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スマホからも使える最強ラベルプリンター!

ブラザー「PT-P900W」

スマホからも使える最強ラベルプリンター!

 ラベルプリンター野郎のワタクシは、やっぱり結局スコッと買っちゃいました、8月に発売されたブラザーのラベルプリンター「PT-P900W」(公式製品情報ページはコチラ)。プラスチックのシール式ラベルに文字や図形が入れて印刷できるプリンターですな。実勢価格は2万7000円前後。高っ! 問題ありません。ラベルプリンターはワタクシのヒトツの大きな趣味だからです。

ブラザーのラベルプリンター「PT-P900W」。PCやスマートフォンからラベルを印刷できるラベルプリンターで、Wi-Fi対応。専用の高耐久ラミネートテープ(TZeテープおよびHGeテープに対応)でラベルを作れます。

 コレ、ブラザーの業務用系のハイエンドラベルプリンターです。ワタクシ、このレンジのラベルプリンターをずっと追いかけていて、以前の機種も購入してきました。ナゼかと言うと、単純なラベルから凝ったラベルまでほとんど何でも作れるし、ラベル幅も最大のものが使えるし、印刷も高速。また、この系統の機種には専用のラミネートテープが使われていて、耐久性がすんごく高くてハードに使っても印字が劣化しにくくてタマラネエぜ! 的な理由から追いかけ続けています。

 話が少し逸れますが、ブラザーのラベルプリンター用テープ(現行品はTZeテープやHGeテープ)は、そのほとんどがラミネートタイプで、熱転写の文字などが透明テープで保護されています。ですが、一部の特殊なテープはラミネートされていません。ラミネートテープ購入時は「ラミネート」や「LAMINATED」の表示があることをご確認ください。

 さて話を戻しまして……私見ですが、現在個人が購入できるラベルプリンターとしては、たぶん「PT-P900W」(およびその上位機種である「PT-P950NW」)が「最強」製品だと思われます。実際に使ってみても、従来機種や同系統機種と比べても、機能・性能ともたいへん満足できます。

 なお、直近のワタクシ的ラベルライター関連記事は以下のとおりです。ご興味あらばご一読を。

・「あら良さゲ!! Wi-Fi対応ラベルプリンターピータッチ PT-P750W」
http://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/column/stapa/661920.html
・「凝ったラベルをPCから作れるピータッチ9700PC」
http://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/column/stapa/357639.html
・「Androidにつながる無線ラベルプリンター」
http://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/column/stapa/539329.html

 ちなみに上の2つの記事は、今回紹介する「PT-P900W」と同系統のラミネートテープを使うラベルプリンターです。最後の「Androidにつながる~」は、専用感熱ロール紙を使う若干毛色の違うプリンターですな。ともあれ以降、最新ハイエンドラベルプリンター「PT-P900W」の機能や使用感などについて書いてみたいと思います。

PT-P900Wってどんなラベルプリンター?

 まずはPT-P900Wの概要から。前述のとおり実勢価格が2万7000円前後する業務用寄りのラベルプリンターで、Windows/MacOS/Android/iOSに対応し、インターフェイスはUSB 2.0およびWi-Fiが使えます。PCからはUSB接続でもWi-Fi接続でも使えて、Android/iOSからはWi-Fi接続で使うわけですな。

 プリンターとしては熱転写方式で、ベースフィルムに転写した文字などが透明テープでラミネートされて出てきますので、高い耐久性があります。印刷解像度は標準で360×360dpi、印字速度は標準で60mm/秒。ラベルプリンターとしては高速で高解像度な部類です。

 本体サイズは約横118×縦146×奥行き192mmで、質量は約1480g。デカいです。

 なお、ラベル作成は専用のプリントソフトが用意されています。WindowsやMacでは「P-touch Editor 5.1」(公式製品情報ページはコチラ)、Android/iOS端末では「Brother iPrint&Label」アプリを使います。どれも無料です。

本体前面にはラベル排出口と操作ボタン類が、背面には電源コネクタやシリアルポート、USBポートが並びます。本体上面右端にあるボタンを押すと、上部がカバッと開いてテープ交換ができます。
対応テープは、TZeテープで3.5~36mm、HGeテープで9~36mmです。濃淡があるグラフィックもそこそこキレイにプリントできます。型番に「e」の付かない旧テープは使えません(本体にセットできません)。
それぞれの写真にある2つのラベルは、左が新機種PT-P900Wでプリントしたもの、右が従来機種PT-9700PCでプリントしたものです。新機種PT-P900Wでは印字幅が約5mm広がり、幅36mmのテープを使った場合は幅32mmまで印字できるようになりました。テープ幅ギリギリまでプリントできるというイメージですな。QRコードはラミネートテープの説明テキストです。
左はMacOS版の「P-touch Editor 5.1」。非常に高機能な専用プリントアプリです。右はiOS版の「Brother iPrint&Label」アプリ。Wi-Fi経由で手軽にラベルを作成できます。

