みんなのケータイ

050plusの着信画面。スマホ本来の電話アプリと同じように操作できる

 最近、格安通話アプリ「050plus」を使うことが増えている。050plusは、月額315円で、050で始まるIP電話番号が付与され、ケータイの通話料よりも割安な通話料で音声通話ができるNTTコミュニケーションズのサービスだ。

 auのLTEプランの場合、「通話ワイド24」といった割引サービスに加入していないと、他社ケータイや固定電話宛の通話料は21円/30秒。ドコモやソフトバンクでも同額だ。050plusでは、ケータイ宛には16.8円/1分、固定電話宛には8.4円/3分で通話でき、同じ050plus同士の場合は無料だ。固定電話への発信が月に9分以上あれば、月額315円を支払っても得になる(スマホ本来の電話の場合は42円×9分=378円、050plusを使うと8.4円×3回+315円=340.2円)。LTEスマホの通話料は、いわば青天井なので、通話利用が多い人ほど利用価値は高いだろう。

 筆者が主に050plusを利用するのは、実家に電話をかけるとき。実家で一人暮らしの母はケータイを使っているが、私がメインで使っているスマホとはキャリアが異なるため、無料通話の恩恵は受けられない。050番号で実家の固定電話にかけることで、かなりの節約につながっている。レストランの予約や営業時間の確認といったときにも050plusを使っている。ただし、仕事の電話は、私が発信した電話であることが相手にわかったほうが都合がいい場合が多いので、通話料は発生するが、本来の電話アプリで発信することが多い。

 筆者が050plusを使っていて、低廉な通話料に加えて便利さを実感しているのが、ケータイが圏外の場所でも通話できること。正確に言えば、ケータイが圏外でもWi-Fiにアクセスできる場所であえば、050番号で発着信できるということだ。仕事柄、写真スタジオでの撮影に立ち会うことがあるのだが、スタジオは地下やビル内の奥まったところなど、ケータイの電波が受信しにくい場所にあることが多い。最近は、Wi-Fi環境を整えているスタジオが多く、長時間スタジオにこもる場合は、その日に連絡を取り合う必要がある人に、あらかじめ050番号を知らせるようにしている。

 スマホを使っている友人や親族とは「LINE」で通話をすることもあるが、LINEは、たとえ自分が安定した通信環境から発信しても、通話相手の環境によっては、声が聞き取りづらいこともある。050plusは、通話相手は電話で応答するので、発信側である自分が通信環境に気をつかっていれば、まずまずの音質で通話できると感じている。通話先が固定電話の場合はもちろん、通話先がケータイの場合でも、安定したクリアな音質で通話ができることがある。

 050plusはアプリの操作性もわかりやすく、個人的に便利なサービスだと感じているので、雑誌などに紹介記事を書くこともあるのだが、LINEやSkypeなどに比べると、いまひとつ普及していない印象。おそらくは月額315円の基本料がハードルになっているのだと思う。ケータイのオプション料金と考えると決して高くはないと思うので、KDDIやNTTドコモなどのキャリア自身が、こうしたスマホ向けのIP電話サービスを提供してくれるといいのなぁと思ったりもする。

通話中の画面。スピーカーホンにも切り替え可能
通話終了時に、いくら得したかを表示するようにも設定できる
スマホに登録した連絡先も引用できる
留守番電話も利用でき、メッセージが保存されるとメールで通知が届くようにも設定できる