法林岳之の「週刊モバイルCATCH UP」

「POCO X7 Pro」、バイカラーで個性を主張するフラッグシップ級モデル

 シャオミがオンラインで展開するブランド「POCO」シリーズの新製品「POCO X7 Pro」が発表された。

シャオミ「POCO X7 Pro」、160.75mm(高さ)×75.24mm(幅)×8.43mm/8.29mm(厚さ)、198g/195g(重さ)、Yellow(写真)、Black、Greenをラインアップ

 シャオミのフラッグシップモデル「Xiaomi 14T Pro」などに匹敵するスペックを持つフラッグシップ級のモデルに位置付けられる。ひと足早く実機を試すことができたので、レポートをお送りしよう。

求められるコストパフォーマンス

 スマートフォンの価格高騰が続いているが、各携帯電話会社は一定期間の利用後に端末を返却する端末購入サポートプログラムを提供することで、端末が買いやすく見える環境を創り出している。

 しかし、実際には端末を返却してしまうと、代わりに別の端末を入手しなければならず、『おトク』と言えるかどうかは微妙だという指摘もある。そんな中、総務省のガイドライン改正では、民間業者の中古買取価格のデータをもとに、『適切な割引額』を算出するというリスクの高い施策も打ち出されており、業界全体の動向は不透明な状況にある。

 しかし、振り返ってみると、こうした割引施策は一時的なものでしかなく、本来、端末の良し悪しを左右するのは、『コストとパフォーマンスのバランス』に行き着く。もう少しわかりやすく言えば、その端末の総合的なパフォーマンスがどれくらい優れていて、いくらくらいの価格で販売されているのかによって、価値が判断される。

 それを裏付ける要素として、チップセットやディスプレイ、カメラなどがあり、デザインや機能、対応するサービスなどが加味され、ユーザーは端末を選んでいくことになる。ここ数年の端末価格が上昇する中で考えると、やはり、単にハイスペックであるだけでなく、 ユーザーがしっかりと満足できるスペックを持ち、納得できる価格で販売されるモデル が求められていることが明確になってきた印象だ。

 今回、発表されたシャオミの「POCO X7 Pro」は、シャオミのラインアップの中でも 非常にコストパフォーマンスの高いモデル だ。シャオミは国内市場向けに「Xiaomi 14T Pro」などの「Xiaomi」シリーズ、「Redmi 14C」などの「Redmi」シリーズを展開しているが、これらのモデルはオープン市場向けが家電量販店やECサイト、MVNO各社に販売されるほか、一部の携帯電話会社でも取り扱われている。

 これに対し、「POCO」シリーズは別ブランドという扱いで、元々、中国市場ではオンライン専用として販売されてきた経緯があり、国内でもオンライン販売で展開されてきた。具体的には2022年4月にゲーミング性能を追求した「POCO F4 GT」、2024年5月にはフラッグシップキラーとされる「POCO F6 Pro」がいずれもオンラインで発売されており、今回の「POCO X7 Pro」は国内向けとして、3機種めになる。

 国内向けには「POCO」シリーズのタブレットも展開しており、こちらもコストパフォーマンスの高さで注目されている。

 「POCO」シリーズのスマートフォンは、国内向け初代モデルの「POCO F4 GT」がゲーミング性能を重視していたこともあり、ゲーミングスマートフォンのような捉えられ方をされているが、シリーズには最上位ラインの「POCO F」シリーズ、若い世代を狙ったフラッグシップ級ミッドレンジの「POCO X」シリーズ、もっともリーズナブルでエントリーからミッドレンジをカバーする「POCO M」シリーズというように、それぞれにターゲティングされたモデルがラインアップされている。

 今回の「POCO X7 Pro」はPOCOシリーズでももっともボリュームゾーンのミッドレンジからミッドハイに位置付けられるモデルで、優れたコストパフォーマンスが魅力のオールラウンドプレーヤー的な存在になる。

 販路については従来からのオンライン(Xiaomi公式サイト)に加え、MVNOのイオンモバイルとHISモバイル、家電量販店のビックカメラ、ヤマダデンキ、ヨドバシカメラ、オンラインのXiaomi公式 楽天市場店、Amazon.co.jpでも販売されることになった。 市場想定価格はRAM 8GB/ROM 256GBが4万9980円、RAM 12GB/ROM 512GBが5万9980円 となっているが、販路によって、ポイント還元やクーポンなどで、少し割安に購入できるケースもある。