 PT-P900Wの使用感ですが、カセット交換の容易さ、ボタン操作のシンプルさは従来機種どおり。オプションとして「充電池ホルダー PA-BB-002」と「Li-ion充電池 PA-BT-4000LI」があり、これらを使えば電源内蔵となり、ACアダプタ位置に縛られることなく使えます。

オプションの「充電池ホルダー PA-BB-002」と「Li-ion充電池 PA-BT-4000LI」。セットすると4cmほど背が高くなりますが、コードレスで使えるようになります。

 ラベルプリンターが趣味なので、当然これらオプションも購入して使用中。ACアダプタ不要で使えるようになって快適です♪ とりわけ、スマートフォンやタブレットからのプリントはWi-Fi経由ですので、内蔵バッテリー駆動となって本体の置き場所も自由になることは、実質的に「高性能を場所を問わず発揮させられて痛快!」という感じです。

 ただ、これらオプションの実勢価格は「Li-ion充電池 PA-BT-4000LI」が1万円前後、「充電池ホルダー PA-BB-002」が6000円前後して、合計1万6000円前後。本体の実勢価格が2万7000円前後。合計4万3000円前後で、ラベルをプリントするだけの装置なのに……な~んか高~い!

 と思いがちですけど、ラベルプリンターが趣味ですし、このPT-P900Wの実用性がさらに高まりますので問題ありません。問題ありません。問題ありません。自分を納得させるためにも3回書いてみました。

 いや、でもWi-Fi対応のラベルプリンター、ホント便利ですヨ♪ ハイエンドのPT-P900Wを無理にオススメはしませんが、同系列の普及機「ピータッチ PT-P750W」(公式製品情報ページはコチラ)だとWi-Fi対応で実勢価格は1万1000円前後です。単3形電池×6本でも使えますので、Wi-Fi&コードレス運用が可能。オプションの「Li-ion充電池 BA-E001」(実勢価格3000円前後)を追加してもコードレスで使えます。なお、このPT-P750Wについてのレビューはコチラに書きました。

アプリの使用感は?

 PT-P900Wは、余計な部分がないほぼ純粋なプリンターですので、プリント時はほとんど本体を操作することはありません。ので、PT-P900Wの使用感はアプリの使用感とほぼイコールだと言えましょう。というわけで、主要アプリの使用感について少々。

 まずはPC用の「P-touch Editor 5.1」(公式製品情報ページはコチラ)から。ラベル内容を作成してプリントできるアプリですが、ヒッジョーに高機能。「ラベル印刷に関してなら何でもデキる」と言っても過言でないように思います。高機能なぶん、「そこまでデキなくても……もっとシンプルでいいのに」的な煩雑さはあります。ただ、難しいわけではなく、たとえばMicrosoft Wordなどのワープロソフトの基本的な機能を使えるなら、この「P-touch Editor 5.1」アプリも使いこなせると思います。

 ほか、Snapモードを使えばPC画面に表示しているテキストやグラフィックを数ステップでラベル化してプリントすることもできます。小さなテキスト入力ボックスに文字を入れる程度でラベル化することもできます。高機能な「P-touch Editor 5.1」ですが、手っ取り早く使うモードも備えているというわけです。

Mac版「P-touch Editor 5.1」の表示例。ワープロソフト感覚でラベルをデザインしていけます。業務用の高度な自動ラベル作成機能も搭載しています。テンプレートも大量に搭載していて、もちろん各種飾り枠も使えます。
シンプルなグラフィックも大量に用意されています。絵柄がやや古い感じではありますが、顔のモンタージュ機能もあります。
上で作成したラベルを36mmのラベルにプリントしました。ディテイルを見てみると、細部も比較的にクッキリ。ラベルとしては十二分なクオリティだと感じられます。
Snapモードは「P-touch Editor 5.1」の機能を敢えて抑えた「お手軽ラベル作成モード」的な機能です。Snapモードにすると小さなテキストボックスが表示され、そこに画像をドロップしたりテキストを書き込んだりする程度でラベルを作れます。

