法林岳之の「週刊モバイルCATCH UP」

Galaxy S22シリーズ国内向けモデル速報レビュー、NoteのDNAを融合した「Galaxy S22 Ultra」&新デザインで進化した「Galaxy S22」

国内向けに発表された「Galaxy S22 Ultra」(左)と「Galaxy S22」(右)。NTTドコモとauから発売される

 4月7日、サムスンは国内向けのフラッグシップモデルとして、「Galaxy S22 Ultra」と「Galaxy S22」をNTTドコモとauから発売することを発表した。ひと足早く実機を試すことができたので、速報レポートをお送りしよう。

国内市場のニーズに応えてきたGalaxy Sシリーズ

 Galaxyシリーズを展開するサムスンは、2010年にNTTドコモ向けの「GALAXY S SC-02B」を供給したのを皮切りに、フラッグシップモデルの「Galaxy S」シリーズを国内市場に展開してきた。

 2012年からはもうひとつのフラッグシップとして、Sペンによる手書き入力をサポートした「Galaxy Note」シリーズを秋冬のシーズンに投入。2014年からは「Galaxy S」シリーズでディスプレイサイズの異なる複数のモデルを投入するなど、ラインアップを強化してきた。

 そんな中、2020年には「Galaxy Note20 Ultra 5G」を最後にシリーズを終了。これと入れ替わる形で、プレミアムラインとして、2019年からは折りたたみデザインの「Galaxy Z Fold」と「Galaxy Z Flip」がラインアップに加わった。

 2021年に国内向けに投入された「Galaxy Z Fold3 5G」と「Galaxy Z Flip3 5G」では、グローバル向けモデルのIPX8準拠の防水に加え、国内で求められるおサイフケータイにも対応するなど、日本市場をしっかりと意識したモデルを展開している。

 主力であるGalaxy Sシリーズを振り返ってみると、ここ数年、ラインアップに変化が見えてきている。

 たとえば、2014年からスタートしたGalaxy Sシリーズの複数モデルのラインアップは、2018年の「Galaxy S9」と「Galaxy S9+」、2019年の「Galaxy S10」と「Galaxy S10+」のように、ディスプレイサイズの異なるモデルがNTTドコモとauから、それぞれ発売された。

 ところが、2020年は「Galaxy S20 5G」と「Galaxy S20+ 5G」がNTTドコモとauから発売されたものの、最上位モデルに位置付けられた「Galaxy S20 Ultra 5G」はほぼグローバルモデルの仕様のまま、auのみで発売。

 翌2021年はNTTドコモから「Galaxy S21 5G SC-51B」と「Galaxy S21 Ultra 5G SC-52B」、auから「Galaxy S21 5G SCG09」と「Galaxy S21+ 5G SCG10」が発売され、NTTドコモとauで異なるモデルが展開されることになった。

 こうしたラインアップが展開された背景には、ディスプレイサイズが異なる複数のモデルのうち、発売当初こそ「Galaxy S10+」や「Galaxy S20+ 5G」などの『大画面サイズ』のモデルが注目されるものの、約1年間を通しての売れ行きは「Galaxy S10」や「Galaxy S20 5G」など、いわゆる『標準サイズ』のモデルがリードする結果になっていることが挙げられる。

 特に、ここ2年ほどは電気通信事業法改正の影響で、販売価格が高止まりしていることも関係し、より『標準サイズ』のモデルが好調な売れ行きを記録しているようだ。昨年、NTTドコモとauで「Galaxy S21」シリーズのラインアップ構成が違ったことは、各社がこうした実状を考慮した結果という見方もある。

2022年は「Galaxy S22 Ultra」と「Galaxy S22」を展開

 2022年モデルとなる「Galaxy S22」シリーズは、今年2月に開催された「Galaxy Unpacked」でグローバル向けに発表された。以前であれば、米国での発表イベントやMWC Barcelonaの会場などで、いち早く実機を試すことができたが、この2年ほどはコロナ禍の影響で、オンライン開催となっている。

