法林岳之の「週刊モバイルCATCH UP」

美しいボディとダブルレンズカメラが進化を遂げたHUAWEI honor 9

 SIMフリースマートフォンの幅広いラインアップで、着実に国内市場に浸透しつつあるファーウェイから、10月10日、もうひとつのブランドである「honor(オーナー)」シリーズの最新モデル「honor 9」が国内向けに発表された。本誌では速報記事や発表会レポートなどが掲載されるが、ひと足早く実機を試すことができたので、その使用感を交えながら、レポートしよう。

美しいボディとダブルレンズカメラが進化を遂げたHUAWEI honor 9 ファーウェイ 「HUAWEI honor 9」、約147.3mm(高さ)×70.9mm(幅)×7.45mm(厚さ)、約155g(重量)、グレイシアグレー(写真)、サファイアブルー
ファーウェイ 「HUAWEI honor 9」、約147.3mm(高さ)×70.9mm(幅)×7.45mm(厚さ)、約155g(重量)、グレイシアグレー(写真)、サファイアブルー

もうひとつのブランド「honor」

 国内市場においては、各携帯電話会社向けのモバイルWi-Fiルーターをはじめとしたデータ通信端末などで実績を重ね、SIMフリースマートフォンにおいても魅力的なモデルを幅広く揃えたラインアップで、着実に市場に浸透してきたファーウェイ。最近ではダブルレンズカメラを搭載した「HUAWEI P9」「HUAWEI Mate 9」「HUAWEI P10」など、カメラ機能にこだわったモデルが注目を集め、さらに幅広いユーザー層に拡大しつつある。

 そんなファーウェイのもうひとつのブランドに位置付けられるのが「honor(オーナー)」シリーズだ。honorシリーズは元々、同社が一般の販売チャネルとは別に、オンラインのみで販売されるモデルとして展開された経緯があり、既存のファーウェイ製端末とは少し位置付けが異なる。そのため、本体にはファーウェイ製端末ではおなじみの蓮をモチーフにしたブランドロゴや「HUAWEI」の文字はプリントされておらず、外観だけではどこのスマートフォンなのかがわからないデザインとなっている。

 少し変わった位置付けにあるhonorシリーズだが、本体そのものは過去のモデルも既存のファーウェイ製端末と変わらない、あるいはより新しい取り組みを実現してきた経緯もある。たとえば、今や各社のスマートフォンが積極的に取り組みはじめた2つの背面カメラは、2014年12月に発表されたhonor 6 Plusでいち早く採用しており、そこで培われたノウハウがその後のHUAWEI P9やHUAWEI Mate 9、HUAWEI P10に継承されている。

 国内市場においては、2015年6月に楽天モバイルのみの取り扱いという形で、honor 6 Plusの販売が開始され、その後、2016年9月には後継モデル「honor 8」が同じく楽天モバイルから発売されている。

 今回発表された「honor 9」は、今年6月にグローバル向けに発表されたモデルで、国内向けには楽天モバイルのほか、MVNO各社からも販売される。価格帯としてはHUAWEI P10とHUAWEI P10 liteの中間的なポジションになると予想され、はじめてのSIMフリースマートフォンとしても既存のSIMフリースマートフォンの買い換えとしても手に取りやすい位置付けのモデルになりそうだ。

3D曲面ガラスによる美しいデザイン

美しいボディとダブルレンズカメラが進化を遂げたHUAWEI honor 9 従来のhonor 8(左)と今回発表されたhonor 9(右)。サイズ感は変わらないが、指紋認証センサーを前面に装備する
従来のhonor 8(左)と今回発表されたhonor 9(右)。サイズ感は変わらないが、指紋認証センサーを前面に装備する
美しいボディとダブルレンズカメラが進化を遂げたHUAWEI honor 9 honor 8(左)のとhonor 9(右)の背面。指紋センサーが前面に移動したため、背面はかなりすっきりとしたデザイン
honor 8(左)のとhonor 9(右)の背面。指紋センサーが前面に移動したため、背面はかなりすっきりとしたデザイン

