法林岳之の「週刊モバイルCATCH UP」

スマートフォンの新たな拡がりが見えたIFA 2013

9月4日から11日まで、ドイツ・ベルリンの「MESSE BERLIN」で開催された欧州最大のコンシューマ家電展示会「IFA 2013」

 9月4日~11日にかけて、ドイツ・ベルリンで開催されていた欧州最大の家電展示会「IFA 2013」。1月に米国で開催される「CES」、2月にスペインで開催される「MWC」と並び、モバイル業界にとっては非常に気になるイベントの一つだ。今年もソニーとサムスンが日本市場にも展開する予定の新製品を発表するなど、注目度の高いイベントだった。本誌ではすでに速報レポートが掲載されているが、ここではIFA 2013全体を通して見えてきたスマートフォンの新しい拡がりについて、考えてみよう。

完成度を高めたスマートフォン

 国内の市場だけを見ていると、今一つピンと来ない話だが、国と地域によって、通信事情が異なるものだ。モバイルの世界で言えば、米国のビジネスマンにはBlackBerryが圧倒的に支持され、欧州ではハイエンドからエントリーまで、ノキアが絶大なブランド力を持っていた。この強力な市場構造は「永遠に変わらないのでは?」と思われていたのに、わずか数年で、あっさり覆ってしまった。その原動力は言うまでもなく、iPhoneやAndroidプラットフォームによるスマートフォンの存在だ。国内市場では主要メーカーがスマートフォン開発からの撤退や計画見直しが伝えられたり、グローバル市場でも“巨人”ノキアがついに米マイクロソフトに買収され、米BlackBerry(旧Research In Motion)の身売りが報じられるなど、業界全体で「激動」と呼べる時代を迎えつつある。

 しかし、そんな強力なパワーを持つスマートフォンも一つの転換期を迎えていると言われている。最も幅広い製品群に採用されるAndroidプラットフォームは、Android 4.xで一定の完成期を迎え、CPUなどのハードウェアスペックも昨年末のモデルあたりから進化が落ち着きつつある。もちろん、これからもスペックは徐々に向上していくのだろうが、わずか半年の違いで快適性に大きな違いが生まれてしまうようなケースは少なくなる傾向にある。

 その一方で、スマートフォンが一定の完成期を迎えつつあることもあり、今年は新しい方向性の模索が何度も見られている。今年1月に米国・ラスベガスで開催された2013 International CESではスマートフォンがテレビなどの家電製品と「つながる」ことがテーマに掲げられたり、今年2月にスペイン・バルセロナで開催されたMobile World Congress 2013では「Firefox OS」や「Tizen」への取り組みが明らかになり、新しいプラットフォームへの期待が示された。

 そして、舞台は欧州へ移り、9月4日~11日、ドイツ・ベルリンでは「IFA 2013」が開催された。『世界最大のエレクトロニクスショー』と銘打たれたIFAだが、1924年に「第1回大ドイツ放送展」を始まりにしており、テレビやラジオなどの放送関連製品からコンシューマーエレクトロニクスに拡大してきた経緯を持つ。近年では1月のCES、2月のMWCと並び、モバイル関連でも非常に重要な展示会となりつつある。国内市場にも関わりが深いところでは、サムスンが昨年と一昨年、「GALAXY Note」と「GALAXY Note II」を相次いで発表し、ソニーも昨年冬商戦の主力モデル「Xperia AX」(NTTドコモ)のベースモデルとなった「Xperia T」や「Xperia V」を発表するなど、かなり力を入れている。今回のIFA 2013については、すでに石野純也氏による速報レポートが掲載されているので、詳しくはそちらを参照していただきたいが、ここでは各社の発表の様子や製品のインプレッションなどを交えながら、IFA 2013から見えてきた方向性について、解説しよう。

