法林岳之の「週刊モバイルCATCH UP」

4万円で手が届く5G対応SIMフリースマートフォン「HUAWEI P40 lite 5G」

 ファーウェイは6月2日、国内市場向けSIMフリースマートフォン3機種を発表した。フラッグシップモデルとしては最高峰のLeicaカメラを搭載した「HUAWEI P40 Pro 5G」が注目だが、もうひとつの5G対応端末として、普及価格帯の「HUAWEI P40 lite 5G」も発表された。実機を試すことができたので、レポートをお送りしよう。

ファーウェイを取り巻く環境

 昨年来、何度も本誌でお伝えしているように、ファーウェイは米中貿易摩擦の影響を受け、Googleの各サービスを利用するための「GMS(Google Mobile Services)」を搭載することができず、今年に入り、自社の「HMS(Huawei Mobile Services)」を搭載したモデルを本格的に展開しはじめている。今年3月には国内市場向けに、HMSのみを搭載した端末の第一弾として、「HUAWEI Mate30 Pro 5G」が先行発売されている。

 ただ、すべてのファーウェイ製端末がHMS対応になり、GMSが利用できなくなったわけではなく、昨年、オープン市場向けに発売された「HUAWEI P30 lite」や「HUAWEI P30」、「HUAWEI nova 5T」、NTTドコモが発売した「HUAWEI P30 Pro HW-02L」、auが発売した「HUAWEI P30 lite Premium HWV33」などは、これまで通り、Googleの各サービスが利用できている。さらに、5月29日には昨年2月発売の「HUAWEI nova lite 3」をベースに、大容量メモリ搭載でリニューアルした「HUAWEI nova lite 3+」を発売し、GMSを継続して利用できるモデルを増やしている。

 HMSについては「HUAWEI Mate30 Pro 5G」のように、HMSのみが利用できる端末が登場する一方、既存のGMS搭載端末でもHMSの「AppGallery」を利用できるようにしており、ファーウェイは新しいプラットフォームとして、本格的に育てていく姿勢を見せている。アプリ配信サービスの「AppGallery」も著名アプリが徐々に増えており、日本のユーザーには欠かせない「LINE」や「NAVITIME」、ビジネス系アプリではマイクロソフトの「Office」、ビデオ会議の「Zoom」などが登録されている。検索サービスはマイクロソフトのBingが採用され、意外にマイクロソフトが重要な援軍になりそうな印象もある。さすがに、「Google Play」と同じレベルとはいかないが、ファーウェイの積極的な働きかけにより、少しずつ環境が整いつつあるというのが実状だ。

 ただ、先週、国内で公開された厚生労働省の「新型コロナウイルス接触確認アプリ」のように、Androidプラットフォーム向けに新たに提供するアプリについては、Google Playでの配信を前提にしており、HMSしか利用できない端末では、基本的にアプリを入手することが難しい。特に、今回の「新型コロナウイルス接触確認アプリ」のように、公共性の高いサービスを利用できないことは、ユーザーにとってもデメリットであり、ファーウェイとして、今後、どのように取り組んでいくのかが注目される。

 そんな中、6月2日、ファーウェイは国内のオープン市場向けにSIMフリースマートフォン3機種、タブレット3機種、WindowsノートPCなどを発表した。フラッグシップモデルに位置付けられる「HUAWEI P40 Pro 5G」については、今年4月、本コラムでグローバル版をレビューしたので、今回は5G対応端末ながら、4万円を切る価格を実現したミッドレンジモデル「HUAWEI P40 lite 5G」を取り上げたい。

6月に国内向けに発表された「HUAWEI P40 lite E」(左)、「HUAWEI P40 lite 5G」(中央)、「HUAWEI P40 Pro 5G」(右)の3機種