 まず、外観から見てみよう。最近のファーウェイ製端末はデザインと仕上げの良さでも高い評価を得つつあるが、国内向けにはじめて投入されたhonor 6 Plusはシンプルでフラットなスレート状のボディで、ゴールドのボディカラーが目立っていた印象だった。昨年のhonor 8はボディ周囲に少し丸みを持たせたデザインで、ボディそのものも少しコンパクトにまとまっていた。これらに対し、今回のhonor 9は背面を両側面に向かって、カーブさせたボディでまとめ、突起のない美しいシームレスなデザインに仕上げている。なかでも背面は15層のコーティングに加え、3D曲面ガラスが使われており、見る角度によって、光り方やカラーのイメージが変化する美しい仕上げとなっている。ボディ幅は約70.9mmで、従来のhonor 8とほぼ同じだが、背面の両側面がカーブさせたことで、手に持ったときの印象は従来モデルよりも薄く感じられる。

美しいボディとダブルレンズカメラが進化を遂げたHUAWEI honor 9 15層のコーティングを施した背面は光の当たり方によって、さまざまなフェイスを見せる
15層のコーティングを施した背面は光の当たり方によって、さまざまなフェイスを見せる
美しいボディとダブルレンズカメラが進化を遂げたHUAWEI honor 9 従来のhonor 8(右)に比べ、背面の両端をカーブさせることで、スリムで持ちやすいボディ形状を実現している
従来のhonor 8(右)に比べ、背面の両端をカーブさせることで、スリムで持ちやすいボディ形状を実現している
美しいボディとダブルレンズカメラが進化を遂げたHUAWEI honor 9 上面はマイクが内蔵されているのみ。背面側のカメラ部もフラットに仕上げられている
上面はマイクが内蔵されているのみ。背面側のカメラ部もフラットに仕上げられている

 ディスプレイは約5.15インチのフルHD対応IPS液晶を採用する。従来のhonor 8の約5.2インチに比べ、わずかに小さくなったが、実利用では大きさの違いを感じないレベルだ。ディスプレイはデジタルシネマ規格のDCI-P3色域で96%を実現しており、映像コンテンツなどを美しく再生することができる。ちなみに、honor 9は同社の「ウルトラワイド3D音響技術」によるバーチャルサラウンドも利用可能で、端末のみで映像コンテンツを再生するときに迫力あるサウンドを楽しめる。

美しいボディとダブルレンズカメラが進化を遂げたHUAWEI honor 9 外部接続端子はUSB Type-Cを採用。3.5mmイヤホンマイク端子も備える。
外部接続端子はUSB Type-Cを採用。3.5mmイヤホンマイク端子も備える。
美しいボディとダブルレンズカメラが進化を遂げたHUAWEI honor 9 右側面は上側に音量キー、下側に電源キーをレイアウト。他のファーウェイ製端末と基本的には共通
右側面は上側に音量キー、下側に電源キーをレイアウト。他のファーウェイ製端末と基本的には共通
美しいボディとダブルレンズカメラが進化を遂げたHUAWEI honor 9 左側面にはSIMトレイを装備。ピンを挿して、取り出すタイプ
左側面にはSIMトレイを装備。ピンを挿して、取り出すタイプ

 ディスプレイの下には指紋認証センサーを搭載する。従来モデルでは背面に円形の指紋認証センサーを搭載していたが、honor 9もHUAWEI P10などと同じように、前面にレイアウトされた。ただし、指紋認証センサーそのものはHUAWEI P10などに採用されている凹型のものではなく、楕円形のメタルリングが使われた指紋認証センサーが採用されている。指紋認証センサーはAndroidプラットフォームのホームキーの役割も兼ねており、その左右には戻るキー、履歴キーが割り当てられている。ナビゲーションキーの配列は設定が面内で変更することが可能で、指紋認証センサーの操作によって、ナビゲーションキーを統合することも可能だ。このあたりは基本的にHUAWEI P10シリーズなどのソフトウェアを継承していると考えていいだろう。ちなみに、ナビゲーションライトは5秒後に消灯するか、常時点灯を選ぶことができる。ただ、今回の試用で少し気になったのは、指紋認証センサーの両隣のナビゲーションライト(ナビゲーションキーの位置を表わすライト)が小さな1つのLEDのみで、視認性が今ひとつという点だ。LEDが透過する部分が小さな点で、ナビゲーションキーのレイアウトを変更しても何も変わらないため、使い始めたときや変更したときは、少し戸惑うかもしれない。ちなみに、ナビゲーションライトは5秒後に消灯するか、画面消灯まで点灯を選ぶことができる。

