法林岳之の「週刊モバイルCATCH UP」

美しく上質なデザインをまとい、新世代へ生まれ変わった「iPhone 8/8 Plus」

iPhone 8 Plus

 9月12日、アップルは米国・サンノゼの新社屋敷地内に建設された「Steve Jobs Theater」において、Special Eventを開催し、「iPhone 8」「iPhone 8 Plus」「iPhone X」「Apple Watch Series 3」「Apple TV 4K」を発表した。

 これらのうち、iPhone 8とiPhone 8 Plusについては、発表会直後の9月15日から予約の受付が始まり、9月22日に発売される。数日間という短い期間だが、この2機種をひと足早く試すことができたので、スペックなどを確認しながら、レビューをお送りしよう。

iPhone 8

iPhoneが切り開き、積み重ねてきた10年

 2007年に米国で初代iPhoneが発売されてから10年が経つ。さまざまな革新的な機能を美しいデザインと洗練されたユーザーインターフェイスで仕上げることで、iPhoneはそれまでにはなかった新しいデジタルツールとして、市場に投入された。当初、「高機能なケータイ(フィーチャーフォン)が広く普及している日本では、難しいのではないか」と見る向きもあった。筆者自身も少なからず、そう考えていた一人だ。

 しかし、iPhoneは今や国内市場の半数を占めるところまで、浸透してきた。これはアップルがモバイルツールに厳しい眼を持つ日本のユーザーの期待にしっかりと応えてきたからであり、同時に、国内の各携帯電話会社の積極的なプロモーションが強く後押ししたことも大きく影響しているだろう。

 今回のSpecial Eventのプレゼンテーションでも触れられたが、この10年を振り返ってみると、iPhoneは現在のスマートフォンの標準とも言える技術や仕様をいち早く採用し、対応してきた。例えば、初代モデルでサポートされたマルチタッチをはじめ、iPhone 5から採用されたnanoSIM、同じくiPhone 5で国内対応がスタートしたLTE、iPhone 5sから搭載された指紋認証センサーのTouch IDなどが挙げられる。また、iPhone 6/6 Plusではキャリアアグリゲーションに対応、iPhone 7/7 Plusでは日本ユーザー待望の防水に加え、FeliCaを利用したApple Payのサービスも開始した。

 iPhoneに関連するサービスについてもiTunes MatchやApple Musicによる音楽環境の充実、Apple TVによる家庭用テレビでのコンテンツ視聴、Apple Watchとの連携による新しいライフスタイルなど、さまざまな利用シーンにおいて、ユーザーがiPhoneを最大限に活用できる環境を整え、着実に支持を拡げてきている。

 デジタルツールはハードウェアやソフトウェア、機能などが成熟し、毎日の生活や仕事に融け込むようになっていくと、コモディティ化が進み、ユーザーからもあまり意識されなくなってしまうことがある。しかし、10年という年月を重ね、着実に進化を続けてきたiPhoneは、常に新しい驚きや発見をユーザーに提案し、ユーザーもそれを楽しく活用してきた。

iPhone X

 今回、Special EventではiPhone 8/8 Plusと同時に、「iPhone X」も発表された。「スマートフォンの将来」を指し示すとされるiPhone Xだが、iPhone 8/8 PlusはiPhoneがこれまでの10年間に積み重ねてきたものをベースに、最新の技術と最高のデザインでまとめ上げた“新世代のスマートフォン”という位置付けになる。

強化されたガラスで仕上げられた美しいボディ

 iPhoneはこれまで、ハードウェアの進化だけでなく、数回、本体のデザインも一新してきた。初代モデルからiPhone 3G/3GSまでは、背面に丸みを帯びたボディを採用していたが、iPhone 4/4sでは周囲に金属のフレームを備えたソリッドなデザインに一新し、iPhone 5/5sでは背面を金属ボディにまとめながら、スリム化を実現することで、一段とシャープなデザインに仕上げていた。