最強のフラッグシップモデル「Xperia Z1」

ソニーはフラッグシップモデル「Xperia Z1」を発表。日本での発売も予定。

 国内外の市場において、さまざまなメーカーがスマートフォンを手掛けているが、最近、一段と存在感を増してきているのがソニー&ソニーモバイルだ。2011年11月にソニー・エリクソンの株式の持ち分を買い取り、2012年からソニーモバイルとしてのスタートを切ったが、昨年まではソニー・エリクソン時代の製品を継承した製品が発表されていた。今年に入ってからは、1月発表の「Xperia Z」をはじめ、新しいデザインセンスによる製品群をラインアップし、着実に市場での評価を高めている。国内市場においてもNTTドコモの春モデル「Xperia Z」に続き、夏モデルの「Xperia A」が過去最高のヒットを記録するなど、たいへんな好調ぶりだ。こうしたソニーの躍進の背景にあるのは、「One Sony」を合い言葉に、ソニーグループの総力を結集する形で、製品が開発されてきていることが挙げられる。

 今回、ソニーはIFA 2013開催に合わせ、プレスカンファレンスを開き、新たなフラッグシップモデルとして、「Xperia Z1」を発表した。詳しいスペックなどは速報レポートに譲るが、ボディサイズはXperia Zよりもわずかに大きいものの、CPUに最新のSnapdragon 800/2.2GHzを採用し、カメラは2070万画素の「Exmor RS for mobile」センサー、F値2.0の「Gレンズ」、Cyber-shotなどでおなじみの画像処理エンジン「BIONZ for mobile」を組み合わせるなど、まさにソニーを体現するスマートフォンとして仕上げられている。

 現地で実機を試すことができたが、「オムニバランスデザイン」と呼ばれるXperia Zから継承された美しいデザインは、ボディの角をさらに丸めることで、かなり持ちやすくなった印象だ。ソニーモバイルコミュニケーションズのシニアバイスプレジデント UXデザイン・企画部門 部門長 田嶋知一氏はIFA 2013で行われたグループインタビューの中で、Xperia Z及びXperia Z1のコンセプトとして、情報を見るための一枚の板のようなデザインに仕上げ、ガラス(ディスプレイ)の向こうに世界が拡がっているように感じさせることを考えたと話している。ドイツ滞在中の短い期間だったが、自分のアカウントを設定し、メールを見たり、地図を確認したり、スケジュールをチェックしていると、その操作感だけでなく、手に持ったときのサイズ感や軽さ、ディスプレイの見やすさなどが非常にバランス良くまとめられていると感じられた。よくSF映画などで、クリアな板状の情報端末を使うシーンが描かれているが、あのイメージに近づけようと、作り込まれた端末と言えるのかもしれない。

 Xperia Z1にはいろいろな機能が搭載されているが、個人的に非常に可能性を感じたのがカメラまわりの機能だ。たとえば、カメラ機能の一つである「Info-eye」では、ワインのラベルや書籍の表紙を撮影すると、その被写体に関する情報をインターネット上から検索して表示することができる。ラベルや表紙以外に、ドイツ・ベルリンで言えば、ブランデンブルク門のような名所を撮影すると、その場所についての情報を知ることも可能だ。この他にも「AR Effect」を使い、ARによって描かれたグラフィックなどを一緒に写し込んだ撮影ができるなど、単純に美しく撮るだけでなく、カメラ機能を楽しく、便利に活用できるようにしている。

レンズスタイルカメラ「QX-10」と「QX-100」を発表。日本向けモデルは10月25日発売

 そして、このXperia Z1とも組み合わせられるものとして、Cyber-shotブランドのQX-10とQX-100も一緒に発表された。形状を見るとわかるが、要するにデジタルカメラからディスプレイやファインダーを取り去ったもので、スマートフォンとWi-Fiで接続することで、スマートフォンのディスプレイをファインダーとして利用し、撮影ができる。

 Xperia Z1に代表されるように、ケータイやスマートフォンに搭載されるカメラは、コンパクトデジタルカメラに匹敵するほどのハイスペックになり、スマートフォン時代に入ってからはFacebookやTwitterをはじめとしたSNSへの投稿なども増えたことで、今まで以上に使用頻度が高くなっている。ただ、スマートフォンのカメラ性能が高くなったとは言ってもレンズやセンサーサイズなどを考慮すると、デジタルカメラと同等になるわけではない。たとえば、遠めの被写体を撮るときはスマートフォンの場合、基本的にはデジタルズームを使うため、画質が粗くなってしまう。そこで、いざというときにスマートフォンと組み合わせて利用できるレンズスタイルカメラの「QX-10」「QX-100」が考えられたわけだ。

