みんなのケータイ

 毎年恒例のスマートフォン夏モデル発表シーズンですが、今期は新端末を楽しみにしているユーザーにはちょっとさみしい発表だったかもしれません。携帯電話キャリアの中でも端末ラインアップの多かったドコモは、夏モデルの新機種がわずか5機種、その中でもハイスペック端末は3機種となり、富士通の「arrows」ブランドはミッドレンジの「arrows SV F-03H」のみが夏モデルとしてラインアップされました。

引き続きハイスペックモデルなarrows NX F-02H

 ドコモによれば、今後ハイスペック端末は1年に1回程度とのことで、夏モデルは引き続き「arrows NX F-02H」がF-03Hと併売されます。つまりarrowsユーザーにとってF-02Hは引き続き最新のハイスペック端末であり、冬までのシーズンに機種変更を考えるユーザーにとって、F-02Hも選択の候補に挙がるということに。

 というわけで今回は、この夏モデルシーズンにarrows NX F-02Hを機種変更の候補として検討している人に向けて、arrowx NX F-02Hを半年近く使って気になる細かな使い勝手についてまとめて見たいと思います。

 基本的な使い勝手や特徴は以前に書いたこちら(細かな改善で使いやすさが大幅向上した新生arrows「F-02H」)を見ていただくとして、その後半年近く使っていて一番の変化はカメラの使い勝手。購入当初こそさくさく動いていたカメラ機能ですが、最近はやや起動がもたつくようになり、実際に写真を撮るまで数秒近く待たされることもしばしば。これはなんとかしたいということで、本体に保存していた写真をmicroSDカードへ移行し、設定からキャッシュやデータもリセットしてみたところ、若干カメラの起動速度が上がった気がします。プラシーボ効果の範疇かもしれませんが、最近カメラの起動速度が遅いな……、と思っている方は一度お試し下さい。

 ハイスペックスマートフォンにつきものの発熱に関しては、通常利用ではほとんど問題が起きていないものの、一点だけ困るのがブラウジングの時。筆者がメインブラウザとして使っているSleipnirはリンク先を長押しするだけで新タブを簡単に開けるので、読みたいサイトをたくさん開いてまとめて読むことが多いのですが、さすがに10や20のサイトを同時に開くと端末が熱を持ち、動作がかなり遅くなります。とはいえそれ以外の用途では多少の熱は持つものの、動作が遅すぎて困ったというシーンはほとんど発生していないので、一般利用にはほぼ問題ないレベルでしょう。

 バッテリーは以前のモデルからかなり改善されており、普通に使うぶんには今でも1日十分にもちます。充電速度も速いので、バッテリー面はほとんど気にならなくなりました。

本体の角は塗装が剥がれる

 本体の塗装は目立つところは問題ないものの、本体の角はこすれて塗装が落ちてしまい、背面のFeliCaロゴもいまではすっかりいなくなってしまいました。「塗装が落ちない!」みたいなアピールをされるとつい期待してしまいますが、基本的にスマートフォンの塗装は落ちてしまうのが宿命というのは認識しているので、新製品リリースの際に塗装が落ちないようなアピールはあまりされないほうが心としては精神衛生上いいのかもしれません。

 スペック面以外では、arrowsならではの機能は相変わらず便利。arrowsの機能はこのコーナーでも何度か紹介していますが、ジェスチャー感覚でアプリを呼び出せるスライドインランチャー、超高速でファイルをワイヤレス転送できるTransferJetなどはもはや生活必需品になりました。虹彩認証も半年近く使い続けると使いどころのコツをつかんできて、「虹彩が認識されやすい環境」を把握して適切な場所で虹彩認証を使いこなせるようになりました。

 スマートフォンの新機種が少なくなったことはスマートフォン好きにはさみしい面もありつつ、過度なスペック競争が一段落して、自分のスマートフォンをしっかり使い続けられるということでもあります。2016年冬にはarrows新モデルが登場することを期待しつつ、この夏のシーズンもハイスペックモデルとしてarrows NX F-02Hを引き続き愛用していきたいと思います。