 グローバル向けの発表では、「Galaxy S22」「Galaxy S22+」「Galaxy S22 Ultra」の3機種が発表された。

 これらのうち、どれが国内向けに販売されるのかが注目されたが、『標準サイズ』の「Galaxy S22」、Sペン対応で『大画面サイズ』の「Galaxy S22 Ultra」の2機種がNTTドコモとauから発売されることが発表された。

 基本的な仕様は両社とも共通だが、今回はNTTドコモ向けの2機種を試用することができた。2月のグローバル向け発表のおさらいの部分も含まれるが、それぞれの実機をチェックしてみよう。

NoteのDNAを融合させた「Galaxy S22 Ultra」

 今回、発表された国内向けモデルのうち、最上位に位置付けられるのが「Galaxy S22 Ultra」だ。前述のように、GalaxyのラインアップにはSペンによる手書き入力に対応した「Galaxy Note」シリーズがあり、クリエイターなどに高い人気を得ていたが、2020年の「Galaxy Note20 Ultra 5G」を最後にシリーズは終了している。

NTTドコモ/サムスン「Galaxy S22 Ultra SC-52C」、163mm(高さ)×78mm(幅)×8.9mm(厚さ)、約229g(重さ)、バーガンディ(写真)、ファントム ブラックをラインアップ。サイズ及びカラーバリエーションはau向けも同じ

 「Galaxy Note」シリーズで培われてきたSペンによる手書き入力は、昨年の「Galaxy S21 Ultra 5G」に継承されたものの、Sペンが端末本体に格納できないなど、使い勝手に違いがあった。そのため、純正アクセサリーとして、Sペンが収納可能な専用ケースを販売していた。

「Galaxy S22 Ultra」(左)と「Galaxy S21 Ultra 5G」(右)を並べると、ボディ周囲のデザインが大きく違うことがわかる。実はサイズもわずかに大きくなっている
「Galaxy S22 Ultra」(左)と「Galaxy S21 Ultra 5G」(右)の本体前面。どちらも左右両端を湾曲させたエッジスクリーンを採用するが、ボディの角の仕上げが違うため、かなり印象が異なる

 今回発表された「Galaxy S22 Ultra」は、昨年モデルの課題を解決し、かつての「Galaxy Note」シリーズと同じように、Sペンを本体に格納できるデザインに仕上げたモデルとなっている。ボディは両側面をラウンドさせた形状で、上端と下端をスパッと切り落としたようなデザインにまとめられている。

「Galaxy S22 Ultra」本体下部のSペンの突起をプッシュすると、Sペンを取り出すことができる。やはり、本体に格納する方が扱いやすい

 かつてのNoteシリーズのユーザーなら、もうおわかりだろうが、これは説明するまでもなく、「Galaxy Note20 Ultra 5G」のボディ形状を進化させたもので、Sペンの格納位置も本体下部の左側で共通となっている。

「Galaxy S22 Ultra」(左)と「Galaxy Note20 Ultra 5G」の背面。サイズも基本的なデザインも共通。実質的な後継モデルと言って差し支えないだろう

 ボディはアーマーアルミフレームを採用し、IPX5/IPX8の防水、IP6Xの防塵に対応する。日本仕様のおサイフケータイにも対応しており、モバイルSuicaをはじめ、各社FeliCa対応サービスが利用できる。

「Galaxy S22 Ultra」の背面は、「Galaxy Note20 Ultra 5G」に比べ、カメラ部のデザインが変更され、少しすっきりした印象

 バッテリーは5000mAhの大容量バッテリーを内蔵し、AIによるユーザーの使用パターン学習で、24時間以上の連続使用を可能にする。今回は試用期間が限られていたが、バッテリー駆動についてはまったく不安を感じさせなかった。

 充電は本体下部のUSB Type-C外部接続端子を使い、最大45Wで充電ができる。Qi準拠のワイヤレス充電に対応するほか、本体背面中央にGalaxy Buds Proなど、ワイヤレス充電対応機器を置いて充電できる「ワイヤレスバッテリー共有」(ワイヤレス給電)にも対応する。

「Galaxy S22 Ultra」の本体下部には、USB Type-C外部接続端子、SIMカードトレイ、Sペン格納部がある

 ディスプレイはQuadHD+対応約6.8インチDynamic AMOLED(有機EL)を採用する。前面には従来製品よりも新しいCorning社製Gorilla Glass Victus+を採用する。

