スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

気になるアクティブスタイラスペン×2本

JTT「Re:Pen Air」、プリンストン「アクティブスタイラスペン PSA-TPA2」

気になるアクティブスタイラスペン×2本

 iPad Proシリーズで「Apple Pencil」を常用しているワタクシ。画面に書いたり描いたりできる筆圧対応デジタルペンですが、メモ書きや手書き文字入力にも超便利です♪

 しかし残念なことに、iPhoneではApple Pencilが使えません。ですので、iPhoneでは「アクティブスタイラスペン」を常用中……なんですけど、おろっ!? 充電しようとUSBケーブルを挿したらボロッとペンが分解! 元に戻せるかナ~? とイジっていたら細かい部品がボロボロ落ちて大分解!

 余談ですが、壊れたのはJTTの「Re:Pen」(公式製品情報ページはコチラ)。ペン後方端に充電用USB端子があるんですが、そこにUSBコネクタを押し込んだら、ペンの胴体部とペン先+内部回路が分離しちゃいました。USBコネクタを強く押し込み過ぎたのかもしれません。慎重に行えば元に戻せたかもしれませんが、非常に細かい接点やバネなどの部品が分離し、元に戻せる自信はありませんでした。

 そんなわけで、気になっていたアクティブスタイラスペンを2本購入してみました。モノは、JTTの「Re:Pen Air」(公式製品情報ページはコチラ)と、プリンストンの「アクティブスタイラスペン PSA-TPA2シリーズ」(公式製品情報ページはコチラ)です。

左がJTTの「Re:Pen Air」で、メーカー直販価格は税込3980円。右がプリンストンの「アクティブスタイラスペン PSA-TPA2シリーズ」で、メーカー直販価格は4980円です。どちらも自ら静電気を発生するタイプのスタイラスペンです。

 どちらも「アクティブ」タイプのスタイラスペンです。スマートフォンやタブレットなど端末の画面をタッチするためのペンですな。

 ちなみに、タッチ対応端末の画面は大分して2種類あります。「感圧式」と「静電容量式」です。感圧式は、押した圧力に反応するタイプなので、指先でも単なる棒でも「画面に圧を与えられれば」何でも操作できます。最近はあまり見かけなくなりました。

 一方、静電容量式は指先などの静電気に反応するタイプで、スマートフォンなどに採用されています。静電気を通過させる電導性の素材で作られたペンや手袋などで操作できるほか、ある程度太い金属の棒などでも操作できます(画面へのダメージが心配ですが)。

 また、静電容量式の場合、自ら静電気を発するタイプのスタイラスペンでも操作できます。このタイプのスタイラスペンの場合、操作に対する反応が良好であることが多く、またペン先が細い製品が多いので、前述のペンより細かな操作ができることが多いです。なお、本記事ではこのタイプのスタイラスペンを「アクティブスタイラスペン」と表記しています。

 って細かいコト書きましたが、好きなんですよね~、アクティブスタイラスペン。正確なポイントを狙ってタッチするとなると、Apple Pencilなどのデジタルペンにはかなわないんですが、静電容量式タッチパネルの多くに使えるし、軽い力でスラスラ書けたりもするし、使ってみるとかなり便利。てなわけで以降、購入した2本のアクティブスタイラスペンについて書いてみたいと思います。

単4電池で使える「アクティブスタイラスペン PSA-TPA2シリーズ」

 まずはプリンストンの「アクティブスタイラスペン PSA-TPA2シリーズ」(公式製品情報ページはコチラ)。直径約12mm・長さ141mmのペンで、電池を含む質量は約27gです。3色ボールペン程度の太さで、ボールペンと比べると若干重いという感じ。ただ、書いていて「重いなあ」と感じるほどではありません。

 ペン先は直径2mmと細く、画面に書くと「コッコッ」と音がする硬めのタイプ。ペン先は約3mm程度伸縮し、これにより画面へのタッチ感度を高められるとのこと。画面保護フィルムなどを装着している場合でも使用できる可能性が高まると思いますが、ワタクシはフィルム類を使っていないので試せませんでした。