 ファーウェイはここ数年、春にHUAWEI Pシリーズ、秋にHUAWEI Mateシリーズを発表しており、HUAWEI Pシリーズには複数のモデルが展開されてきた。たとえば、昨年はフラッグシップモデルがNTTドコモ専売という形で「HUAWEI P30 Pro HW-02L」として発売され、ミッドハイに位置付けられるモデルが「HUAWEI P30」としてオープン市場向けに販売された。普及価格帯向けの「HUAWEI P30 lite」もオープン市場向けに販売され、たいへん好調な売れ行きを記録した。前述のように、au向けにストレージを強化した「HUAWEI P30 lite Premium HWV33」を提供する一方、UQモバイル向け、ワイモバイル向けにも「HUAWEI P30 lite」を供給し、国内ではシャープのAQUOS senseシリーズと並んで、もっとも幅広い販路で販売され、好調な売れ行きを記録したモデルとなった。

ベストセラーを記録した「HUAWEI P30 lite」(左)、今回発売された「HUAWEI P40 lite 5G」(右)
「HUAWEI P30 lite」(左)と「HUAWEI P40 lite 5G」(右)の背面。デザインも大きく変更されている

 2020年モデルについては、GMS搭載が規制されていることもあり、どのようなモデル展開になるのかが注目されていたが、HUAWEI P40シリーズでは『lite』の名を冠したモデルは、5G対応と4G対応の2機種で展開することになった。国内における5Gサービスは、今年3月下旬に主要3社が相次いでサービスを開始したものの、MVNOではLinksMateが「5G回線オプション」の提供を開始した程度で、実質的にはまだMVNO各社がMNO各社から5G回線を借り受けて、サービスを提供する環境は整っていない。そんな状況下で、5G対応のSIMフリースマートフォンに市場性があるのかという指摘もあるが、MNO各社の5Gユーザーの買い換え対象としても候補になり得るだろうし、MVNO各社が5Gサービスを提供することを見越した先行投資で購入するという考えもありそうだ。HMSのみという利用環境の制限はあるものの、定評のあるカメラなどのポテンシャルを考えれば、意外に面白い位置付けの5G対応端末と言えるかもしれない。

 しかも市場想定価格は3万9800円(税抜)で、実際の店頭価格も10%ポイント還元などを含んで、税込4万円台前半となっており、実質負担額は4万円程度に収まっている。各携帯電話会社が販売する5G対応モデルが安くても7万円台、高ければ、十数万円もすることを考えると、現時点で最安値の5G対応端末ということになる。ちなみに、販路としてはヨドバシカメラやビックカメラなどの家電量販店、Amazonやファーウェイ 楽天市場店、ファーウェイ PayPayモール店などのEコマース、IIJmioやイオンモバイルなどのMVNO各社がある。

美しい仕上げのボディ

 まず、外観からチェックしてみよう。ボディは背面に3Dガラスを採用し、両側面へ向けて湾曲させた形状で、美しいテクスチャで仕上げている。ディスプレイサイズがひと回り大きくなったが、ボディの大きさは幅が2.3mm増、高さが9.4mm増、厚さが1.18mm増に抑えられており、実際に手にした印象としてはそれほど大きな差を感じない。残念ながら、防水防塵には対応していない。

ファーウェイ「HUAWEI P40 lite 5G」、約162.3mm(高さ)×75mm(幅)×8.58mm(厚さ)、約189g(重量)、クラッシュグリーン(写真)、ミッドナイトブラック、スペースシルバーをラインアップ
右側面はシーソー式音量キー、指紋センサー内蔵電源キーを備える
左側面はSIMカードトレイのみを装備。カメラ部の突起はやや大きめなので、カバーなどを装着して利用したい
背面はガラス仕上げの美しいデザイン。クラッシュグリーンは今までにあまりなかった色合い
下部にはUSB Type-C外部接続端子、3.5mmイヤホンマイク端子を備える

 ボディ周りで大きく変わったのは指紋認証センサーで、従来モデルでは背面に備えられていたのに対し、HUAWEI P40 lite 5Gでは右側面の電源キーに指紋センサーを内蔵する。こうした仕様はかつてXperiaが得意としていたもので、最近では他社でも採用例が少しずつ増えており、Xperiaでも再び採用が復活している。スマートフォンでは端末を右手に持ち、親指で電源キーを押して、ロックを解除することが多いが、電源キーに指紋センサーが内蔵されていれば、同時に画面ロックも解除できるため、使い勝手はいい。車載ホルダーなどに固定したときも本体前面からつかむようにすれば、いずれかの指を電源キーに当てることができるため、ロックの解除ができる。しかも認証のレスポンスは画面内指紋認証よりも早く、使い勝手の面では電源ボタンに内蔵された指紋センサーの方が優れている印象だ。ちなみに、HUAWEI P40 lite 5Gはセキュリティの信頼度が少し下がるが、顔認証にも対応しており、併用することができる。