QX-10を装着したXperia Z1を手にするソニー代表執行役兼CEOの平井一夫氏

 実際の利用そのものは非常に簡単で、Xperia Z1の場合、NFCを利用したワンタッチ操作で起動と接続ができ、すぐに撮影ができる。ただし、接続にWi-Fiを利用するため、展示会のタッチ&トライコーナーのように、Wi-Fiの電波が数多く飛ぶところでは、接続に時間がかかったり、ズーム操作のレスポンスが遅くなることがある。QX-10/QX-100の撮影に利用するアプリ「PlayMemories Mobile」は、Google Playで公開されており、Wi-Fiでの接続になるため、Xperia Z1だけでなく、他のAndroidスマートフォンでも利用できる。APIも公開されているため、今後、アプリが開発されれば、iPhoneなどの他の機器との接続も十分に考えられるという。

 また、同製品との物理的な接続については、QX-10/QX-100に装着し、スマートフォンを挟み込むように接続するアダプタのほかに、Xperia Z1用の背面カバーなどもラインアップされており、デジタルカメラ的なスタイルで撮影することができる。本体底面には三脚などを装着できるネジ穴もあり、アイデア次第では楽しい使い方ができそうだ。

 ソニーとして、Xperia Z1のカメラ機能の強化に加え、QX-10/QX-100というスマートフォンに密接に関わる商品を提案してきた背景には、やはり、普及価格帯のコンパクトデジタルカメラの市場がスマートフォン普及の影響をもろに受け、横ばい、もしくは縮小する傾向にあることが挙げられる。ソニー代表執行役社長兼CEOの平井一夫氏は、IFA 2013会期中に行なわれたグループインタビューの席で、「ユーザーの撮影デバイスがコンパクトデジタルカメラからスマートフォンに移行するとき、他社のスマートフォンに流れるのではなく、ソニーのDNAを持つスマートフォンに移行して欲しいという考えに基づいて、今回の製品ラインアップが企画された」と話している。このあたりはやはり、自社でカメラを手掛けるソニーならではの強みであり、今後の展開も非常に楽しみなところだ。

Xperia Z1のボディサイズはXperia Zよりもわずかに大きいが、手に持った印象は非常に軽く、手になじむ印象
ワインのラベルを撮影して、文字認識をしたうえで、ネット上の情報を検索できる「INfo-eye」。国内でもぜひ使ってみたい機能の一つだ

クリエイティブな個性が光る「GALAXY Note3」&「GALAXY GEAR」

サムスンはGALAXY Noteの最新モデル「GALAXY Note3」を発表

 現在、世界のスマートフォン市場において、iPhoneを扱うAppleと激しい競争をくり広げているサムスン。一昨年のGALAXY Note、昨年のGALAXY Note IIに続き、IFA 2013では「GALAXY Note3」を発表した。

 GALAXY Noteシリーズは、スマートフォンにペン操作を組み込み、ペンに備えられたボタンをON/OFFなどを組み合わせることで、今までのスマートフォンにはない楽しみ方ができる機種として、国内でも着実に人気を得ているモデルだ。なかでも絵を描くなどのクリエイティブな楽しみ方を求めるユーザーには人気が高い。サムスン製スマートフォンとしては、フラッグシップのGALAXY Sシリーズがすぐに思い浮かべられるが、実は他社にない個性を持つGALAXY Noteシリーズの方が「サムスンらしいモデル」と評価する声もある。

 今回のGALAXY Note3は5.7インチのフルHD有機ELディスプレイに、2.3GHzのクアッドコアCPU、3GBのメモリ、3200mAhの大容量バッテリーを搭載し、すでに韓国でサービスが開始されている最大150MbpsでのLTE-Advancedに対応するなど、GALAXY S4をさらに上回るハイスペックを実現している。