美しいボディとダブルレンズカメラが進化を遂げたHUAWEI honor 9 指紋認証センサーはHUAWEI P10などで採用されている凹型ものではなく、楕円形のリングを利用した一般的なデザインのものを搭載。左右両隣のフラットなエリアに、ナビゲーションキーの戻るキーと履歴キーが割り当てられている
指紋認証センサーはHUAWEI P10などで採用されている凹型ものではなく、楕円形のリングを利用した一般的なデザインのものを搭載。左右両隣のフラットなエリアに、ナビゲーションキーの戻るキーと履歴キーが割り当てられている
美しいボディとダブルレンズカメラが進化を遂げたHUAWEI honor 9 指紋認証センサーの設定画面。特定のアプリの起動にロックをかけるといった設定もできる。
指紋認証センサーの設定画面。特定のアプリの起動にロックをかけるといった設定もできる。
美しいボディとダブルレンズカメラが進化を遂げたHUAWEI honor 9 ナビゲーションキーは左右を入れ替えるなど、カスタマイズが可能。指紋センサーをタッチする操作に統合することもできる
ナビゲーションキーは左右を入れ替えるなど、カスタマイズが可能。指紋センサーをタッチする操作に統合することもできる

 CPUはHUAWEI Kirin 960 オクタコアを採用し、4GB RAMと64GB ROMを搭載する。最大256GBまでのmicroSDメモリーカードを搭載可能で、本体側面のSIMカードスロットのトレイに装着するしくみとなっている。

美しいボディとダブルレンズカメラが進化を遂げたHUAWEI honor 9 従来モデルに引き続き、デュアルSIM&デュアルスタンバイ(DSDS)に対応。ただし、4G(LTE)接続時はもう片方が3G接続になる
従来モデルに引き続き、デュアルSIM&デュアルスタンバイ(DSDS)に対応。ただし、4G(LTE)接続時はもう片方が3G接続になる

 SIMカードトレイは側面からピンを挿して取り出す構造で、SIMカードはnanoSIMを採用する。microSDメモリーカードとの排他利用になるが、デュアルSIMも利用可能で、DSDS(Dual SIM/Dual Stanby)にも対応する。ただし、片方がLTEで接続しているときは、もう片方は3Gまでの対応になる。対応バンドの詳細は速報記事を確認していただきたい。今回の試用ではNTTドコモの回線を利用したBIGLOBE mobileのSIMカードを利用した。au系MVNOについては対応していないとされているが、LTEでの接続は可能で、データ通信契約のSIMカードを装着したところ、モバイルデータ通信は利用することができた。

美しいボディとダブルレンズカメラが進化を遂げたHUAWEI honor 9 SIMトレイはnanoSIMカードのデュアルSIM対応だが、2枚目のSIMカードはmicroSDメモリーカードと排他利用。通常は左側に1枚目を装着し、右側の広い穴にmicroSDメモリカードか、2枚目のnanoSIMカードを装着する
SIMトレイはnanoSIMカードのデュアルSIM対応だが、2枚目のSIMカードはmicroSDメモリーカードと排他利用。通常は左側に1枚目を装着し、右側の広い穴にmicroSDメモリカードか、2枚目のnanoSIMカードを装着する
美しいボディとダブルレンズカメラが進化を遂げたHUAWEI honor 9 今回試用した製品に登録されていたAPNの一覧。国内の主要MVNO及び携帯電話会社のAPNが設定済み
今回試用した製品に登録されていたAPNの一覧。国内の主要MVNO及び携帯電話会社のAPNが設定済み

 バッテリーは3200mAhの大容量のものを本体に内蔵しており、付属のACアダプターによる9V/2Aの急速充電にも対応する。底面の外部接続端子は従来モデルに引き続き、USB Type-Cを採用する。