 ディスプレイの最大解像度は最大3088×1440ドット表示だが、バッテリー消費を抑えるため、出荷時は2316×1080ドット表示のフルHD+が設定されている。さらに解像度を下げて、1544×720ドット表示のHD+に切り替え、消費電力を抑えることも可能。ディスプレイは1750nitと非常に明るく、太陽光の下の屋外でも視認性に優れる。

 ディスプレイの左右両端は、湾曲したエッジディスプレイとなっており、本体を横向きに構え、映像コンテンツを再生すると、かなり迫力ある映像を楽しめる。

 画面のリフレッシュレートは1~120Hzの自動調整が可能で、アニメーションやスクロール時に滑らかな表示を可能にする。リフレッシュレートを60Hzに設定して、バッテリー消費を節約することもできる。タッチサンプリングレートは240Hzに対応し、ゲームなども快適に楽しめるとしている。

「Galaxy S22 Ultra」の本体左側面には、何もボタン類がない。背面側はわずかにラウンドしているが、上下端は「Galaxy Note20 Ultra 5G」同様、切り落としたような形状
「Galaxy S22 Ultra」の本体右側面には、シーソー式の音量ボタン、その隣に電源ボタンを備える。画面ロックされた状態から、電源ボタンの2連打でカメラを起動できる

 ディスプレイには超音波式指紋センサーが内蔵されており、画面ロック解除や認証などに利用できる。認識のレスポンスも非常に良好で、ストレスなく使うことができる。指紋認証に比べ、セキュリティはやや落ちるが、顔認証にも対応する。ただし、顔認証はマスク装着に対応していないため、外出時は指紋認証、自宅などでマスクを外しているときは顔認証といった使い分けになる。

1億800万画素クアッドカメラ搭載

 チップセットは最新の米Qualcomm製Snapdragon 8 Gen1を採用し、12GB RAMと256GB ROMを搭載する。外部メモリーカードには対応しない。短期間の試用だったが、パフォーマンスについてはまったく申し分なく、快適に操作でき、動作も安定している印象だ。発熱もほとんど気にならないレベルだった。

 モバイルネットワークについては5G/4G/WiMAX 2+(auのみ)対応で、5GについてはSub-6に加え、ミリ波にも対応する。ミリ波についてはまだ利用できる環境が少ないが、NTTドコモ、auともに、今後、スタジアムなど、大規模な施設でエリアを拡大するとしており、利用できるシーンが広がっていくことが期待される。

「Galaxy S22 Ultra」の本体下部には、ピンで取り出すタイプのSIMカードトレイを備える。nanoSIMカードを1枚のみ装着できる。eSIMには非対応。SIMトレイの仕様は「Galaxy S22」も共通

 カメラについては「Galaxy S21 Ultra 5G」や「Galaxy Note20 Ultra 5G」の流れをくむクアッドカメラを搭載する。1億800万画素/F1.8の広角カメラをメインに、1200万画素/F2.2の超広角カメラ、1000万画素/F4.9の望遠カメラ1、1000万画素/F2.4の望遠カメラ2の4つのカメラで構成される。

 これらのクアッドカメラのうち、1億800万画素のメインカメラは2.4μmという極小ピクセルピッチのイメージセンサーが採用されているが、9つのピクセルを1つの大きなピクセルとして撮影するビニングにより、暗いところでもノイズの少ないクリアな写真を撮ることができる。

 なかでも「ナイトグラフィー」を利用し、暗いところでポートレートを撮影すると、周囲は一定の暗さを保ちながら、人物を明るく撮影できる。

「Galaxy S22 Ultra」を使い、ポートレートで撮影。しっかりと背景がボケて、人物が際立っている
モデル:葵木ひな(Twitter:@hina1006ta_aoki、ボンボンファミン・プロダクション
[写真]モードで通常通りの撮影。少しアングルが違うが、ナイトグラフィーの写真と比較してほしい
撮影する時間帯が合わなかったため、夕刻にナイトグラフィーで撮影。通常の[写真]モードと違い、背景の建物がガラス越しなのに撮影できている