電源ボタンには指紋センサーを内蔵。すぐにロックが解除できるため、非常に使いやすい
指紋センサーに指紋登録時はガイドが表示され、初心者にもわかりやすい
指紋認証のメニューでは端末のロック解除だけでなく、アプリのロックやセキュリティボックスへのアクセスなども設定できる
顔認証にも対応する。指紋認証に比べると、セキュリティは落ちるが、実用的。つまらないツッコミをすると、ガイドのイラストはスマートフォンのインカメラの位置が違う(笑)

 本体前面に搭載されたディスプレイは、2400×1080ドット表示が可能なフルHD+対応約6.5インチTFT液晶ディスプレイを搭載する。縦横比は20:9、画面占有率は90.3%に達する。従来のHUAWEI P30 liteは約6.15インチだったため、ひと回り大きくなり、解像度も縦方向に伸びた。NTSC色域の96%をカバーし、HDR10対応コンテンツの再生にも対応する。ディスプレイの左上にはパンチホールが開けられており、インカメラを内蔵する。ちなみに、これまでのファーウェイ端末同様、出荷時にはディスプレイに実使用が可能な保護フィルムが貼られている。

ディスプレイの左上のパンチホールにはインカメラを内蔵する

 バッテリーは約4000mAhの大容量バッテリーを搭載し、最大40WのHUAWEI SuperChargeにより、30分で約70%までの急速充電を可能としている。40Wの急速充電は他製品でもあまり例がないが、ドイツの試験機関「TUV Rheinland」による安全性試験をクリアしている。パッケージには40W対応のACアダプターが同梱される。

電池残量に合わせ、パフォーマンスモードやpower-saving modeなどを設定可能。アプリごとのバックグラウンド動作も確認できる

 チップセットはHiSilicon製Kirin 820 5Gが採用され、6GBのメモリーと128GBのストレージを搭載する。Kirin 820 5Gは国内向けモデルで初採用になるが、フラッグシップ向けのチップセットと同じ7nmのプロセスルールで製造されており、5Gモデムも統合された設計となっている。外部メモリーカードはファーウェイ独自のNMカード(最大256GB)に対応しており、デュアルSIMの2枚目のSIMカードとの排他利用になる。NMカードは128GBのものが5000円前後で販売されており、同容量のmicroSDメモリーカードと比べると、まだ2倍程度の価格差がある。

SIMカードはピンを挿して、取り出すタイプを採用。nanoSIMカード対応のデュアルSIMだが、2枚目のSIMカードはNMカードとの排他利用
同時に発表された「HUAWEI P40 lite E」は2枚のnanoSIMカードとmicroSDメモリーカードを同時に装着可能なトリプルスロットを採用

国内の5Gネットワークに対応

 モバイルネットワークについては4G LTE(FDD/TDD)に加え、5Gネットワークに対応しており、NTTドコモ、au、ソフトバンクが5Gで利用するバンドにも対応し、接続試験もクリアしているという。5GについてはNSAとSAの両モードをサポートし、5G VoNRにも対応する。国内の5Gネットワークはまだ「スポット」と呼べるレベルでしか利用できないが、ファーウェイとしてはすでにサービスを開始している海外の5Gネットワークも利用できること(回線契約が必要だが……)もメリットに挙げている。新型コロナウイルス対策のため、現在は海外渡航が難しい状況だが、ビジネスなどで、国内と海外を頻繁に行き来するユーザーには便利な点と言えそうだ。

出荷時に設定されてるNTTドコモ網のAPN。NTTドコモやMVNO各社のAPNが登録済みだが、「OCNモバイルONE(LTE)」は旧プランのみ
出荷時に設定されてるau網のAPN。au 5GのAPNが登録済み
出荷時に設定されてるソフトバンク網のAPN。ソフトバンクグループ内のワイモバイルやLINEモバイルだけでなく、mineoも登録されている
楽天モバイルもSIMカードを挿し、しばらくすると、APNが自動設定された

