みんなのケータイ

お米詐欺? 注文も支払いもしてないのに「返金します」メールが届いた日

 ある日、Gmailにちょっと怪しいメールが届きました。件名は「NO.302566[絶々子スマ商電事商社]哲大和 、よろしくお願いします。商品欠品のお詫びとご注文があります.」……なんだそれ。そんな会社、聞いたこともない。

はて……米なんぞ、通販で買った記憶がないのだが。

 内容を読むと「5月6日に2802円で米を買った」ことになっていて、「返金希望ならLINEに連絡してくれ」と書かれている。注文した覚えもないし、そんな日にそんな金額を払った記憶もない。銀行振込やPayPay送金、もちろんクレジットカードの履歴を調べても出てこないし、ますます謎。

 でも面白そうなので、LINEでスタッフとやらに聞いてみた。

大和:このメール、どういうことでしょう?

相手:お世話になりました。支払いのスクショありますか?

 いきなり日本語が怪しい。メールのスクショを送ってみると、今度は「税関の問題です。返金はPayPayのみ対応です」「送金リンクをください」。

 仕方なく自分のPayPayリンクを送ってみると、今度は先方が「送金できませんでした」と雑な加工をしたスクショを送ってくる。

 ……あれ? これ知ってるぞ。以前に(他誌で)書いたネット詐欺記事で扱った手口だ。あとから「販売業者」に切り替わって、音声通話で送金させようとするヤツだ。

見てください、この雑な「送金できませんでした」画面。雑な加工にもほどがある。あなたは何箇所、これが詐欺師の加工の跡だと指摘できますか?

 案の定、次に出てきた「小林商事」なる人物は、LINEで「返金します」「少々お待ちください」からの、無言。そして突然、LINE通話がかかってくる。うん、きたきた。でも面倒なので無視してみた。

そういえば、この小林商事なる人物、「詐欺にご注意ください」って注意書きがされているアカウントだったんですよね……。
キタキタ、音声通話。これでPayPayを操作させてお金を送らせるのが詐欺の手口なんだとか。

 そして、メッセージを返信。「返金まだですか?」「喉の手術をしたので音声通話はできません」と。すると、それっきり連絡が途絶え、翌日には小林商事、トークから退出。あらら。声で騙せない相手は切り捨てる方針らしい。

音声対応不可、と言ったら静かに退出された詐欺師氏。あらら……。

 というわけで、金も払ってないし、返金もされないし、騙されもしなかった「なんだったのコレ?」なネット詐欺未遂事件は終了。……でも、ちょっとだけ個人情報が相手に渡ってる気がして、気持ち悪さは残ってる。

 インターネットが社会の縮図なら、詐欺だってごく身近。気をつけましょう、ホントに。ねぇ。