 ディスプレイサイズの違いにより、2モデルに分化した2014年のiPhone 6/6 Plusでは、全体的に丸みを持たせたスリムなデザインに仕上げ、新しいiPhoneの方向性を打ち出した。

iPhone 8(左)とiPhone 8 Plus

 発表されたiPhone 8/8 Plusは、一見、iPhone 6/6 Plusから続くデザインを継承し、従来のiPhone 7/7 Plusとも同じように見受けられてしまいそうだが、実はこれまでと大きく違う点がある。iPhone 8/8 Plusでは、iPhone 4/4sのときと同じように、前面にだけでなく背面にもガラスで仕上げた構造を採用している。手に持ったときの印象は、これまでのソリッドな印象とは異なり、上質で落ち着きのある触感になった。アルミニウム7000シリーズの筐体とも相まって、非常に美しい仕上がりだ。筆者自身も含め、iPhoneはカバーを装着して利用する人が多いが、この上質な仕上がりはカバー無しでも持ち歩きたくなりそうだ。

 ちなみに、背面がガラス仕上げになったことで、強度を気にするユーザーも多いだろうが、iPhone 8/8 Plusに採用されているガラスは、従来よりも50%の強度アップが図られ、スマートフォンのガラスとして、もっとも丈夫なものを採用しているという。もちろん、乱暴に扱えば、割ったり、傷を付けてしまう可能性は否定できないが、AppleCare+ for iPhoneや各携帯電話会社の補償サービスに加入しておけば、より安心して、iPhone 8/8 Plusを利用することができるはずだ。

 ディスプレイは従来モデルに引き続き、iPhone 8 Plusが5.5インチ、iPhone 8が4.7インチのIPS液晶によるRetinaディスプレイを搭載する。解像度やコントラストなどの仕様は従来と変わりないが、iPhone 8/8 PlusはiPad Proにも搭載されたTrue Toneディスプレイとなっている。True Toneディスプレイは周囲の光源や明るさに合わせ、ディスプレイの明るさや色合いを自動的に調整するというものだ。ユーザーがiPhoneを使う限り、常に目にすることになるディスプレイだからこそ、視認性や見やすさに配慮しているわけだ。

 ところで、背面がガラス仕上げになったことには、もうひとつ他の機能と因果関係がある。それはQi規格準拠のワイヤレス充電への対応だ。ワイヤレス充電はかつて国内ではNTTドコモが「おくだけ充電」として、普及を図ろうとしたものの、なかなか普及が進まなかった経緯がある。しかし、ここ数年、国内外の複数のスマートフォンで採用されるなど、対応機種をじわじわと増やしている。iPhone 8/8 Plusへの搭載をきっかけに、再び普及が進むことになりそうだ。

 ワイヤレス充電のメリットは改めて説明するまでもないが、LightningケーブルでACアダプターを接続しなくても、充電台の上に置けば、自動的に充電できることにある。かつてはケーブル接続の充電に比べ、充電の速度が遅く、今ひとつ使い勝手が良くないと言われたが、現在のワイヤレス充電は以前の対応製品に比べ、充電時間も短縮されており、十分に実用レベルに達している。

 アップルストアでも扱われているbelkinのワイヤレスチャージャーをはじめ、筆者の手元にある市販のワイヤレス充電器などでも充電してみたが、いずれの環境も問題なく、充電することができた。充電を急ぎたいときは、ACアダプターとLightning-USBケーブルの接続がベターだが、オフィス滞在時など、すぐに持ち出す状態やちょっとした空き時間の充電には、接続の手間がないワイヤレス充電が有効だ。ケーブルの断線や互換性などの問題にも悩むことがないので、身近な場所に充電できる環境はひとつ作っておくと便利だろう。

 ちなみに、このワイヤレス充電への対応とガラス仕上げの影響もあって、iPhone 8/8 Plusの重量は、昨年のiPhone 7/7 Plusに比べ、iPhone 8 Plusで14g増の202g、iPhone 8で10g増の148gとなっている。iPhone 8はそれほど違いを感じないが、iPhone 8 Plusは手に持って、わかるほどの違いなので、実際に購入するときは実機で確かめてみることをおすすめしたい。

iPhone 8
iPhone 8 Plus

撮る楽しさが一段と広がる12MPデュアルカメラ

 今やスマートフォンにとって、欠かせない機能のひとつであるカメラ。特に、最近ではFacebookやTwitter、InstagramをはじめとするSNSの普及により、いかにキレイな写真が撮影できるか、いかに見映えのする(俗にいう「インスタ映え」)写真が撮れるかがユーザーにとって、重要な関心となっている。その点、iPhoneのカメラは難しい設定や専門的な知識がなくても誰でも常に安定したクオリティの写真を撮影できることで高い評価を得ている。2016年モデルのiPhone 7 Plusでは新たにデュアルカメラを搭載し、少し離れた被写体もキレイに撮影できる環境を実現した。