 今回は実際にau 5Gを契約したSIMカードを挿し、対応スポットで試してみたが、問題なく、利用することができた。ソフトバンク5Gについても試してみたが、こちらはソフトバンク5GのSIMカードをSIMフリー対応のものに切り替えなければならないため、ネットワークを認識しても実際に通信をすることができなかった。話は脱線するが、端末と回線契約を分離したのであれば、総務省はこうした制限も指導するべきではないだろうか。

au 5G契約のSIMカードを挿し、au 5Gエリア内で接続できた。「モバイルネットワークの種類」の「NR」が5G接続であることを表わす
何度か速度を測ってみたが、途中で4Gに切り替わってしまい、速度は150Mbpsオーバー止まり。ただし、、これはauのエリアの問題で、同時に試したau 5G契約のGalaxy S20 5Gでも同様の動作だった
スクリーンショットと同じ画面だが、アンテナピクト部分を拡大して、撮影。5Gの表示はあまり大きくない

 プラットフォームはAndroid 10ベースのEMUI 10.1を搭載する。基本的なユーザーインターフェイスはAndroid 10に準拠しており、ジェスチャー操作を基本としながらも設定を変更することで、[戻る]キーなどのナビゲーションキーを表示するユーザーインターフェイスにも変更できる。マルチウィンドウドックをマルチウィンドウ表示をはじめ、3本指を下方向にスワイプしてのスクリーンショット、端末を持ち上げるか、ダブルタップでの画面起動、着信時の耳に当てるだけの応答など、利便性の高い機能も数多く搭載されている。日本語入力についてはオムロンソフトウェア製「iWnn」が採用されている。

ホーム画面にはこれまでのEMUIを継承したが、Google Playなどのアイコンやフォルダはない
シンプルモードのホーム画面。アイコンが大きく表示され、見やすい
基本操作の標準設定はAndroid 10ベースのジェスチャー操作だが、従来と同じ3つのキーによるナビゲーションも選択可能
画面最上部から表示する通知パネルには「5G」のON/OFFを切り替えるのボタンも表示される
AI Tipsでは利用状況に合わせた通知が表示される。内容もカスタマイズが可能
HUAWEI AssitantのメニューではGoogleが提供していた「Google Lens」などの対抗サービスが並ぶ
ユーザー補助機能のメニュー内の「ショートカットとジェスチャー」では「3本指でスクリーンショット取得」「画面起動」「着信応答」など、ジェスチャーによる操作の設定が可能
大画面を活かし、画面を上下に分割して、2つのアプリを同時に利用できる
上半分で動画を再生しながら、下半分の画面でニュースなどをチェックできる
一部のアプリはフローティングウィンドウとして表示することも可能
パソコンとワイヤレスで接続したり、他の対応端末とデータをやり取りできる「Huawei SHare」にも対応

 アプリについては前述の通り、GMSに対応していないため、GoogleマップやGmailなどのアプリは利用できないが、ファーウェイ独自のHMSを搭載している。AppGalleryでは「LINE」や「NAVITIME」などの著名アプリも配信されており、少しずつ利用できる環境が整いはじめている。たとえば、メールについてはACCESSが開発した「CosmoSia」がAppGalleryで公開されており、これを使うことで、Gmailや各携帯電話会社のメールを送受信することができる。

AppGalleryにはおなじみのアプリも増え始めている
ランキングにもおなじみのアプリが並ぶ

AIクアッドカメラを搭載

 カメラについては、背面の左側に4つのレンズが並ぶAIクアッドカメラを搭載する。同時発表のHUAWEI P40 Pro 5Gはドイツの老舗光学機器メーカー「Leica」との協業によるカメラを搭載しているが、HUAWEI P40 lite 5Gはミッドレンジということもあり、ファーウェイ自ら開発したカメラが搭載される。とは言え、従来モデル同様、Leicaとの協業によるカメラ開発で培われた技術が活かされており、普及価格帯とは思えない写真を撮ることができる。

