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中国渡航で感じたテクノロジーの進展、厳格な本人確認で“デジタルデバイド”を実感
2025年7月9日 00:00
先日、中国本土に出かける機会がありました。香港やマカオに訪れたことは何度もあるのですが、中国本土は初体験。日本はもちろん、香港やマカオとは勝手が違うことも多かったです。
たとえば、決済手段もその1つ。香港では、どこでもクレジットカードが使えて、香港ドルを使うシーンは交通機関などで使うオクトパス(八達通)カードへのチャージが中心です。そのオクトパスカードも、iPhoneのWalletに対応したので、ほとんど現金を使わずに過ごせます。
中国本土でも、現金はあまり使われておらず。というのも、ご存じの方も多いAlipayやWeChat PayといったQRコード決済が普及しているということもありますが、なにより偽造紙幣(いわゆる偽札)が相当流通しているとのこと。現地のATMでも出てくることがあるようで、同行した方も両替所で「偽札にはくれぐれも注意するように」と声かけがあったほどです。
また、中国本土のコンビニなどではあまりクレジットカードが使えない様子。コンビニではセルフレジがメインに置かれており、そのセルフレジにも画面とコードリーダーがあるだけ。決済方法は、QRコード決済がメインとなっている様子がわかります。
現地のシャオミストアでも同様。店員さんのスマートフォンでQRコードを読み取るだけで購入でき、レジカウンターも見当たりません。クレジットカード決済に対応しているようですが、多くの方はQRコード決済でやりとりしていたようです。
アカウントが停止されて途方に暮れる
筆者もQRコード決済で、ホテル近くのコンビニで買物しようとしましたが、クレジットカードの二要素認証の対象となってしまい、認証自体は済ませたものの、“決済に失敗した”状況になりました。その後、数回試しましたがうまくいかず、ついにはアカウント自体が停止されることに。
停止解除には、本人確認が必要とのことで、外国人でも利用できるか心配しましたが、パスポートで認証できるようで、画像をアップロードして認証を試みました。ただ、認証には1日かかるとのこと。
コンビニの店員さんに「クレジットカードは使えるか?」と聞くと「No」という回答だったので、何も購入できずに店舗を後にしました。
結局、次の日も利用できませんでしたが、事前に別のQRコード決済サービスのアカウントを作成していたので、それを利用し買物できました。
現地の決済サービスを外国人でも利用できるのはすごくありがたいのですが、一方でアカウントロックのリスクがあったり、決済時にSMS認証が必要だったりするので、可能であれば複数サービスを登録しておくなど、リスクヘッジが必要だと感じました。
本人確認の敷居が高いネットサービス
日本のネットサービスの多くは、本人確認の必要なく利用できますが、中国のネットサービスでは、本人確認を求められるケースが多々あります。
たとえば、都市部にものすごい数が設置されている宅配ロッカー。ECサイトの中には、注文から数時間で届けられるものもあり、ECサイトのアプリから解錠操作ができるほか、ユーザーのスマートフォンがロッカーに近づいただけで自動で解錠されるものもあり、市民にも身近な存在です。
筆者も、今回の渡航で忘れたHDMIケーブルを購入しようとしたのですが、多くのECサイトで本人確認が求められました。そして、その本人確認には、中国市民に発行される身分証が必要で、筆者には利用できないものでした。
日本では身近ではない技術やサービスに感動する一方、技術に追いつけない現状を体験し、年齢や知識ではない要因によるデジタルデバイド(情報格差)を身をもって体験した筆者でした。