美しいボディとダブルレンズカメラが進化を遂げたHUAWEI honor 9 ホーム画面の基本デザインはこれまでのファーウェイ製端末と共通
ホーム画面の基本デザインはこれまでのファーウェイ製端末と共通
美しいボディとダブルレンズカメラが進化を遂げたHUAWEI honor 9 設定画面はアイコンや一部の設定内容も表示され、わかりやすい
設定画面はアイコンや一部の設定内容も表示され、わかりやすい
美しいボディとダブルレンズカメラが進化を遂げたHUAWEI honor 9 ステータスパネルをすべて表示すれば、さまざまな機能をワンタップで起動できる
ステータスパネルをすべて表示すれば、さまざまな機能をワンタップで起動できる
美しいボディとダブルレンズカメラが進化を遂げたHUAWEI honor 9 画面を縮小表示する「ミニ画面表示」もサポートされる
画面を縮小表示する「ミニ画面表示」もサポートされる
美しいボディとダブルレンズカメラが進化を遂げたHUAWEI honor 9 新たに搭載された「画面分割ジェスチャー」では指関節で図のように操作すると、画面を分割して、複数のアプリを表示可能
新たに搭載された「画面分割ジェスチャー」では指関節で図のように操作すると、画面を分割して、複数のアプリを表示可能
美しいボディとダブルレンズカメラが進化を遂げたHUAWEI honor 9 画面分割ジェスチャーで、ブラウザのほかに、もうひとつのアプリの選択画面を表示
画面分割ジェスチャーで、ブラウザのほかに、もうひとつのアプリの選択画面を表示
美しいボディとダブルレンズカメラが進化を遂げたHUAWEI honor 9 独自のセキュリティ及びプライバシー機能として、ウイルススキャンも搭載
独自のセキュリティ及びプライバシー機能として、ウイルススキャンも搭載

P10シリーズ譲りのダブルレンズカメラ

 昨年~今年にかけて、スマートフォンのカメラのトレンドと言えば、やはり、デュアルカメラが挙げられる。なかでもファーウェイはHUAWEI P10やHUAWEI P10 Plus、HUAWEI Mate 9などで高い評価を受けているが、冒頭でも触れたように、実はhonor 6 Plusでいち早くダブルレンズカメラに取り組んでおり、そこにLeicaの技術を組み合わせることで、HUAWEI P10シリーズをはじめとした各機種の高い評価を得ることに成功している。

美しいボディとダブルレンズカメラが進化を遂げたHUAWEI honor 9 背面のデュアルカメラは外観こそ、従来モデル(下側)とほぼ同じだが、スペックは大幅に向上している
背面のデュアルカメラは外観こそ、従来モデル(下側)とほぼ同じだが、スペックは大幅に向上している

 今回のhonor 9も従来のhonor 8に引き続き、背面にダブルレンズカメラを搭載する。2つのカメラを組み合わせた構成は、機種によって、アプローチが異なるが、全体的にはiPhone 8の広角と望遠のように、異なる焦点距離のレンズを組み合わせるタイプが多い。これに対し、honor 9のメインカメラはHUAWEI P10やHUAWEI P10 Plusの流れを継承し、1200万画素のカラーセンサーと2000万画素のモノクロセンサーで構成し、これにF2.2のレンズを組み合わせる。オートフォーカスは像面位相差、コントラスト、レーザー、デプスの4-in-1ハイブリッドフォーカスを採用する。

美しいボディとダブルレンズカメラが進化を遂げたHUAWEI honor 9 多彩な撮影モードに対応。「3Dパノラマ」「3Dクリエータ」はこれまでのモデルにない注目機能
多彩な撮影モードに対応。「3Dパノラマ」「3Dクリエータ」はこれまでのモデルにない注目機能
美しいボディとダブルレンズカメラが進化を遂げたHUAWEI honor 9 「プロ写真」モードで起動すれば、ISOや露出、シャッター速度などを自由に変更できる
「プロ写真」モードで起動すれば、ISOや露出、シャッター速度などを自由に変更できる

 honor 9のダブルレンズカメラは、レンズや画像処理技術こそ、Leicaのものが採用されているわけではないが、イメージセンサーなどの構成はHUAWEI P10やHUAWEI P10 Plusのものを継承しており、ボケ味を活かした撮影が可能なポートレートモード、撮影後にもピントを合わせる位置を変更可能なワイドアパーチャ、暗いところでの撮影に強い夜間撮影モード、切り出しを利用した2倍のハイブリッドズームなどをサポートしており、HUAWEI P10シリーズで培われた技術もしっかりと活かされている。