 スペックは後述するが、全体的に見て、かなりコストパフォーマンスの高いモデルと言えるだろう。

個性的な背面の仕上げ

 まず、外観からチェックしてみよう。

 ボディのサイズは昨年末に国内向けに発売された「Xiaomi 14T Pro」などに近い標準的なサイズだが、特徴的なのは背面のハイカラーの配色と仕上げだ。

 ブラックとグリーンはパターンとトーンが異なる2つの仕上げを組み合わせ、印象的なデザインにまとめている。イエローは異なるテクスチャを組み合わせたデザインを採用し、一段と特徴的な外観に仕上げている。黒い部分はマットなサンド仕上げで、黄色い部分はストライプ状の溝があるヴィーガンレザーを採用する。

背面は各色ともバイカラーで仕上げられており、イエローは黄色い部分にヴィーガンレザー、黒い部分にマットでメタリックな仕上げを採用している
左側面にはボタン類などがなく、すっきりとした仕上がり。カメラ部の突起は約2.5mm
右側面には上側(写真左側)にシーソー式の音量キー、中央付近に電源キーを備える。イエローは電源キーが黄色(ゴールド)に仕上げられている

 カラーだけでなく、手触りの部分についても個性を感じさせるボディに仕上げられており、カメラ部のリングと電源ボタンのゴールド仕上げも印象的だ。パッケージに同梱されているケースは、最近のシャオミ製端末同様、本体色が見えないグレーのケースなので、ボディカラーを活かしたいときは市販のクリアケースなどを用意したい。

 耐環境性能については、IPX8準拠の防水、IP6X準拠の防塵に対応する。従来のPOCOシリーズは国内向けに展開された2モデルを含め、耐環境性能が「IP54」程度に留まっていたため、あまり激しくない程度の降雨時に利用できるレベルだったが、 「POCO X7 Pro」は「IP68」対応になったことで、「Xiaomi 14T Pro」などと同等の耐環境性を備えた ことになり、ユーザーとしても安心して利用できる。

本体下部にはUSB Type-C外部接続端子、ピンで取出すタイプのSIMカードスロット(写真右側)を備える
ピンで取り出すタイプのSIMカードトレイには、表裏にnanoSIMカードを1枚ずつ装着可能

6.67インチ1.5K対応AMOLED搭載

 ディスプレイは1.5K表示(2712×1220ドット)対応6.67インチAMOLEDを搭載する。周囲は狭額縁で仕上げられており、本体前面のほとんどをディスプレイが占める。コントラスト比は500万対1、輝度は標準時700nits、直射日光下などで利用する「HBM(ハイブライトネスモード)」で1400nits、ピーク輝度は3200nitsと、かなり高い。

 リフレッシュレートは最大120Hzで、タッチサンプリングレートは480Hzだが、より反応が求められるゲーム環境ではタッチサンプリングレートを最大2560Hzまで高めることもできる。

 ディスプレイのガラスにはCorning Gorilla Glass 7iが採用され、出荷時に実使用が可能な保護フィルムが貼られている。

 生体認証はディスプレイ内蔵の光学式指紋センサーによる指紋認証、インカメラによる顔認証に対応する。顔認証については「Xiaomi 14T Pro」などと同様に、シャオミのスペックシートに表記がないものの、マスクを装着しての顔認証でロック解除ができる。指紋センサーを利用した機能としては、[心拍数]の計測と画面ロック解除時の[ショートカット]が挙げられる。心拍数は簡易的なものだが、[設定】アプリの[追加設定]-[心拍数]を選び、指紋センサーを指先を当てれば、いつでも心拍数を計測できる。

[設定]アプリの[追加設定]-[心拍数]を選ぶと、指紋センサーを使い、心拍数を計測することが可能
[設定]アプリの[指紋、顔データ、画面ロック]-[指紋認証]-[ショートカット]で[指紋ショートカット]をオンにすると、画面ロック解除時に指紋センサーの長押しでショートカットを表示できる。ただし、カスタマイズはできない

 ショートカットは画面ロック時に指紋センサーに指先を当てたままにしておくと、[スキャナー][ブラウザー][カレンダー]のショートカットが表示され、それぞれのアプリを起動できる。