 ちなみに、背面のカメラ部については、従来の「Galaxy S21 Ultra 5G」や「Galaxy Note20 Ultra 5G」に比べ、カメラ部全体を覆うパーツがなくなり、円筒状のレンズ部だけが突起するデザインに変更されている。

「Galaxy S22 Ultra」のリアカメラは、カメラ部をまとめていたパーツがなくなり、それぞれのレンズのリングが独立したデザイン

 インカメラについてはディスプレイの上部パンチホール内に4000万画素/F2.2のサブカメラを内蔵する。撮影時は一般的なセルフィーに加え、設定を切り替え、少しワイドに撮影することも可能だ。

 注目のSペンについては、基本的な仕様は「Galaxy S21 Ultra 5G」や「Galaxy Note20 Ultra」を引き継いでおり、[Galaxy Notes]アプリでの手書き入力、入力した手書き文字のテキスト認識、撮影した写真への手書き、画面オフからのメモなど、多彩な機能を備える。

 書き味も遅延を感じることがほぼなく、動きも非常に滑らかな印象だ。ちなみに、今回試用したNTTドコモ向けのモデルには、従来のNTTドコモ向けの「Galaxy Note」シリーズに搭載されていた手書き対応手帳アプリ「てがき手帳」がプリインストールされていた。

「Galaxy S22 Ultra」の下部からSペンを取り出し、[Galaxy Notes]アプリに手書きメモ。レスポンスもよく、なめらかに手書き入力ができる
[Galaxy Notes]アプリは、Sペンで手書き入力した文字をテキストに変換したり、傾きを補正したりできる
「Galaxy S22 Ultra」の画面右側の薄く表示されたアイコンをタップすると、おなじみのSペンのメニューが表示される

コンパクトに機能を凝縮した「Galaxy S22」

 今回、国内向けに発表された「Galaxy S22」シリーズで、より幅広いユーザーをターゲットにしているのが「Galaxy S22」だ。

 前述のように、ここ数年の「Galaxy S」シリーズには複数のモデルがラインアップされる中、もっとも好調な売れ行きを記録しているのが『標準サイズ』のモデルになる。ボディは幅71mm、厚さ7.6mmという持ちやすいサイズにまとめられており、重量も168gと、このクラスの端末としては、軽量の部類に入る。

NTTドコモ/サムスン「Galaxy S22 SC-51C」、146mm(高さ)×71mm(幅)×7.6mm(厚さ)、約168g(重さ)。ファントム ホワイト(写真)、ファントム ブラック、ピンクゴールドをラインアップ。サイズおよびカラーバリエーションはau向けも同じ

 ボディのデザインは基本的に昨年の「Galaxy S21 5G」を継承しているが、若干、デザインが変更されている。

 わかりやすいのが背面側の形状で、「Galaxy S21 5G」は両側面付近がわずかにラウンドしていたのに対し、Galaxy S22は背面がフラットになり、指紋のつきにくいマット仕上げになっている。形状としては本体側面の周囲をアーマーアルミフレームで囲むようなデザインになり、従来モデルから少し印象が変わったように見える。

「Galaxy S22」の背面は「Galaxy S21 5G」のデザインを継承しているが、背面がフラットな形状になり、持った印象は少し異なる。背面は指紋のつきにくい仕上げ
「Galaxy S22」(左)と「Galaxy S21 5G」を並べ、下部から見ると、背面のラウンドがなくなり、フラット仕上げになっていることがわかる
「Galaxy S22」(左)と「Galaxy S21 5G」の背面。デザインは基本的に共通で、幅は変わらないが、「Galaxy S22」は高さ(長さ)が4mmほど、短くなっている。少しコンパクトになったと言えるかもしれない

 耐環境性能はIPX5/IPX8の防水、IP6Xの防塵に対応する。おサイフケータイ対応は「Galaxy S22 Ultra」と基本的に共通仕様で、FeliCaのロゴが背面中央の右寄りの位置(カメラと反対側)にプリントされている。

 バッテリー容量は3700mAhで、従来の「Galaxy S21 5G」の4000mAhよりも少なくなったが、実用上の差はそれほど感じない印象だ。充電は本体下部のUSB Type-C外部接続端子、Qi規格準拠のワイヤレス充電にも対応する。