 今回、iPhone 8のメインカメラは、12MピクセルのイメージセンサーにF値1.8のレンズを備える。iPhone 8 Plusには12Mピクセルのデュアルカメラが搭載されており、ワイドカメラははF1.8、望遠カメラはF2.8のレンズを組み合わせ、いずれも光学手ブレ補正に対応する。スペックだけを見れば、iPhone 7/7 Plusと同じカメラだと考えてしまいそうだが、イメージセンサーは新設計のものが採用されており、iPhone 8 Plusには今までにない新しい撮影機能も追加されている。

 デュアルカメラを搭載するスマートフォンはiPhone 7 Plus以降も少しずつ増えてきているが、その使い道は機種によって異なる。ごくシンプルに、標準と望遠、あるいは標準と広角など、画角の違う写真を撮影できることをアピールする機種もあれば、被写界深度を変更して、ピントの合う位置を調整できる機種もある。従来のiPhone 7 Plusでは標準と2倍ズームとデジタルを組み合わせた10倍ズーム、ポートレートモードによるボケ味の利いた写真を撮影できるようにしていたが、これらの機能は今回のiPhone 8 Plusにも継承され、ポートレートモードはβ版から正式版へと進化している。

 これに加え、iPhone 8 Plusで新たに追加されたのが「ポートレート・ライティング」という機能だ。これはポートレート(人物写真)を撮影するとき、ライティングのテイストを変更できるというもので、「自然光」「スタジオ照明」「輪郭強調照明」「ステージ照明」「ステージ照明(モノ)」という5つのパターンが用意されている。

 このうち、「自然光」は一般的なライティングだ。「スタジオ照明」では、スタジオで照明を当てたときのように表情を明るく撮影でき、「輪郭強調照明」では明るいところと暗いところのコントラストを強調して、少し違った雰囲気の写真を撮影できる。「ステージ照明」は背景を真っ黒にすることで、ステージでピンスポットを当てたような写真になり、「ステージ照明(モノ)」はそのモノクロバージョンということになる。それぞれに独特のテイストがある写真を撮影でき、なおかつそれらが非常に自然に仕上げられているというのが特長だ。

 いわゆるプリクラ的な不自然な写真ではなく、被写体本来の美しさを照明というエフェクトによって引き出す『写真撮影』らしいアプローチで仕上げているところは、非常にユニークなものであり、高く評価できる。

モデル:篠崎ゆき

 スマートフォンでの撮影というと、自分撮りや料理の写真、旅先の写真などが中心で、『撮る』楽しみはあまり追求されてこなかった感があるが、プロのライティングの技術を研究して創り出したポートレート・ライティングは、スマートフォンのカメラ撮影に新しい『撮る楽しさ』を加える機能であり、ぜひ多くの人に体験してみて欲しい機能だ。

 また、メインカメラでの撮影については、筆者が普段、レビューなどでチェックしている薄暗いバーでの撮影も試してみた。仕上がりを見てもわかるように、非常にナチュラルで美しい写真を撮ることができた。見た目の明るさよりも明るく撮るという方向性ではないものの、従来に比べると、ノイズが抑えられ、暗いところでもキレイな仕上がりの写真が撮影できた。

今までにない体験が楽しめるARや3Dゲーム

 スマートフォンのカメラは本来、写真やムービーを撮るためのものだが、最近ではカメラを使った新しいエンターテインメントやコンテンツが増えてきている。そのひとつが「AR(拡張現実)」だ。ARはユーザーが端末などを通して見ている実際の世界に、CGで描いたグラフィックなどを重ねて表示するものになる。昨年、国内外で爆発的なヒットを記録した「Pokémon GO」でもARによる表示が採用され、道路にあたかもポケモンが存在するかのような表示ができた。ただ、これまでのARは、カメラを通して見えている世界に、シンプルにグラフィックを貼り付けたという印象のもので、現実世界の空間と今ひとつマッチしていない部分もあった。