画面ロック解除時に指紋センサーの長押しすると、ショートカットが表示され、[スキャナー][ブラウザー][カレンダー]が起動できるが、変更ができない

 ただ、元々、指紋センサーでのロック解除が十分に早いうえ、[スキャナー]で読み取れるQRコードも[カメラ]アプリで認識できる。それに加え、このショートカットはカスタマイズできないため、よく使うコード決済アプリなどを起動する用途には使えない。他のシャオミ製端末のレビューでも触れたが、せめてショートカットのカスタマイズくらいはできるようにしておいて欲しいところだ。

ホーム画面は下段にDock、中段に検索ボックスがレイアウトされる。システムナビゲーションを[ボタン]に設定しているときは、[ホーム]の長押しで[Gemini]が起動できる。[ジェスチャー]に設定しているときは電源ボタンの長押しで起動する
[設定]アプリの[追加設定]-[ジェスチャーショートカット]ではジェスチャー操作が設定できるが、機能の選択肢とカスタマイズがもう少し欲しいところ
[設定]アプリの[AIサービス]にはAI関連機能がまとめられている。各項目をタップしても各機能が起動するわけではなく、基本的に説明のみ

6000mAh大容量バッテリー搭載

 バッテリーは6000mAh大容量バッテリーを搭載する。最近の一般的なスレート状のスマートフォンに搭載されるバッテリーは、5000mAhが最大クラスだったが、「POCO X7 Pro」ではボディサイズをキープしながら、20%もの容量増を実現したことになる。

[設定]アプリの[バッテリーとパフォーマンス]-[バッテリー保護]で[バッテリー保護]を有効にすると、バッテリーの健康度を調整することが可能

 6000mAhの大容量バッテリーは、14.5時間の連続使用をはじめ、ビデオ再生で20時間超、音楽再生で17時間超、移動しながらの利用でも12時間超、人気ゲーム「PUBG」も8時間以上の連続プレイを可能にするという。

 充電については最大90W対応のハイパーチャージ(急速充電)に対応しており、同梱された90W対応充電器とUSBケーブルを利用すれば、約42分で100%までのフル充電が可能となっている。ワイヤレス充電には対応していない。

 また、バッテリーの寿命を長くするための[バッテリー保護]機能も搭載されており、バッテリー残量が80%まで充電されれば、自動的に充電を停止したり、バッテリーの充電習慣を学習して、充電をコントロールする[スマート充電]も利用できる。ラボ内でのテストによれば、1000回の充電をくり返しても90%のバッテリー性能を確保できるとしている。

MediaTek Dimensity 8400 Ultraを搭載

 チップセットはMediaTek製Dimensity 8400 Ultraを搭載する。最近、MediaTek製チップセットを搭載するモデルが増えているが、Dimensity 8400 UltraはDimensity 9xxxシリーズよりもひとつ下のミッドハイレンジのシリーズに位置付けられる。

 ネット上で公開されているベンチマークテストの結果を見ると、「Xiaomi 14T Pro」にも搭載されたDimensity 9300+には及ばないものの、2023年のハイエンドモデル向けチップセットである米Qualcomm製Snapdragon 8 Gen2を上回る結果が得られており、かなり高いパフォーマンスが期待できる。

 ゲームプレイなど、高負荷時の冷却については、新たに設計された「POCO 3D IceLoopシステム」を組み合わせ、10個の温度センサーで本体の温度を監視しながら、効率良く放熱できるとしている。

 メモリーとストレージはグローバル向けが3モデルだったのに対し、国内向けはRAM 8GB/ROM 256GB、RAM 12GB/ROM 512GBの2モデルがラインアップされる。外部メモリーカードには対応してない。メモリーについてはストレージの一部をメモリーに割り当てる「メモリ拡張」の機能が搭載されており、[設定]アプリの[追加設定]-[メモリ拡張]で、4/6/8GBを選んで追加できる。

[設定]アプリの[追加設定]-[メモリ拡張]では、本体のストレージの一部を使い、メモリーを増やせる[メモリ拡張]も利用可能

 ネットワークは5G NR/4G LTE/3G W-CDMA/2G GSMに対応する。5Gについては国内各社のSub6のバンドに対応し、ミリ波には対応しない。NTTドコモの5Gに割り当てられた「n79」にも対応しないものの、3.6~3.7GHz帯の「n78」は利用できるため、NTTドコモ網を利用したMVNOなどでも問題なく利用できる。

