みんなのケータイ

 いろいろな機能がてんこ盛りのせいか、ELUGA Xであまり話題になっていないような気がするのが、ハプティクス機能を搭載していること。端末が備えているバイブレーションの仕組みをより細かく制御して、さまざまな質感や雰囲気を振動で再現するようにしたものだ。他の端末も含めると、わりと以前から採用され始めている技術のはずなのに、なかなか盛り上がってこないのがとてもさみしい。

 ハプティクスをアプリ上で簡単に利用できるようにするSDKも公開されているから、対応アプリが増えてくれればなあと思うのだけれど、Google Play Storeで検索してみた限りでは、まだやっぱり少ないみたい。そんな中でもちょっと気になったのが、「Haptic Mystery」というクイズゲームだ。

 画面にシュレッダーで刻まれた紙くず、あるいはわらみたいな画像が表示されていて、この裏には何らかの図形が隠されている、という体になっている。画面全体をくまなくタッチすると、場所によってわずかに振動する部分があるので、その振動する部分から隠されている図形を推測し、4つの選択肢から回答していくという内容。正解すると次第に複雑な図形が出題され、難易度が上がっていく。シンプルなゲームではあるけれど、アイデア次第でハプティクスを幅広いジャンルのアプリに応用できることがよくわかる。

「Haptic Mystery」のゲーム画面。何が隠されているのか、触ってみないとわからない
こんな単純な図形でも意外にわからないもの

 あと、ハプティクス技術を開発している米イマージョンが自ら提供しているサンプルアプリ「Haptics Effect Preview」も面白い。ジャンルごとに分類されたあらゆるタイプの振動パターンが収録されていて、タップ操作に適した単純な振動だけでなく、アラームにぴったりの振動、爆発をイメージした振動、クルマのエンジンを模した振動などを実際に試すことができる。それぞれに強弱やメリハリの付け方が異なるパターンが多数あって、次々に試し続けてしまう不思議な魅力がある。選択した振動パターンを自分のアプリに実装するためのサンプルコードも表示されていて、つまり開発者向けのアプリなのだけれど……。

「Haptics Effect Preview」ではさまざまな振動パターンを試せる
エンジンっぽい振動もある

 ハプティクス対応アプリは少ないものの、端末自体にハプティクスの機能が実装されているのがELUGA Xのポイント。設定画面の“バイブレーション”の中でオン・オフを切り替えられ、オンにすると画面タッチやスクロールなどに合わせてハプティクスが働き、操作のたびに気持ちのいい振動が伝わってくるようになっている。端末内の音楽や動画を再生する時、ゲームをする時、YouTubeを見る時も、そのサウンドにマッチするように微妙な強弱をつけて振動してくれて、臨場感たっぷりに楽しめるわけだ。

ELUGA Xの標準機能としてハプティクスを利用可能。音声再生時などに自動で解析して振動してくれる
スクロール操作まで振動させるのはちょっと……という場合は、部分的にオフにもできる

 たしかにアプリ自体でハプティクスに対応していた方が、適切なタイミングや強弱で振動してくれる分、より楽しめるのは間違いないにしても、とりあえずハプティクスの威力を体感してみるのに、ELUGA Xのこの標準機能はけっこう便利。購入直後からデフォルトでオンになっている部分があるので、なんとなく操作の邪魔になる感じがしてオフにしてしまった、という人もいるかもしれないけれど、ぜひ今一度ゲームプレイ時や動画再生時にはオンにして、ハプティクスによるビンビンライフを味わってほしい。