みんなのケータイ

 このコーナーでもたびたび紹介しているXperia Zは、auからのMNPで契約している。発売当日でも、端末の本体価格が3万円値引きになったからだ。その上で、毎月の通信料に適用される「月々サポート」が、3675円に増額される。新規や機種変更では、端末代への値引きがなく、月々サポートも月1995円ということを考えると、これはかなりお買い得だった。割引を完全に受けたと仮定する、いわゆる“実質価格”はマイナスになってしまう。

 もっとも、本来は新規や機種変更とMNPの価格や割引が、ここまで違うのは考え物。MNPの獲得合戦が激化しているとはいえ、あまりに露骨な価格の差を見ると、少々複雑な気持ちになってくる。もちろん、これはドコモやXperia Zに限った話ではなく、業界全体の課題と言える。顧客である既存ユーザーが気持ちよく機種変更できるのが、本来キャリアの目指すべき姿だと思うのだが……。

 それはさておき、その際に選んだ料金プランを紹介しておこう。ただし、他キャリアと同様、ドコモのXi(LTE)対応スマートフォンで音声通話まで使おうとすると、選択肢はあまり多くない。FOMAのように基本プランは選べず、「タイプXi」があるだけだ(2年縛りをつけるかどうかは選べる)。ここに、パケット定額プランやオプションをつけるというのが、基本的な考え方になる。もっとも頭を使うのが、パケット定額プランの選択だろう。

基本使用料ISP使用料オプションパケット定額プラン
タイプXi(にねん)   780円spモード      315円Xiカケ・ホーダイ、留守番電話サービスなどXiパケ・ホーダイ フラット  5985円
Xiパケ・ホーダイ ライト   4935円
Xiパケ・ホーダイ ダブル   2100円~6510円

 タイプXiにつけられるパケット定額プランは、「Xiパケ・ホーダイ フラット」「Xiパケ・ホーダイ ライト」「Xiパケ・ホーダイ ダブル」の3種類。この中で、2段階制のXiパケ・ホーダイ ダブルは、メインの端末向きではないので除外してもよい。残るのは、Xiパケ・ホーダイ フラットとXiパケ・ホーダイ ライトの2つで、前者が月5985円で7GB、後者が月4935円で3GBまで、制限なしで通信できる。つまり、毎月の通信量で、プランを選べばいい。データ使用量でプランを選ぶというのはLTE以前になかった概念で、慣れていないと少々難しく思えるかもしれないが、ドコモには選択肢があるだけいい。

 実際、以前から通信量を記録していたが、ここ半年、1カ月も3GBを超えたことはなかった。家や仕事場ではWi-Fiにきちんとオフロードしている上に、外出先でデータ量の大きな動画を見ることも、あまりないからだ。もちろん、SNSには人並み以上にアクセスするし、仕事となればテザリングも頻繁に利用する。それでも、よく使ったと自覚がある月で、2GBを超える程度だ。このように考えると、固定回線を別途自宅に引いていて、きちんとトラフィックをオフロードしているユーザーは、大抵の場合、Xiパケ・ホーダイ ライトを選んだ方がお得になりそうだ。

 Androidには4.0から、通信量の確認機能が搭載されている。Xperia Zでも、この機能は利用可能だ。ここでは、Wi-Fiでどの程度通信したのかも、モバイルデータ通信とは別に表示できる。こちらで確認してみると、4月は23日時点ですでに4GBを超えていた。Wi-Fiにオフロードしていなければ、Xiパケ・ホーダイ フラットを選ぶのが正解だったわけだ。Wi-Fiの場合のみ、データの集計期間を、なぜか1日始まりにできないのが不便だが、自分がどの程度通信しているのか、一度チェックしてみよう。

Xperia Zを購入した2月の通信量。購入したのが月初めではなく、Mobile World Congressの取材で出張もあったが、セットアップ時に通信を多用してしまった。それでも、1.5GBに収まった
月初はMobile World Congressの帰りにロンドンに立ち寄っていたため、パケット通信は行っていない。また、GALAXY S 4の発表でニューヨークも訪れているため、その間もノーカウント。通信量はやや少なめで、1.38GBとなった
本稿を執筆した4月23日時点のデータ使用量。4月から通信環境を見直し、PCのネット接続をテザリングでまかなうようにしたため、データ使用量がやや増えている。それでも、23日間で1.88GB。3GBあれば十分だ
Androidでは、Wi-Fi経由の通信量をチェックすることもできる。こちらは4月1日~23日まで4GBを超えている。きちんとオフロードしている証拠だ