みんなのケータイ

 筆者はプロ野球の横浜DeNAベイスターズのファンだ。珍しい同姓の選手がベイスターズに移籍したからではない。曾祖父の代、下関時代からのベイスターズ(ホエールズ)ファンである。順位とかはあまり気にしない。素晴らしい選手とプレイが見られればそれで満足だ。もちろんベイスターズの調子が良い方がより嬉しいけど。

 かつてはプロ野球中継というとテレビかラジオだったが、最近はネットも便利となっている。パソコンからならYahoo! JAPANの「スポナビ」のWebサイトが便利だが、スマホからだとアプリ「スポナビ プロ野球速報 2016」が使いやすい。

アプリのテキストログ。リアルタイムで見ていなくても試合の流れがわかりやすい

 このアプリ、実況速報では1球ずつの球種・コースまで表示されるし、試合のテキストログや選手のデータも見ることができる。自動更新もするので、スマホを卓上に置いて、「ながら」で試合を楽しむことも可能だ。音が鳴らないので静かな飲食店や仕事中でも観戦できる。いや仕事中は怒られるだろうけど。

 さらに、通知機能も実用性が高い。お気に入り登録したチームの試合について、試合の開始・終了のタイミング、3回と6回終了時点のスコア、得点/失点、投手交代などをリアルタイムでお知らせしてくれる。Apple Watchアプリは含まれていないが、通知機能が優秀なおかげで、試合の動きをApple Watchで知ることができる。

打線が爆発すると得失点の通知が大変なことになる

 たとえば仕事中でもデート中でも、試合が動いた瞬間にApple Watchがブルっと震えて通知してくれる。その瞬間にちょっとApple Watchの画面を見て、気になるスコアだったらさっとトイレに行って、アプリの中継テキストを確認すれば良い。得失点通知をオンにしておくと、トイレに行く機会が多くなるが、チーム防御率・チーム打率ともにリーグ最低クラスの今季のベイスターズなら、不本意ながら通知は少なく使いやすい。

通知は短い文章なのでApple Watchでも読みやすい
投手交代も通知されるので、ハマスタ名物「康晃ジャンプ」がどこでも可能だ

 さらにベイスターズの場合、ネットでの映像中継も充実していて、ベイスターズ主催試合に関しては、ニコニコ生放送やDeNAの「SHOWROOM」(月額500円)で配信されている。

 ソフトバンクの「スポナビライブ」(月額3000円、ソフトバンクユーザーは月額500円)だと、ベイスターズの主催試合以外も視聴できるが、巨人と広島の主催試合、中日の一部の主催試合が配信されないので、セ・リーグだと全試合というわけにはいかないのが残念なところだ。

 ネット中継はテレビやラジオと違い、延長突入しようが試合終了まで中継されるし、CMもなく、試合終了後のヒーローインタビューや監督インタビューも見られる。なんとも便利な時代になったものだ。

 とくにニコニコ生放送は、やや緩い実況の中、昭和なオッサンから「なんJ民」まで、さまざまなファンの野次コメントが飛び交うのが面白い。わたしはテレビ中継があるときですら、あえてニコニコ生放送で観戦してしまうくらいだ。主催試合だけとはいえ、これを楽しめるのはベイスターズファンの特権だと思っている(パ・リーグの東北楽天ゴールデンイーグルスもニコ生中継をやっている)。

ニコ生の放送予定リスト。主催試合だけなので、ここ数日中継がなくて非常に寂しい

 ニコニコ生放送だと、配信ビットレートは低画質モードでも最大384kbpsとされている。大ざっぱに計算すると、1時間で173MBだ。1試合だいたい3時間くらいなので、500MBを超える。毎試合をモバイルネットワークで視聴すると、データ転送量制限に引っかかる容量だが、外出中にどうしても見たい試合がある場合は、そのときだけモバイルネットワークで視聴するという手もあるだろう。ビットレートが低めなので、夕方の渋谷の駅前とかでも、LTEさえつながればコマ落ちなどなく視聴できたりする。

 ただしニコニコ生放送はやや大きめの遅延が発生することがあり、前述のスポナビアプリの通知が先に入ることもある。バッターが打席に入ったタイミングで得点通知が入り、「あれ、ここで3点入るってことはロペスがホームラン打つのかマヂか打った入ったアアアアア」なんていうことがあるのは、プロ野球を楽しむ上では邪道だとは思うが、地味に面白い瞬間だ。

 外出中はradikoという手もある。中継される試合は限られるが、必要に応じてスポナビのアプリやWebを併用すると、試合経過をビジュアルでも確認でき、ちょうど良い感じになる。容量も映像配信に比べれば少なく、モバイルネットワーク経由で聴取しても負担は軽い。

 プロ野球観戦というと、昭和の時代から続く娯楽だが、最近はテレビ中継が減った代わりに、ネットやスマホ、ウェアラブルなどによって楽しみやすくもなっている。球場に行って応援していなくても、テレビ中継を見ていなくても、スマホとアプリでそこそこ試合を楽しめる。プロ野球ファンは、仕事や学業、デートに支障がない範囲でアプリの活用をおすすめしたい。