 USB Type-C外部接続端子は最大25Wの急速充電に対応するほか、「Galaxy S22 Ultra」同様、「ワイヤレスバッテリー共有」(ワイヤレス給電)にも対応し、「Galaxy Buds Pro」などのウェアラブルデバイスなどを充電できる。省電力についても「Galaxy S22 Ultra」と同じように、ユーザーの利用パターンを学習し、24時間以上の持ちを可能にするとしている。

「Galaxy S22」の本体下部には、USB Type-C外部接続端子、SIMカードトレイがある

 ディスプレイはフルHD+対応6.1インチDynamic AMOLED(有機EL)を採用する。ディスプレイの前面には新たにCorning社製Gorilla Glass Victus+を採用するが、「Galaxy S22 Ultra」と違い、ディスプレイ前面はフラット仕上げとなっている。表示する解像度の変更なども用意されていない。

 ディスプレイは1300nitと非常に明るく、太陽光の下でも十分な視認性を確保している。リフレッシュレートは48~120Hzの「最適化」、60Hzの「標準」を選ぶことができ、「標準」に設定すると、消費電力を抑えることができる。

「Galaxy S22」のディスプレイはエッジスクリーンではないが、右側面から内側にスワイプすると、「エッジスクリーン」が表示される

 「Galaxy S22 Ultra」と同じように、ディスプレイには超音波式指紋センサーを内蔵しており、ワンタッチで画面ロックの解除や認証などに利用できる。レスポンスも良好で、扱いやすい。セキュリティはやや落ちるが、顔認証にも対応するため、自宅などでは顔認証、外出時でマスク装着時は指紋認証といった使い分けができる。

「Galaxy S22」の本体左側面には、何もボタン類がない。背面はフラット仕上げになったが、側面のフレーム部分はわずかにカーブが付けられているため、机の上などに置いている状態からも持ち上げやすい
「Galaxy S22」の本体右側面には、シーソー式の音量ボタン、その隣に電源ボタンを備える。画面ロックされた状態から、電源ボタンの2連打でカメラを起動できる

5Gはミリ波/Sub-6両対応

 チップセットは「Galaxy S22 Ultra」と同じく、最新の米Qualcomm製Snapdragon 8 Gen1を採用する。メモリーは少し仕様が違い、8GB RAMと256GB ROMを搭載する。外部メモリーカードに対応しない点も共通だ。

 モバイルネットワークについては5G/4G/WiMAX 2+(auのみ)に対応する。昨年の「Galaxy S21 5G」では5Gの対応がSub-6のみだったが、「Galaxy S21 5G」ではSub-6/ミリ波両対応となっている。「Galaxy S22 Ultra」のところでも触れたように、ミリ波が利用できる環境は少ないものの、今後、大規模な施設などでスポットを増やすとしており、利用できるシーンが増えることがで期待される。

 カメラは従来の「Galaxy S21 5G」と同様のデザインが採用されているが、メインカメラを中心にスペックが変更されている。5000万画素/F1.8の広角カメラをメインに、1200万画素/F2.2の超広角カメラ、1000万画素/F2.4の望遠カメラで構成される。デジタルズームを組み合わせたスペースズームは最大30倍となっている。

 前面のディスプレイ上部のパンチホールには1000万画素/F2.2のサブカメラを内蔵する。

「Galaxy S22」のカメラは「Galaxy S21 5G」のデザインを継承。本体とカメラ部の厚さも同じ

 カメラの仕様は「Galaxy S22 Ultra」と異なるが、暗いところでもノイズの少ないクリアな写真が撮影できるほか、「ナイトグラフィー」などの撮影機能も共通のため、誰でも手軽にさまざまなシーンで美しい写真を撮ることができる。

 基本的には被写体を自動的に認識するため、食事や人物、風景など、それぞれのシーンに合わせた撮影が可能だが、ポートレートを選べば、より人物がクローズアップされた写真を撮ることができる。動画も光学手ぶれ補正に対応しているため、歩きながら、夜道を撮影しても雰囲気のある動画を撮影することが可能だ。

いつものうす暗いバーで撮影。背景もうまくボケているが、グラスのクッキリ感や明かりのボケ具合なども雰囲気のある仕上がり
曇りの日の夜に桜を撮影

スタンダードな「Galaxy S22」、Sペン対応で活用が広がる「Galaxy S22 Ultra」――5G時代のサービスを思いきり楽しむための2台は、どちらを選ぶか?