 今回のiPhone 8/8 Plusに搭載されているiOS 11では、「ARKit」と名付けられた高精度のAR機能を搭載しており、これを使ったさまざまなゲームやエンターテインメント、コンテンツが提供される。たとえば、IKEAがβ版として開発中のアプリでは、部屋の床の平らなスペースを認識し、そこにソファやテーブルを置くことができ、スマートフォンを通して、あたかもそこに本物のソファやテーブルが存在するかの表示ができる。ゲームアプリであれば、部屋の床や平たいテーブルのスペースを認識し、そこにゲームの盤面を拡げたり、屋外であれば、ロボットなどのキャラクターを広場に表示できたりするわけだ。

AR対応アプリ「Thomas & Friends Minis」は「きかんしゃトーマス」のキャラクターを部屋の中で走らせることができる

 iOS 11のARKitがこれまでのARと異なるのは、平らな場所を認識して、正しい向きに対象物を置くことができる高精度なARであるという点であり、リアリティはかなり高いと言える。今回はβ版として公開されているアプリをいくつか試すことができたが、手狭で散らかっている筆者宅ではちょっと場所探しに苦労するものの(笑)、オフィスの会議室などでスペースを確保できたときは、いろいろなコンテンツを手軽に楽しむことができた。日本の開発会社が日本の利用環境を考慮したゲームが提供されるようになれば、もっとARコンテンツの世界にハマることになるかもしれない。

 また、iPhone 8/8 PlusによるARの環境は、ゲームなどのエンターテインメントばかりというわけではない。iPadシリーズでも展開されているように、教育分野への応用も進んでおり、今回は人体の心臓の動きを知ることができる「Insight Heart」、星座などを確認できる「Sky Guide AR」を試すことができた。いずれも現実空間とのマッチングがリアルで(心臓はちょっと怖い?)、グラフィックの動きもなめらかで自然な印象だった。このあたりはARに合わせて、カメラやセンサーをチューニングしたiPhone 8/8 Plusならではの強みと言えるだろう。

AR対応アプリ「Sky Guide AR」を使えば、昼間からでもどの方向にどの星座があるのかを重ねて表示できる

使いやすさを考えて進化したiOS 11

 今回のiPhone 8/8 Plusには出荷時にiOS 11がプリセットされている。iOS 11は既存のiOSデバイスにも9月20日から配信される予定だが、いくつか代表的な機能について、触れておこう。

 まず、ホーム画面やロック画面のレイアウトなどは、基本的に従来と変わらない。パスコード入力画面のデザインなど、一部は変更されているが、これまでiPhoneを利用してきたユーザーなら、戸惑うことはないだろう。ちょっとユニークなのがロック画面で、時刻のみが表示されている状態から、下から上へスワイプすると、最近の通知が表示されるため、見逃した通知などを再確認できる。ちなみに、通知についてはおやすみモードを応用し、運転中に通知をしないモードも用意された。運転中にメッセージを送ってきた相手に対し、運転中である旨を返信する機能も利用可能だ。

iOS 11のホーム画面。基本的なレイアウトは変わらないが、各アプリのアイコンなどのデザインも一新される
iOS 11のコントロールセンター。下からスワイプして表示するのは同じだが、デザインが一新され、カスタマイズが可能

 ホーム画面の下方向からスワイプしたときに表示されるコントロールセンターは、デザインが一新された。従来のコントロールセンターは画面の下半分よりも少ないスペースに表示されていたが、iOS 11では画面の半分以上のスペースを占めるほど、大きく表示されるようになり、明るさや音量のスライダーもデザインが変更され、操作しやすくなった印象だ。コントロールセンター内で3D Touch(アイコンを押し込む操作)を使い、いくつかのショートカットコマンドを表示することも可能だ。

 そして、コントロールセンターでもう1つ便利なのが、カスタマイズが可能になったことだ。設定画面で「コントロールセンター」→「カスタマイズ」の順にタップすると、コントロールセンターの表示する機能を追加したり、削除することができる。よく使う標準機能などを登録し、すぐに起動できるようにしておくと便利だろう。

 少しかわったところでは、日本語入力でテンキーを表示しているとき、キーボードを左右いずれかの方向にずらす機能が追加された。コンパクトなiPhone 8であれば、ストレスを感じるユーザーは少なさそうだが、iPhone 8 Plusはボディ幅を考慮すると、左右いずれかに寄っていた方が使いやすく感じるユーザーがいそうだ。切り替えは文字入力パレット文字種切り替え(地球のアイコン)を長押しし、表示されたメニュー最下段のキーボードのアイコンをタップするだけだ。