 GALAXY NoteシリーズでおなじみのSペンによる操作では、新たに「Air Command」と呼ばれる機能が追加された。画面に触れない状態で画面上にSペンを構え、Sペンのボタンを押すと、メニューが表示され、そこから「Action Memo」や「Screen Write」などの機能を呼び出して利用することができる。また、画面上にペンで枠を描き、そこに最近のGALAXYシリーズで採用されているミニアプリを起動して表示する「Pen Window」などの新しい機能も搭載される。ボディについては、背面パネルの周囲にステッチをあしらうなど、先進的なスマートフォンに、手書き入力のアナログ感を融合させた独特の雰囲気を持つデザインに仕上げている。

GALAXY Note3やGALAXY S4などと接続可能な腕時計型デバイス「GALAXY GEAR」も発表

 今回のGALAXY Note3発表で、もう一つ目玉となっているのが腕時計型デバイスの「GALAXY GEAR」だ。3G/LTEの通信モジュールこそ入っていないものの、Androidをベースにしたプラットフォームに、800MHzのシングルコアCPU、マルチタッチ対応ディスプレイを搭載するなど、初期のAndroidスマートフォンに近いスペックで固められたデジタルデバイスとなっている。基本的な動作としては、GALAXY Note3やGALAXY S4とBluetooth 4.0で接続し、受信したメールの内容を確認したり、通話をすることもできる。GALAXY GEARでもアプリが動作しており、LINEなどもGALAXY GEAR上で確認することができる。IFA 2013に展示されていたモデルは欧州向けモデルのため、日本語環境で試すことができなかったが、日本向けモデルが登場するときには、GALAXY GEAR上のLINEも日本語で利用できるようになる見込みだ。

 また、GALAXY GEARのバンド部分には190万画素のカメラが内蔵されており、端末上から簡単に写真を撮り、GALAXY Note3やGALAXY S4に転送することができる。ちょっとしたデジタルメモに便利な機能で、ひと昔前の『スパイグッズ』の気分を味わうことができる。気になるバッテリーの持ちだが、カタログスペックでは25時間の連続利用が可能としている。

 こうした腕時計型のデジタルツールとしては、カシオ計算機のBluetooth 4.0対応G-SHOCK、ソニーのSmartWatchなどが知られているが、それらよりももう一歩、コンピュータライクな環境に踏み込んだ仕様となっている。今回、サムスンの発表会終了後に、タッチ&トライイベントが催されたが、GALAXY GEARのコーナーもGALAXY Note3のコーナーに負けず劣らずの人気ぶりで、関係者の関心の高さをうかがわせた。

従来モデルに比べ、ボディ幅や形状、薄さなどが見直され、少し持ちやすくなった印象
背面カバーの周囲の部分にはフェイクだが、ステッチが描かれ、手帳のようなイメージを演出している
豊富なカバーをラインアップ。日本向けにはどれが供給されるのか、サイズが同じなのかはわからないが、この選択肢の豊富さは魅力的。S ViewカバーはGALAXY S4よりも窓部分が大型化している
筆者の腕に「GALAXY GEAR」を装着。展示品は内側に盗難防止用カバーがついているため、少し厚みがあるが、ディスプレイの視認性は良好

スマートフォンの次なる拡がり

 今回のIFA 2013ではこの他にもいろいろな製品が出品されていたが、全体的な傾向として見えてくるのは、やはり、スマートフォンそのもののスペック競争や開発競争は一段落し、スマートフォンを使って、何をするのかが次のキーワードになってきている印象を受けた。

 たとえば、ソニーはSNSに写真を投稿するカルチャーが全世界的にも拡がっていることを受け、単純にスマートフォンのカメラ性能を追求するだけでなく、スマートフォンと便利に組み合わせられるデジタルカメラという形で提案をした。スマートフォンとWi-Fiで接続できるコンパクトデジタルカメラは少しずつ増えているが、実際に周囲で聞いてみると、コンパクトデジタルカメラで撮った映像をスマートフォンに転送して……といった使い方をする人は非常に少なく、まだまだスマートフォンのカメラとデジタルカメラはまったく別のものと認識されている傾向が強い。だからこそ、Cyber-shot QX-10/QX-100のように、スマートフォンの周辺機器のような形でアプローチする製品は、今後の市場の反応が非常に楽しみな製品と言えるだろう。

