みんなのケータイ
充実してきたAndroidのハイレゾ環境。アプリ対応状況をチェック
【arrows NX F-02H】
日沼諭史
(2016/1/21 06:00)
ARROWS NX F-02Gがリリースされた時のような盛り上げ方はなくなってしまったものの、最新のarrows NX F-02Hももちろんハイレゾに対応している。端末レベルで考えた時に、何をもってハイレゾ対応か、というのは議論が分かれるところもあるかもしれないけれど、少なくともAndroidスマートフォンの場合は、標準(プリインストール)のミュージックプレーヤーアプリを使ってハイレゾ楽曲をヘッドフォン出力で再生した時に、ハイレゾで再生していることを示すアイコンがステータスバーに表示されるかどうか、というのが目安になる。
F-02Hを含めF-02G以降の標準の「ミュージックプレイヤー」アプリは、その意味でしっかりハイレゾ対応できており、192kHz/24bitまでのWAV/FLAC形式のハイレゾ音源をダイレクトに再生して、ハイレゾならではの高音質をヘッドフォンで楽しむことができる。ところが、最近ではアナログ的な音質を実現すると言われるDSD(DSFまたはDFF)形式のハイレゾ音源が配信される例も増えてきていて、一般のオーディオ機器で対応する動きが広がっているにも関わらず、ミュージックプレイヤーはまだ非対応。再生可能なハイレゾ音源が十分でないという面ではちょっと不満だ。
この不満を解消するには、Google Playで配信されているハイレゾ対応のミュージックプレーヤーアプリを利用する方法がある。というわけで、代表的なハイレゾ対応のアプリをいくつかピックアップし、主にファイル形式における対応状況をまとめてみた。参考までに、F-02H標準のミュージックプレイヤーとGoogle Playミュージックのプレーヤーアプリについても比較している。
Onkyo HF Player | NePLAYER | Neutron Music Player | USB Audio Player PRO | Google Playミュージック | 標準メディアプレイヤー | |
---|---|---|---|---|---|---|
ヘッドフォンのハイレゾ出力 | × | ○ | × | × | ○ | ○ |
USB DAC出力 | ○ | ○ | ○ | ○ | × | × |
WAV | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
WAV(32ビット) | ○ | ○※ | ○ | ○ | × | × |
FLAC | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
Apple Lossless | × | × | ○ | ○ | × | × |
DSD(DSF) | ○ | × | ○ | ○ | × | × |
DSD(DFF) | ○ | × | × | ○ | × | × |
フル版の価格 | 1000円 | 1800円 | 707円 | 975円 | - | - |
※再生時にヘッドフォン出力を表すマークは表示されず
こうして比較してみると、それぞれに一長一短あることが分かる。明確にハイレゾ音源のヘッドフォン出力に対応しているのは、標準メディアプレーヤーとGoogle Playミュージック、そして「NePLAYER」の3つのみ。DSD非対応で良いならNePLAYERは一番の候補になりそうだ(iOS版はDSDにも対応する)。
ハイレゾ対応アプリとして比較的有名な「Onkyo HF Player」は、DSDにも、32ビットのWAVにも対応しているものの、どちらかというとヘッドフォンではなくUSB DACから出力することを前提にしたアプリと言える。ただ、ハイレゾ音質にこだわらなければヘッドフォンでもフツーに聞けるし、高音質で聞きたい時はUSB DACと一緒に使う、ということもできるので、対応範囲の広さも合わせて考えればやはり安心感のあるアプリだ。
「Neutron Music Player」は低価格ながら、対応フォーマットについてはかなり健闘している。DSD対応が中途半端になってしまっているのが残念なところだが、それに目をつぶればApple Losslessにも対応しているし、iTunesをよく使っていた元iOS端末ユーザーは特に便利そう。「USB Audio Player PRO」は対応しているファイル形式が多いとはいえ、そもそもUSB DACとセットで使うアプリだ。ヘッドフォン出力するには設定にひと手間必要で、使い方もちょっと難しいところがある。
この表はあくまでもF-02Hで実際に再生して確かめた結果で、他の機種だと違う結果になるかもしれない点についてはご了承いただきたい。アプリごとに使い勝手が異なるから、ユーザーによってそのあたりの好みも分かれるだろうと思う。これらの対応状況を見ると迷いそうだが、どれか1本のアプリに絞るのではなく、外出時と、在宅時のじっくり聞ける環境とで複数のアプリを使い分けるのもアリかもしれない。