 2010年に国内市場に初代モデルを投入して以降、毎年、新製品を投入し、着実に進化を遂げてきた「Galaxy S」シリーズ。最近ではリーズナブルな「Galaxy A」シリーズが人気を集めたり、プレミアムモデルの「Galaxy Z Fold」と「Galaxy Z Flip」も話題だが、やはり、Galaxyの王道と言えば、「Galaxy S」シリーズだ。

 今年の「Galaxy S22」シリーズは、これまでの「Galaxy S」シリーズの流れを受け継ぎながら、より洗練されたデザインに仕上げたスタンダードモデル「Galaxy S22」、「Galaxy Note」シリーズのDNAであるSペンのユーザービリティを着実に継承した「Galaxy S22 Ultra」にそれぞれ進化を遂げている。

 従来のGalaxy Sシリーズの複数モデルは、ディスプレイサイズが主な違いだったが、今回は「Galaxy S22 Ultra」がSペンに対応し、デザインが「Galaxy Note20 Ultra 5G」の流れをくむものになっため、それぞれの方向性がより一段と明確になった印象だ。

Sペンの可能性を楽しみたい人の「Galaxy S22 Ultra」(左)、スタンダードに使いこなしたい「Galaxy S22」(右)。どちらも5Gサービス時代を存分に楽しめるモデルだ

 どちらを選ぶのかはユーザー次第だが、これまでと同じように、持ちやすさや扱いやすさを重視するのであれば、『標準サイズ』の「Galaxy S22」がおすすめだ。一部で旧モデルが安く販売されるケースが散見されるが、今年は5Gがミリ波に対応し、カメラも一段と進化している。カメラについては機会があれば、あらためてレポートしたいが、暗いところで明るく撮影できるだけでなく、全体的に自然で美しい写真が撮影できるという印象だ。

 一方、「Galaxy S22 Ultra」については、やはり、Sペンを活用したいというユーザーがメインだ。本体の形状を見てもわかるように、実質的に「Galaxy Note20 Ultra 5G」を正常進化させたようなデザインであり、これまでの「Galaxy Note」シリーズと比べ、ほとんど変わらない感覚で使うことができる。

 逆に、これまでの「Galaxy S21+ 5G」や「Galaxy S21 Ultra 5G」など、「Galaxy S」シリーズの『大画面サイズ』を利用してきたユーザーは、ボディ形状が「Galaxy Note」シリーズの流れを踏襲したものになるため、少し使い勝手が変わることに戸惑うかもしれない。

 たとえば、筆者は胸ポケットに端末を入れることが多いが、ボディの厚みが「Galaxy S21+ 5G」や「Galaxy S20+ 5G」の7.8mmなら、スムーズに収まるものの、「Galaxy S22 Ultra」の8.9mmはわずか1mmの差とは言え、ちょっとかさばってしまう印象がある。特に、ボディ形状の変更による影響は大きいかもしれない。しかし、それを補って余りあるSペンや大画面というアドバンテージをどう捉えるかが判断のポイントになりそうだ。

 今回は速報という形でお届けしたが、機会があれば、ほかの機能なども含め、あらためてレポートしたい。今回発表された製品は東京・原宿のGalaxy Harajukuをはじめ、ドコモショップやauショップなどでも実機が展示される予定だ。ぜひ、実機を手に取り、一段と完成度が高められた「Galaxy S22」シリーズを試していただきたい。

Galaxyシリーズでおなじみのデータ移行ツール「SmartSwitch」は、iPhoneや他のAndroidスマートフォンからデータを簡単に引き継ぐことができる
Galaxyではおなじみのホームアプリ「One UI」のホーム画面。Chromeのアイコンがあるが、Galaxy標準の[ブラウザ]アプリもインストールされている