 5GについてはNSA/SAに対応しているが、国内の各携帯電話会社が提供する5G SAで利用できるかどうかは明らかになっていない。SIMカードはnanoSIMカードを2枚装着できるデュアルSIMに対応するが、eSIMには対応してない。

 Wi-FiはIEEE 802.11a/b/g/n/ac/axに対応し、BluetoothはBluetooth 6.0に対応する。対応するワイヤレスイヤホンが必要だが、Bluetoothは「Hi Res Audio Wireless」にも対応しており、ワイヤレスでハイレゾオーディオを楽しむことができる。

 衛星を利用した位置情報の測位機能は、米GPS、欧州Galileo、露GLONASS、中国BeiDou、印NavICに対応する。日本のQZSS(みちびき)については、スペックシートに表記がないものの、GPS関連アプリでは信号を受信できている。米GPS、欧州Galileo、中国BeiDouは複数チャンネルの信号に対応し、より精度の高い測位が可能となっている。

 非接触ICについてはNFC対応のみで、FeliCaは搭載されておらず、おサイフケータイのサービスは利用できない。ただし、NFC Type A/Bを利用した決済サービスも利用できる場所が増えており、対応するクレジットカードを持っていれば、Googleウォレットに登録して、スマートフォンによる決済サービスは利用できるだろう。

プラットフォームはAndroid 15ベースの「Xiaomi HyperOS 2」を搭載

 プラットフォームはAndroid 15ベースの「Xiaomi Hyper OS 2.0.9.0」を搭載する。従来のシャオミ製スマートフォンはAndroidベースの「MI UI」を採用していたが、シャオミ全体の他製品を含めた統合的な環境として、現在は「Xiaomi Hyper OS」を採用している。昨年末に発売された「Xiaomi 14T Pro」などは「Xiaomi HyperOS 1.0.6」だったのに対し、今回の「POCO X7 Pro」はひとつバージョンが進んだ「Xiaomi HyperOS 2」が搭載されており、今年のシャオミ製端末はこの世代が展開されることになりそうだ。

 ちなみに、日本語入力はAndroid標準の「Gboard」が搭載される。

 ベースとなるAndroidプラットフォームがバージョンアップし、OSのバージョンも世代が進んだものの、ユーザーインターフェイスとしてはそれほど大きな変更はない。

 「MI UI」の時代から共通しているが、「Xiaomi HyperOS」のユーザーインターフェイスはAndroidプラットフォーム標準に比べ、やや独自性が強く、[設定]アプリの項目名や並び順なども独特なため、他機種からの移行ユーザーは少し戸惑うかもしれない。

 「Xiaomi 14T Pro」のレビューでも触れたが、前述の指紋センサー長押し時のショートカットメニューがカスタマイズできなかったり、クイック設定パネルの機能アイコンにキャプションがなかったりと、細かい部分でメニューの整理や表示の配慮が足らない印象が残る。今後のバージョンアップで少しずつ改善されていくことを期待したい。

ホーム画面を上方向にスワイプすると、アプリ一覧が表示される。[コミュニケーション]や[エンターテインメント][写真]などのカテゴリー別に表示することも可能
画面上段から下方向にスワイプしたときに表示されるクイック設定パネル。他のシャオミ製端末同様、画面下半分に表示される機能ボタンにキャプションが表示されない

F値1.5の50Mピクセルカメラを含むデュアルカメラ搭載

 カメラについては背面にデュアルカメラを搭載する。上側に位置するのがソニー製の5000万画素イメージセンサー「IMX882」を採用したメインの広角カメラで、1/1.95インチという比較的大きなイメージセンサーに、F値1.5という非常に明るいレンズを組み合わせることで、従来モデルに比べ、光を取り込む量が65%、向上させているという。焦点距離は26mmで、光学手ぶれ補正を搭載する。

背面には5000万画素イメージセンサーのメインカメラ、800万画素の超広角カメラのデュアルカメラを搭載。イエローはゴールドのリングが目をひく
日没の夕景を撮影。夕日の色合いはきれいだが、光が強いため、手前側の線路などはややつぶれてしまっている

