【ARROWS X F-10D】

エコでもパワフルに使うよ

2012年10月1日 06:00
(日沼諭史)
夕方になるとバッテリー残量はかなり厳しい

 クアッドコアで超ハイパフォーマンスなF-10Dのサクサク感に大満足しているとはいえ、バッテリーの持ちについては、やっぱり厳しいなあ、と思わないこともない。欲望の赴くままにゲームしたりWebを見まくっていれば、さすがにどんどんバッテリーを消費してしまい、会社に行けば充電、自宅に帰ったらすぐ充電、夜寝る前にも必ず充電、ということになる。端末を専用充電台に乗せるだけで充電できる「おくだけ充電」に対応しているので、いちいちケーブル接続の手間がかからないのはうれしいけれど……。

 あっという間にバッテリー切れになっちゃう……とお嘆きの人は、ARROWSシリーズにプリインストールされているバッテリー節約支援アプリ「NX!エコ」を最大限に活用するとよいだろう。「NX!エコ」は、標準状態だとほとんど未設定の状態になっているので、これを自分の使い方に合わせてうまく設定しておけば、端末の稼働時間をぐんと延ばすことができるのだ。

 「NX!エコ」で可能になるのは、ある一定の条件を満たしたときに端末の各種機能を制限すること。たとえばバッテリーの残量が少なくなったらWi-FiやBluetooth、GPSなどをオフにし、CPUの動作周波数を最適化したりできる。制限する端末の機能は、「お手軽エコモード」「通常エコモード」「しっかりエコモード」の3段階から選ぶだけで一括指定可能だ。「お手軽エコモード」ならCPU周波数を抑え、ディスプレイの消灯時間を短めにするといった程度だが、「しっかりエコモード」ならほとんどの機能をオフにして、可能な限りバッテリーの持ちをよくすることができる。オフにする機能を個別に選ぶことができる「オリジナルエコモード」もあり、オフにするものとしないものを自分の端末の使い方に合わせてカスタマイズすることで、より“エコ”な設定に仕上げられるだろう。

 「NX!エコ」で特にしっかり活用しておきたいのは、時間帯によって機能を制限する「タイマーエコモード」だ。2つの時間帯の設定を保持でき、昼間と夜間などに区切ってそれぞれで制限内容を変えられる。昼間はできるだけフルフルに動かしたい、と考えるかもしれないが、高性能なF-10Dでは、100%のパワーで動作してほしい局面はかなり限られてくると思う。朝起きてから夜寝る前までの時間帯は、Wi-Fiなどの必ず使う機能だけを残してオフにし、CPU周波数も抑えるようにしておけば、かなりの節約になるはず。また、夜間の寝ている時間帯なら、そもそも使っていないから節約する必要もないと思われるかもしれないが、可能な限り機能制限しておけば、充電速度のアップも期待できるだろう。

「NX!エコ」で、節約、節約3段階のエコモードのほかに、自分で細かくカスタマイズできるモードもある
画面はとにかく暗くする。一番暗くしても室内なら全く問題ない明るさCPUの動作周波数も抑えておきたい

 ちょっとくらいCPU周波数を制限したところで、その快適さがごっそり失われるようなことがないのは、さすがクアッドコアという感じ。エコモードを設定した時としない時とで試しに「Quadrant Standard Edition」というベンチマークアプリを走らせてみると、主に“CPU”と“3D”の項目が3割ほど低下する点が目立つものの、これによって一般的なツールアプリやOS自体の動作速度が体感できるほど遅くなったようには見えない。それに、エコモードの有効・無効は簡単に切り替えられるので、ゲームなどをプレイしたくなったときはすかさずフルパワーを発揮してガンガン楽しめるのだ。

 ちなみに、Wi-Fiについては「Wi-FiオートON/OFF」機能も便利。Wi-Fi設定画面でメニューキーからアクセスできる詳細設定画面に用意されていて、接続したことのあるWi-Fiネットワークの周辺にいる間だけWi-Fiをオンにしておける。自宅やオフィスで積極的にWi-Fiを使いつつも、外出先では自然とオフになってバッテリーを節約できるスグレモノ、というわけで、「NX!エコ」とともにぜひ試してみてほしい機能だ。

ベンチマークアプリ「Quadrant Standard Edition」でF-10Dの性能を計測中エコモードなしの場合のベンチマークスコアは4000オーバー
エコモードを設定した場合は特に“CPU”や“3D”の項目が遅くなるものの、普段使いに影響はなさそう「Wi-FiオートON/OFF」も設定しておけば、よりグッド