 それから、Android/iOS端末で使う「Brother iPrint&Label」アプリ。Android版はコチラに、iOS版はコチラにあります。

 このアプリ、前述のPC用アプリ「P-touch Editor 5.1」のように高機能ではありません。ので、あまり凝ったラベルは作れません。一方で必要最小限の手間でラベルを作れるような使用感ですので、シンプルに使いこなせると思います。「今すぐ、ちょっと作れない?」に即対応するような使い勝手。細かな部分までこだわってラベル作りをするなら「P-touch Editor 5.1」を、最小限の手間ですぐラベルを使いたいなら「Brother iPrint&Label」をと、使い分ける感じでしょうか。

iOS版「Brother iPrint&Label」アプリの表示例。基本的にはテンプレートを選んで、そこにテキストなどを入力する感じでラベルと作っていきます。テンプレートによっては、写真などグラフィック+複数のテキストという、ちょっと凝ったラベルも作成可能。
アプリは横表示にも対応しています。
オフィスで多用するようなテンプレートは一通り揃っています。バーコードやQRコードも作れます。
QRコードを作成してみました(リンク先は本連載バックナンバーURLです)。端末内の写真をラベル化(というか白黒シール化)することもできます。
印刷結果を見ると、写真の階調もまあまあ出ている感じです。

 スマートフォンやタブレットで使った場合、PT-P900WとはWi-Fi接続となります。Wi-Fiプリント対応プリンターと同様の感覚で使えるわけですが、慣れた入力環境でラベルを作成でき、しかも無線で手軽に、というあたりはやはり快適です。「Brother iPrint&Label」アプリでは凝ったことはできないんですが、ラベルライター専用機(単体で使えるキーボード付きの製品など)と比べるとわりと自由度が高く、迷わず使えるようにも感じました。

 なお、PT-P900Wと各端末の接続ですが、全体的にスムーズです。PCとPT-P900WはUSBもしくはWi-Fiで接続できますが、接続の切り替えはPC用ソフトで接続先を選ぶだけです。スマートフォンなどの場合、やはり出力先としてPT-P900Wを選ぶだけです。また、PT-P900W以外のブラザー製ラベルプリンターを併用している場合も、各アプリから出力先を選ぶだけ。ラベルプリンター本体の操作は特に必要なく、手軽に使えるという印象です。

自由に使える高耐久ラベル

 最後に、若干余談ですが、ワタクシのラベル活用法などを少々。前述のとおり、ブラザーのプラスチックラベルは表面が透明フィルムでラミネートされているので、非常に高い耐久性を備えています。また、PT-P900Wなどのラベルプリンターは高解像度。情報をたっぷり盛り込んだラベルを、わりと過酷な環境下で使うことができるわけですな。とりわけ、ラベルの耐久性から、ブラザー製ラベルプリンター/ラベルライターを好んで使っております。

左写真はPT-P750WとPT-P900W。どちらもWi-Fi対応のラベルプリンターです。右写真はT-P900Wの前の機種にあたるPT-9700PCと、ラベルライターのピータッチ2730。

 なお、機種ごとに対応テープが少々違うので購入時などは注意が必要です。具体的には、PT-P900WがTZe/HGeテープに対応、PT-P750WがTZeテープに対応、PT-9700PCがTZe/HGe/TZ/HGテープに対応、ピータッチ2730がTZe/TZテープに対応しています。

 で、何に注意すべきかと言うと、旧来のTZ/HGテープのストックを持っていても、それらは新型のラベルライターなどでは使えないケースがあることです。古いテープを新型ラベルライターなどで使おうとすると「テープのカセットが入らない~!」という問題が出ることがあります。

 テープに関する公式製品情報ページはコチラですが、TZ/HGテープは生産完了で、今後はTZe/HGeテープに統一されるようです。最近のブラザー製ラベルプリンター/ラベルライターには古いTZ/HGテープを物理的にセットできないのは、テープの世代交代が関係している感じですな。なお、新しいTZe/HGeテープは古いブラザー製ラベルプリンターにもセットできます。

 さておき、ワタクシがどんな感じでラベルを使っているのか? 以下に少々、写真でご紹介します。

多用しているのが、ACアダプタやケーブルの種別明示です。ACアダプタってどんどん増えますが、ラベルで「どの機種用」を明示しておけば混乱することなく使えます。ケーブルの種別も同様、ラベルで明示しておけば迷わず使えます。
たま~に発生する郵便物の宛名にラベルを使ったりも。長い宛名でも、メールで送られてきたシグネチャからコピペすればラクに使えますな。耐久性のあるラベルなので、緊急連絡先などをプリントして使ったりもします。たとえばヘルメットの裏や携帯端末などに緊急連絡先ラベルを貼っておくと、イザというときに命拾いをするかもしれません。そういったラベルを薄いプラスチックシートに貼ったりして財布に忍ばせれば、いろいろな文字情報をコンパクトに携帯できたりもします。
お遊びにも多用。オリジナルのモノクロステッカーを作成して楽しんだりしています。

 といった感じで使っております。半分は実用ですが、やはり半分は趣味ですな。今後も、実用としても趣味としても、ラベルプリンターやラベルライターの類を追いかけていきたいと思います♪

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。