 一方、サムスンは同社独自のSペンによるGALAXY Noteを進化させるだけでなく、GALAXY GEARというウェアラブルな周辺機器で、スマートフォンの新しい拡がりを模索しようとしている。これまでも腕時計型デバイスはいくつか登場しているが、これまでのものに比べ、機能も豊富なうえ、スマートフォンとの連動性もよく考えられているので、こちらも今後の市場の反応が非常に楽しみな製品だ。

 ウェアラブル端末については、次なる市場として期待する声が多く、iPhone 5s/iPhone 5cを発表したばかりのアップルも次は腕時計型デバイスの「iWatch」を開発しているのではないかと噂されている。スマートフォンのディスプレイが大きくなり、ポータビリティがやや下がり、ポケットやカバンの中に存在するようになれば、こうしたウェアラブル端末は当然、ニーズが高くなりそうだ。ただ、ソニー代表執行役社長兼CEOの平井氏は前述のグループインタビューの席で、「ウェアラブル端末の市場は伸びそう」としながら、「スマートフォンとタブレットのように、モバイル端末は複数のものを持ってもらえる可能性があるが、ウェアラブル端末を複数というシチュエーションはほぼなく、ユーザーの身につけてもらうという意味でも非常に不動産価値の高い商品になる」と話していた。

 つまり、腕時計型であれば、当然、ROLEXやOMEGAといった高級腕時計ブランドなどと比較されるうえ、他の身につけるものとのバランスなども影響してくるため、非常に商品として難しいジャンルであるわけだ。ソニーとしても当然、ウェアラブル端末にチャレンジしていくが、そう簡単にトップに位置付けられる商品が生まれてくるとは考えていないようだ。しかし、ソニーの方々も十分にわかっているだろうが、デジタルデバイスに対する印象の持ち方は、世代や地域の違いによって、大きな差があると言われており、ぜひとも失敗を恐れず、各社でユニークなウェアラブル端末にチャレンジしてきて欲しいところだ。

TO21のMiracast対応ディスプレイ端末「RTSP5000」。左側のスマートフォンと同じ内容が右のディスプレイ端末に表示され、ディスプレイ端末側から操作することもできる

 また、スマートフォンの周辺機器という点において、TO21というメーカーが少し変わった商品を出品してた。AndroidスマートフォンとMiracastで接続し、双方向に操作できるディスプレイ端末で、本体にはタッチパネル対応のディスプレイとバッテリーのみが内蔵されたシンプルなものとなっている。たとえば、自分が普段利用するスマートフォンとMiracastで接続すれば、ディスプレイ端末側からタッチ操作で自分のスマートフォンを使うことができ、接続を切れば、ディスプレイ端末側に何も情報を残さないという仕様となっている。これをどういうビジネスに活かすのかは、これから同社がビジネスパートナーを探していくことになるが、スマートフォン単体ですべてを実現するのではなく、スマートフォンで提供される多彩なサービスをより多くのデバイスで利用できる環境にしようというわけだ。形状はウェアラブルではないが、スマートフォンとのポジションや関係性は、GALAXY GEARなどと非常によく似ている。

 今後、IFA 2013で発表、出品された製品の数々は、順次、国内市場でも発表される見込みで、その多くは各社の秋冬モデルのラインアップにも加わってくるはずだ。今後の各社の発表や動向に注目していきたい。

法林岳之

1963年神奈川県出身。携帯電話をはじめ、パソコン関連の解説記事や製品試用レポートなどを執筆。「できるWindows 8.1」「できるポケット docomo AQUOS PHONE ZETA SH-06E スマートに使いこなす基本&活用ワザ 150」「できるポケット+ GALAXY Note 3 SC-01F」「できるポケット docomo iPhone 5s/5c 基本&活用ワザ 完全ガイド」「できるポケット au iPhone 5s/5c 基本&活用ワザ 完全ガイド」「できるポケット+ G2 L-01F」(インプレスジャパン)など、著書も多数。ホームページはこちらImpress Watch Videoで「法林岳之のケータイしようぜ!!」も配信中。