 なお、電源は単4形電池×1本。アルカリ電池でもエネループなどのニッケル水素電池でも使えます。電池室は、ペン後方のキャップをねじって開くことでアクセスできます。

プリンストンの「アクティブスタイラスペン PSA-TPA2シリーズ」。サラサラした手触りの金属製アクティブスタイラスペンです。一般的な3色ボールペンを少し重くしたような感じ。クリップはありません。
ペンとしては短くも長くもない感じ。中央に見える四角い部分が電源ボタンで、ここを軽く押せば電源オン(白色LED点灯)、もう一度押せば電源オフです。
ペン先は回転させることで3mmほど伸びます。これにより液晶保護フィルムを貼った端末でも感度を発揮できるとのこと。
ペン後方に電池室があり、ねじ式キャップを外して電池交換可能。電池は単4形のアルカリ電池もしくはニッケル水素電池が使えます。キャップ部分には直径3mmほどの穴が開いています。
この穴にヒモを通して首掛けにしたり、ホルダーを装着して落下防止としたり、イロイロと利用できそうです。……でも、クリップも付いていて欲しかった気が。
シルバー/ブラックのアクティブスタイラスペンはJTTの「ルネサンスプロ」(公式製品情報ページはコチラ)で、これも単4電池式でペン後部のキャップをねじって外すと電池交換できます。別メーカーですが、試しに、「ルネサンスプロ」と「アクティブスタイラスペン PSA-TPA2シリーズ」のキャップ部を交換してみたら……あらピッタリ。クリップ付きになりました。電源も入りました。ただしメーカー保証外の使い方ですので、トライする方は自己責任で。

 iPadやiPhoneで使ってみましたが、感度良好でトラブルも特にありません。前述のとおりペン先が硬いタイプなので、書くときに若干ウルサめのコツコツという音がします。タップを多用するゲームなどをプレイすると、画面への衝撃が少し心配になったりも。でもまあ、十分な感度のアクティブスタイラスペンなので、静かにタップするようにすればペン先が硬いことからくる違和感を抑えることはできます。

 個人的には単4電池式という点が気に入っています。充電式ならモバイルバッテリーなどから容易に充電できますが、単4電池は入手性も高く、電池式なら電池交換一発で電池残量がフルになるスッキリ感は大きいです。エネループなどのニッケル水素電池でも作動しますので、そういった充電式の単4電池で使うと経済的です。

 ただ、携帯時の扱い方によっては、本体中央にある電源ボタンを不意に押してしまうことも。軽く一押ししただけで電源オンオフができるボタンなので、気を付けていないとムダに電池を消耗させてしまったりも。とは言っても、3分間操作しないとオートオフになりますので、「知らない間に電池切れ!」ということはないでしょう。

 もうひとつ、この「アクティブスタイラスペン PSA-TPA2シリーズ」にしろ、ちょっと前出した「ルネサンスプロ」にしろ、電源ボタンの点灯が明るすぎるという違和感があります。視線の近くにその点灯があるので、気になるし若干煩わしい感じ。スイッチを見えない位置に向ければいいんですが……「なんで電源スイッチが誤押下しやすい位置にあり、しかも点灯が明るすぎる仕様なんだろう」と疑問に思います。

細身で軽量! 軽快に使える「Re:Pen Air」

 続いて、JTTの「Re:Pen Air」(公式製品情報ページはコチラ)。軽くて細く、鉛筆などに近い握り心地です。アクティブスタイラスペン全体から見ても握り心地がヒッジョーに軽やか♪ というイメージ。

 ペン先は約2.6mmで、やや太めに見えますが、画面の見やすさをジャマするほどではありません。また、ペン先は硬質ですが、画面への「アタリ」が強くなく、「コツコツ」とは音がするものの静かめ柔らかめの音です。

 電源は内蔵リチウムイオンバッテリーで、USB充電して使います。約2時間で満充電となり、満充電から約8~10時間使えます。充電用USBポートはペン後方側面にあります。

JTTの「Re:Pen Air」。銀色の部分はアルミです。鉛筆などとよく似た細さと軽さです。
持った感じも鉛筆やシャープペンシルなどとよく似ています。細さと軽さから手に良く馴染みます。クリップ上の白いボタンが電源ボタンで、長押しで電源をオンオフします。その横にあるのが充電用USBポート。
ペン先は少し太め。グリップ部にはダイヤモンド型カットが施されていて、滑りにくい感触です。電源オンの状態ではペン先近くの青色LEDが点灯します。LEDは奥まった位置にあるのでさほど眩しくありません。

 コレもiPadやiPhoneで使ってみましたが、使い心地的にはワタクシの好みかも、です。前述のとおり、ペン先の画面へのアタリがややソフトで、コツコツとは音がするんですがソレが静かめでイイ感じ。ペン先は少し抵抗のある素材で、画面上をツルツル滑り過ぎないのも使いやすく感じました。感度もバッチリ。気分良く書いたり描いたりできます。