 ところで、ファーウェイ製端末と言えば、顔を撮影したときの補正機能として、「ビューティモード」を早い時期からサポートし、国内外の女性ユーザーを中心にたいへん高い支持を得てきた実績を持つ。ところが、HUAWEI P10とHUAWEI P10 PlusではLeicaとの絡みが強くなったこともあり、ビューティモードが制限されるなど、カメラの仕様が少し変わってきている。これに対し、今回のhonor 9はこれまでのビューティモードがそのまま搭載されており、従来と同じように簡単に使うことができる。どちらが優れているというわけではないが、自撮りを含む人物写真を手軽に楽しく撮影するのであれば、やはり、ビューティモードがサポートされたhonor 9にアドバンテージがあると言えそうだ。

美しいボディとダブルレンズカメラが進化を遂げたHUAWEI honor 9 比較的、明るい室内で撮影。背景がうまくぼけている(モデル:吉川ひとみ)
比較的、明るい室内で撮影。背景がうまくぼけている(モデル:吉川ひとみ)
美しいボディとダブルレンズカメラが進化を遂げたHUAWEI honor 9 いつもの暗いバーで撮影。人の眼で見たときと同程度の明るさを確保(協力:barnitas)
いつもの暗いバーで撮影。人の眼で見たときと同程度の明るさを確保(協力:barnitas

 また、ちょっと変わった撮影機能としては、「3Dパノラマ」と呼ばれるモードが搭載されている。一般的なパノラマ撮影は、風景などをワイドに撮影するものだが、3Dパノラマは被写体の周囲を回るように撮影することで、立体的な様子を撮影できるというものだ。撮影した写真を端末で再生すると、パノラマ写真を再生するときと同じように、写真を左右にスワイプして、回転させながら楽しむことができる。3Dモデリングのような撮影機能ではないが、お手軽に立体感を楽しめる写真が撮影できるのは、なかなかアプローチと言えそうだ。ただ。撮った3Dパノラマ写真をパソコンなどに取り込んでも通常の静止画として表示されるのみなので、周囲への拡がりを考えると、少し気になるところだ。

ダブルレンズカメラによる撮影を手軽に楽しめる一台

 ここ数年、国内ではSIMフリースマートフォンを中心としたオープン市場が一気に拡大し、多くのユーザーの選択肢のひとつとして、確実に定着した感がある。各社から発売されるSIMフリースマートフォンも単純に価格だけを重視するのではなく、新しいスマートフォンの可能性を拡げる機能を搭載したモデルが人気を集めている。ある意味、国内市場らしい反応と言えるが、なかで特徴的なのが昨年のHUAWEI P9やHUAWEI Mate 9、今年のHUAWEI P10に搭載されたダブルレンズカメラ(デュアルカメラ)と言えるだろう。すでに、iPhone 7 PlusやiPhone 8 Plusをはじめ、ライバルメーカーも次々とデュアルカメラを搭載したモデルを発表、発売してきているが、いち早く取り組んできたファーウェイ製端末には一日の長があり、ユーザーからの評価も高い。

 今回発表されたhonor 9は、国内向けに初めてダブルレンズカメラを搭載したhonor 6 Plus、昨年来、好評を得てきたhonor 8の流れを継承し、HUAWEI P9をはじめとする主力のダブルレンズカメラ搭載モデルで培われてきたノウハウも活かしながら開発された端末という位置付けになる。HUAWEI P10のように、Leicaというカメラ業界の老舗ブランドという強力なパートナーの存在はないが、逆にLeicaという制約がなくなった分、ビューティモードをはじめとするファーウェイ独自の機能が搭載されており、誰でも手軽にダブルレンズカメラのポテンシャルを楽しむことができる端末に仕上げられている。価格的にはHUAWEI P10などを確実に下回ると予想されており、当初は4万円前後程度で販売されるのではないかと見られる。ダブルレンズカメラをはじめ、ファーウェイが持つ独自のスマートフォンの楽しさを手軽に体験したいユーザーなら、ぜひチェックしておきたい一台と言えるだろう。

法林 岳之

1963年神奈川県出身。携帯電話・スマートフォンをはじめ、パソコン関連の解説記事や製品試用レポートなどを執筆。「できるゼロからはじめる iPhone 7/7 Plus超入門」、「できるゼロからはじめるAndroidスマートフォン超入門」、「できるポケット HUAWEI P9/P9 lite基本&活用ワザ完全ガイド」、「できるWindows 10b」、「できるゼロからはじめる Windows タブレット超入門 ウィンドウズ 10 対応」(インプレス)など、著書も多数。ホームページはこちらImpress Watch Videoで「法林岳之のケータイしようぜ!!」も配信中。