 まず、最上部に位置するのが800万画素のイメージセンサーにF2.4のレンズを組み合わせた超広角カメラで、ワイドアングルの撮影などに利用する。2つめがメインカメラで、1/1.7インチというかなり大きなサイズの6400万画素のイメージセンサーにF1.8のレンズを組み合わせる。3つめはポートレート撮影などで各カメラと組み合わせる被写界深度カメラ、4つめが接写などに利用するマイクロカメラで、これら2つのカメラはいずれも200万画素のイメージセンサーとF2.4のレンズを組み合わせている。

背面にはAIクアッドカメラを搭載。メインカメラの6400万画素イメージセンサーはセンサーサイズがフラッグシップと同じ1/1.7インチを採用

 カメラの基本的なユーザーインターフェイスは、従来のHUAWEI P30 liteのものを継承しており、撮影モードは画面中段やや下のモード名をタップするか、左右にスワイプして選ぶ。メインの「写真」、人物撮影に適した「ポートレート」、4K動画の撮影にも対応した「ビデオ」、感度を上げて夜景を美しく撮影できる「夜景」、ARを楽しめる「ARレンズ」が並び、「その他」にはマニュアル撮影ができる「プロ」、背景をぼかした撮影ができる「アパーチャ」、最大960fpsの撮影にも対応した「スロー」などが用意されている。新たに加わったモードとしては、マイクロカメラを利用した「スーパーマクロ」、メインカメラと超広角カメラで動画を撮影する「デュアル表示」、6400万画素イメージセンサーの解像度をフルに活かした「ハイレゾ」(6912×9216ドット)が搭載された。

超広角カメラで夜の風景を撮影
メインカメラで撮影。暗いところも改札付近の明るいところもきれいに撮影できている
2倍の望遠で撮影。ガラス張りの奥の鉄骨などもしっかり撮影できている
夜景モードで撮影。全体的にくっきりと撮影できている

 実際の撮影については、従来モデル同様、暗いところでも明るく撮影できる点など、ファーウェイ製端末のアドバンテージを引き継いでいる。製品情報などには説明されていないが、おそらく1/1.7インチの6400万画素イメージセンサーで、4つの素子を1つの素子にまとめる「ビニング」の技術を使うことで、夜景なども明るく撮影できているようだ。そのため、[写真]で撮影したときの解像度は「ハイレゾ」の1/4にあたる「4608×3456ドット」で撮影される。使い勝手の部分では最高解像度の[ハイレゾ]が[その他]から選ばなければ起動できないなど、細かい点に不満は残るが、AIによる被写体認識も堅実で、さまざまなシーンで誰でも手軽に美しい写真が撮影できる仕上がりと言えそうだ。

薄暗いバーで撮影。背景のボケ具合、ウイスキーの瓶の質感なども再現できている

5G対応端末ではもっともコストパフォーマンスの高い一台

 今年3月に主要3社が提供を開始したばかりの5Gサービス。これまでの携帯電話技術の世代の進化してきたときと同じように、新しい世代のデバイスはしばらく高価格帯が中心だろうと、誰もが予想していた。実際に、主要3社が発売した5G対応端末は、そのほとんどが10万円前後以上の値が付けられ、使い放題の料金プランに興味があってもなかなか手を出せないユーザーも多い。

 そんな中、ファーウェイから発売された5G対応端末「HUAWEI P40 lite 5G」は、ベストセラーを記録した従来モデルの仕様を受け継ぎながら、5Gネットワークに対応し、4万円を切る低価格を実現している。米中貿易摩擦の影響で、GMSを搭載した新機種を供給できなくなり、主要3社の5G対応端末のラインアップには採用されなかったが、国内のオープン市場に対し、グローバル向けに5G端末を展開してきた強みを活かしたモデルを投入してきた格好だ。Googleサービスが使えないという制限があるため、誰にでもおすすめできるモデルとは言いにくい面もあるが、自分でさまざまな情報を調べ、いろいろなアプリを試しながら使っていくスキルを持つユーザーにとっては、非常に楽しめる5Gスマートフォンであり、5G対応端末ではもっともコストパフォーマンスの高い一台であることは間違いない。

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