 USB充電式ですが、USBポートが本体横にあるのもイイですな。見栄えはよくありませんが、USBケーブル挿抜時に十分な力を加えても問題なさげ。ホントは電池式のほうが好きではありますが、このペンの軽さ細さは「まあコレなら充電式でも妥協しよう」という気にさせます。

 しっかしまあ、アクティブスタイラスペンにしてはホントに細くて軽いですな~。持った感じも好印象。「鉛筆などに近い筆記具としての使いやすさがある」という点で、アクティブスタイラスペンとしてはちょっと希な存在かもしれません。

 一点だけ違和感を言えば、ボタンの3秒長押しで電源をオンオフすることころ。すぐ使いたいときに、3秒は若干長く感じます。誤操作防止にはいいと思いますが、ボールペンのようにノック式のスイッチにするとか、あるいはスライドスイッチにするとかして、この小さな煩わしさを解消してもらえるとイイなあ、と。

アクティブスタイラスペン全体について

 最後に全体的な話を少々。まず、静電容量式タッチパネルにおけるアクティブスタイラスペンのメリットですが、多くの観点で「電源不要のスタイラスペンより快適」ということですな。

 使い比べてみるとわかりますが、「電源不要のスタイラスペン」の場合、ペン先が太くて細かい線を書きにくかったり、画面を覆う範囲が広めで見づらかったり、画面に対してある程度強く押し当てないと線が途切れたりしがちです。これらの使いにくさは、アクティブスタイラスペンではほとんど感じられません。ソフトウェアキーボードの打鍵、手書き文字の入力、簡単なイラストの描画など、アクティブスタイラスペンはいろいろな用途によくマッチします。まあ、充電など電源が必要という難点(!?)はありますが。

 ただ、細かいコトを言えば、Apple Pencilのようなデジタルペンほどは使いやすくありません。筆圧には非対応ですし、アクティブスタイラスペン使用時は手のひらなどが画面に当たらないようにして使う必要があります。ので、ある程度以上高度なドローイングやペインティングには不向きです。

 また、アクティブスタイラスペンは汎用品なので、端末との相性もあります。1本のアクティブスタイラスペンが全ての静電容量式パネル搭載スマートフォン/タブレットで使えるわけではありません。実際「このアクティブスタイラスペン、iPhone 6s Plusだと調子良く使えるけど、Androidのこの端末だと反応が鈍い」ということがあったりもします。

 また、アプリによっては「描いた線が途切れる」とか「描いたとおりに描かれない」ということも。アプリ側の線の処理のしかたによって違和感や不都合が出たりもします。端末の処理速度が遅いなどの理由で、意図した線が描かれないこともありますな。

 なので、アクティブスタイラスペンを実際に購入する場合、使用予定端末と購入予定ペンを組み合わせて試用してみるのが無難ですな。もしくは、相性関連の情報をシッカリ集めてから買う、みたいな。

 あと、スタイラスペン全体について、体験から思うことですが、アタリハズレがかな~り多いんじゃないかな、と。前述の相性問題はアクティブスタイラスペンに少々起きがちなことですが、「静電容量パネル対応の電源不用スタイラスペン」の場合は「ほとんど書けない」「点線みたいなのしか書けない」みたいな製品もありました。有名店舗の店頭に並んでいても、そういう残念な製品があったりします。

左は現在使用中のスタイラスペン。アクティブスタイラスペンを多用しています。右はこれまで買ったうちで「フツーに使えるスタイラスペン」各種です。感圧式パネル用のスタイラスペンを除くと15本程度あります。「ツカエない!」から「カッとなって捨てた」スタイラスペンも15本くらいありました。個人的な印象ですが、アタリハズレが凄~く多い製品ジャンルだと思います。

 ……想像するに、このジャンルの製品って、商社のような企業が、怪しいメーカーから安く仕入れてきて、バッと一気に市場に流して、サポートもおざなりだけど激安だから消費者側は泣き寝入り的な、なんかそーゆー状況なのかな、とか。単なる想像ですが。でも何本も何本も何本も何本もスタイラスペンを買って何本も何本もハズレを引いてきた身からすると、ついついそういう想像をしてしまいます。

 ハズレない自信があるならネット通販でサクッと買うのがお手軽ですが、そうでない場合は、やっぱり実際に手に取って試してからのほうが無難ですな。良い製品に当たるととても役立つ静電容量式タッチパネル向けスタイラスペンですので、製品選びはちょいと慎重になさってください。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。