいち画面に当てたりするのが面倒」ということで定規タイプのマスキングテープを貼るようになったそうです。「マスキングテープなら貼るだけで携帯や取り出しの面倒がないし、汚れたりくたびれたりしたら捨てて新たに貼れるし、製品写真を画面端に寄せられない場合ならテープを画面上に貼ったりもできる」とのこと。なるほど、マスキングテープ、便利かも!

 船田氏が使っていたマスキングテープは和風っていうか、竹の定規風。なかなかの視認性でした。iPadの額縁はマスキングテープ幅より狭いですが、はみ出したフチを折り返せば大した問題はありません。

船田氏が使っていたのがコレ、カモ井加工紙の「mt ex竹定規」(公式ページ)。和風の定規タイプマスキングテープです。十分高い精度があります。iPadの端に貼り、余りはそのまま折り返して裏まで貼ってしまうと、スッキリした見栄えに。メーカー直販価格は税別200円。
マスキングテープは薄いので、Smart Coverもとくに問題なく使えました。

 探してみると、ほかにも定規タイプのマスキングテープがありました。いくつか購入し、貼り比べてみました。なお、この記事で登場する端末は、前出のものも、これ以降に出てくるものも、iPad Pro 9.7インチです。

カモ井加工紙の「mt ex定規」(公式ページ)。センチ単位で数字が振ってあるので、より視認性が高いです。写真のテープは大巻サイズですが、現行品は幅20mm×長さ10mの小巻タイプでメーカー直販価格は税別200円。
エーモンの「目盛り付きマスキングテープ」(公式ページ)。幅20mm×長さ約15mで、実勢価格は300円前後。これもなかなかの視認性です。
ファイブステージの「貼るメジャー」という製品。手芸店などで売られているようです。実勢価格は400円前後とやや高めですが、幅15mm(長さ5m)なのでiPadに貼るには扱いやすくてイイ感じ。

 使い方は単純明快。写真のようにiPadなどタブレット端末の額縁に貼り、ネットで閲覧できる製品写真を「原寸大に拡大・縮小して表示」するだけです。メーカーの製品紹介ページなどに製品サイズの情報があれば、製品写真をまあだいたい原寸大で表示可能。ちょっとやってみましょう。

まずはメーカーの製品情報ページなどで、製品画像を表示。同時に製品のサイズを調べておきます。そして製品画像を定規に合わせて拡大などしつつ、原寸大表示に。画像は品薄のシャーペン「オレンズネロ」ですが、実物に触れなくても実寸のイメージがわかって参考になります。
iPadで原寸大表示をし、そこに実物を置いてみました。当然ですが、現物と画像のサイズがぴったり合いました♪

 多くのメーカー製品情報ページで製品画像と製品サイズが得られますので、貼ったテープを目安に画像を拡大などすれば、原寸大表示を見られます。ただ、製品画像やWebブラウザなどによっては、うまく拡大・縮小できないこともあります。そういう場合はスクリーンショットを取り、それを画像の拡大・縮小が可能な画像編集アプリで扱えば、原寸大表示ができます。

メーカーの製品情報ページの製品写真を、いったんスクリーンショットとして保存。それを画像編集アプリで読み込み、貼った定規に合わせて拡大縮小し、原寸大表示にしてみました。すでにゲンブツを持っている場合は原寸大表示の意味は希薄ですが、一応ゲンブツも置いてみました。使っているアプリは「Tayasui Sketches」(App Store)ですが、ほかにも原寸大表示に利用できるアプリは多々あると思います。

 まあ、原寸大表示にしても「ふぅ~ん、こんなサイズなんだね~」くらいなモンではありますが、「実物を見たらサイズ感が全然違った!」的な勘違いをなくせます。ですので、ネット通販などで小物を買うときにも役立つと思います。

定規や下敷きもちょっと便利

 イロイロ試している途中、そう言えば船田氏が「最初は定規を使っていた」と言っていたのを思い出しました。どんな感じなのか、透明定規で試してみました。

透明で方眼入りの定規で原寸大表示にしてみました。定規は自在に位置を移動させられるので、画像の拡大縮小をしてのサイズ合わせがしやすく、なかなか便利です。

 画面上に定規があると、原寸大に合わせるときの拡大縮小がより行いやすいです。ならばアレも便利かも! と思って、手持ちの方眼入りの下敷きを使ってみました。製品としては、ミドリの「CL セクション下敷」シリーズ(公式ページ)です。

ミドリの「CL セクション下敷」シリーズ。1cmの方眼がプリントされた半透明の下敷きです。9.7インチのiPadより一回り大きいサイズです。
下敷き越しに画像を表示すると、わりあいハッキリと画像が見えます。下敷きを画面に密着させれば、指での拡大縮小操作も一応できます。ただし下敷きがない場合より少しカクカクすることがありますので、写真のような感じで画面を直接タッチしたほうがいいですね。ともあれ、いろいろ応用が利く方眼下敷きです。

 下敷きもなかなか実用的。iPadより大きい下敷きですが、必要に応じてカットして使うと携帯感もスッキリするように思います。ただ、やはりマスキングテープを貼ったスタイルよりも、携帯性や手っ取り早さに劣るかもしれません。画像を原寸大に合わせるには、透明定規や半透明下敷き、使いやすいんですけどね~。

透明ラベルでメジャー自作

 結局、iPadで製品写真を原寸大表示にするには、マスキングテープのような「定規テープ」を貼る方法がいちばん適するかな、と。でもマスキングテープだとかなり目立ちます。人前でiPadを使うと「あれ、そのテープって何ですか?」とか質問されまくり。

 もうちょっと目立たない方法は……と考えて、ラベルプリンターでの定規テープ自作を思いつきました。透明ラベルを使い、そこそこ視認性の良い色で定規的なものをプリントすれば、耐久性の面でも、実用性の面でも、それからマスキングテープほどは目立たないという点でも、良さそうだと思ったわけです。そして早速自作。

ブラザーのラベルプリンター(公式ページ)でつくりました。透明テープが多く、プリント色もいろいろあって選択肢が豊富で、ラミネートテープなので耐久性も十分あるからです。右は貼った様子。
自作なので、少し目盛りがズレていますが、ご愛敬。「だいたいコレが原寸大」という表示をさせるには十分な精度です。マスキングテープよりは目立たず、わりとイイ感じです。

 透明のテープを使い、目盛り色もいろいろ選べ、目立たない定規にもできます。耐久性も十分あり、再作成も容易。なので、やはり自作が有利かも。

 ただ、比較的に正確な目盛りの定規を自作するのは、思ったよりずっと大変です。正確に作ったつもりでも、ほんの少しズレたりして、長い定規ほど精度が下がる傾向に。まだまだ発展途上です……というか、ラベル定規自作技術を高める必要ってあるのか? どこかのメーカーさん、タブレット端末用の「原寸大表示のための透明定規テープ」をぜひ製品化してください! 最低限、船田氏とワタクシが2~3個ずつくらいは買いますので!

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。