 さらに、今後、iPhoneやiPadを買い換えたり、買い足したりするときに便利な「クイックスタート」という機能も搭載された。これは近くにiOS 11が動作するiPhoneやiPadがある状態で、初期状態のiOS 11がプリセットされたiPhoneやiPadを近づけると、元のデバイスで利用していた同じApple IDを使って、サインインして、必要な初期設定がほぼ自動的に行なわれる。今後、iPhone 8/8 Plus/Xに買い換えるときは、先に元のデバイスをiOS 11にアップデートしておくと、より簡単に移行できることになるはずだ。

 そして、iOS 11自体の話題というわけではないが、今回のiPhone 8/8 Plusには、従来のiPhone 7/7 Plusに引き続きFeliCaを搭載し、SuicaやQUICPayなどをApple Payとして利用できる。米国版などのiPhone 8/8 Plusにも同様の機能が搭載され、訪日外国人が日本でFeliCaによるApple Payを利用するための環境が整いつつあるという話題は、速報レポートでもお伝えした通りだが、逆に、日本のユーザーが日本で登録したApple Payを海外でも利用できる環境が提供されるようだ。

 「~ようだ」という曖昧な書き方は申し訳ないが、筆者の米国滞在中には未対応だったうえ、帰国後に米国などに出かけていないため、現時点では筆者自身による動作確認ができていないので、こういった表現に留まっていることをご理解いただきたい。ただし、実際に利用できているという報告も耳にしているので、海外での利用を希望するユーザーは、今後の国内外でのApple Payの動向についてはチェックすることをおすすめしたい。

 この他にもiOS 11はファイルマネージャーの「ファイル」の搭載、Siriの強化など、さまざまな機能がバージョンアップしている。これらの新機能を最大限に活かせるのは、言うまでもなく、iPhone 8/8 Plusであり、iPhone Xということになる。発売された折には、ぜひ各機能を実際に使って、進化ぶりをチェックしていただきたい。

最新技術と最高のデザインで仕上げられた新世代の「iPhone 8/8 Plus」は買い!

 10年の時を経て、進化を続けてきたiPhone。昨年のiPhone 7/7 Plusでは防水対応やFeliCa搭載Apple Pay、新設計のホームボタンなど、日本のユーザーが待ち続けてきた機能が数多く搭載され、各方面で話題になった。

 今年のiPhone 8/8 Plusはそういったユーザーの利用環境に直結するようなハードウェアの変更こそ、少ないものの、ワイヤレス充電への対応やディスプレイの進化をはじめ、カメラに新開発のイメージセンサーを搭載し、ARKitで新しいAR体験を可能にするなど、細かい部分も含め、最新の技術が惜しみなく注ぎ込まれ、大きくジャンプアップしている印象だ。

 なかでもボディデザインは丸3年近く続いたデザインをリファインしている。強化されたガラスでアルミニウム7000によるボディを挟み込む構造にすることで、スマートフォンとしての十分な強度や質感を保ちながら、上質で落ち着いたデザインで仕上げることで、新しい世代のiPhoneへと進化を遂げている。

 もちろん、多くのユーザーは11月発売のiPhone Xが気になるところだろうが、価格差や販売時期、ユーザビリティの変更などを考えると、より多くのユーザーにとっては、今、まさに買える「iPhone 8」「iPhone 8 Plus」の方が手にしやすく、スムーズに使い始められるiPhoneと言えそうだ。ぜひ店頭で実機を試して、その内容の充実ぶりを体感していただきたい。

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法林 岳之

1963年神奈川県出身。携帯電話・スマートフォンをはじめ、パソコン関連の解説記事や製品試用レポートなどを執筆。「できるゼロからはじめる iPhone 7/7 Plus超入門」、「できるゼロからはじめるAndroidスマートフォン超入門」、「できるポケット HUAWEI P9/P9 lite基本&活用ワザ完全ガイド」、「できるWindows 10b」、「できるゼロからはじめる Windows タブレット超入門 ウィンドウズ 10 対応」(インプレス)など、著書も多数。ホームページはこちらImpress Watch Videoで「法林岳之のケータイしようぜ!!」も配信中。