 下側に位置する超広角カメラは、1/4.0インチの800万画素イメージセンサーにF2.2のレンズを組み合わせる。焦点距離は15mm相当で、ワイドなシーンの撮影に対応する。ディスプレイ上部のパンチホール内には、1/4.0インチの2000万画素イメージセンサーにF2.2のレンズを組み合わせたインカメラを内蔵する。焦点距離は25mm相当で、1080p/30fpsの動画撮影にも対応する。

0.6倍の超広角で撮影。さすがに周辺に歪みがあるが、日陰ながらもしっかりと撮影できている

 撮影モードは標準で「写真」「ポートレート」「ビデオ」「プロ」「ドキュメント」「夜景」から選ぶことができ、「もっと見る」ではピクセルビニングを使わずに5000万画素イメージセンサーのフル解像度で撮影する「50MP」、前後カメラを利用する「デュアルビデオ」、より細かな設定で動画が撮影できる「監督モード」などに加え、「長時間露光」や「スローモーション」などの撮影も利用できる。

[写真]モードの1倍で撮影。陽は当たっていないが、きれいに撮影できている
[写真]モードの2倍で撮影。ピクセルビニングが有効になっているため、4096ドット×3072ドットで撮影されている
[写真]モードの10倍で撮影。デジタルズームなので、拡大すると、粗さが目立つが、全体の雰囲気はしっかりと捉えられている

 動画撮影も充実しており、対象となる被写体をダブルタップして、自動的に追尾する「モーショントラッキング2.0」がりようできるほか、メインカメラでは光学手ぶれ補正と電子手ぶれ補正を組み合わせた4K/60fpsビデオの撮影も可能にしている。

 撮影した画像は独自の[ギャラリー]アプリで閲覧したり、編集できる。[ギャラリー]アプリはシャオミ独自のアプリであるものの、Googleフォトとの連携も可能で、撮影した写真や動画をGoogleフォトに自動的にバックアップすることもできる。

カメラのファインダーで最上段の[▽]をたっぷすると、よく使う機能のショートカット画面がオーバーレイ表示される。中段右上のアイコンをタップすれば、[設定]画面が表示される
撮影した写真は[ギャラリー]アプリで表示できる
薄暗いバーで撮影。背景を思い切りぼかして撮影。左下の機種名の透かしは[ギャラリー]アプリ内で、オン/オフが可能

 もちろん、Googleが提供する[フォト]アプリも利用可能。また、[ギャラリー]アプリに追加できるプラグインとして、[AI画面拡張/AI消しゴム2.0][強化][反射を除去]が用意されている。[AI画面拡張/AI消しゴム2.0]は、背景を拡張したり、映り込んだ不要なオブジェクトを消去でき、[反射を除去]はガラス越しに撮影したときに映り込んだものを消去できる。

[ギャラリー]アプリの[編集]ではプラグインを追加することで、[AI画面拡張/AI消しゴム2.0]などのAI関連編集機能が利用できる

個性的なデザインも楽しいハイコストパフォーマンスな一台

 ここ数年の価格高騰により、各メーカーはスマートフォンのラインアップを少しずつ変化させてきている。当初はミッドレンジのモデルが拡充されてきたが、昨年、一昨年あたりからはミッドハイや準フラッグシップに位置付けられるモデルのラインアップが増えてきている。フラッグシップに迫る性能を実現しながら、ユーザーが手に届く価格を実現したモデルで、ユーザーが内容をしっかりと認識すれば、今後、市場の主流に定着していくことが予想される。

パッケージには本体のほかに、保護ケース、90W対応充電器、USBケーブルが付属する。今回は国内向けの端末を試用したが、充電器はグローバル版を撮影。国内向けは日本の家庭用電源のコンセントに対応した充電器が同梱される

 今回の「POCO X7 Pro」も非常にコストパフォーマンスの高いモデルで、ディスプレイやカメラ、バッテリーなど、いずれもフラッグシップモデルに迫る高いスペックを実現している。デザインもカラーごとに少し印象が異なるが、今回試用したイエローはバイカラーだけでなく、背面の手触りも凝っており、個性的で持つ楽しさを演出した仕上がりとなっている。

 価格も5万円と6万円に抑えられ、内容的にも非常にコストパフォーマンスの高さが光るモデル。「POCO X7 Pro」は新入学新社会人シーズンへ向けて、非常に魅力的なモデルに仕上がっていると言えるだろう。