みんなのケータイ

久しぶりのドイツで、eSIMデータプランを契約

 今年9月、シャオミのグローバル向けの発表会を取材するために、久しぶりにドイツに出かけた。発表されたのは「Xiaomi 14T」シリーズなどで、今月10日には国内向けにも展開されることが発表された。

 海外に行くとなれば、スマートフォンなどの回線をどうするか。かつては1日あたり3000円程度の高い国際ローミングを払う時代もあったけど、2016年にauが1日980円の「世界データ定額」(現在は「au海外放題」に移行)をスタートさせ、2018年にはNTTドコモが「パケットパック海外オプション」(現在は「世界そのままギガ」に移行)で追随したことで、随分とラクに利用できるようになった。ソフトバンクも現在は「海外あんしん定額」を提供し、楽天モバイルは「Rakuten最強プラン」で海外でも2GBまで追加料金なしで利用できる。ドコモのahamoも追加料金なしで20GB(10月からは30GB)まで利用できるなど、海外での利用時の費用負担はグッと抑えられている。

 また、Amazonでも数多くの国際ローミング向けのSIM/eSIMが販売されていて、筆者も何度か購入している。国と地域によって、データ通信量と価格はさまざまだけど、1000~2000円程度で、使い放題や数十GBまで使えるものが豊富に揃っている。eSIMの商品であれば、基本的には必要な情報(QRコード)がメールで送られてくるので、配送の手間などもなく、簡単に使える。

 今回のドイツ出張でもドコモ回線は「世界そのままギガ」を使いつつ、au回線で利用している「Galaxy Z Fold6」には、Amazonで購入したeSIMをインストール。ソフトバンク回線で利用中「iPhone 15 Pro Max」は副回線の楽天モバイル側のローミングで使うようにした。まあ、普通はそんなに何台も持って行かないよね(笑)。

久しぶりに「iPad mini(第6世代)」を持っていくことにした。10月に後継機が出るけど、買い換えはどうしますかねぇ

 そんな中、今回は飛行機での移動中に電子書籍を読みたいというのもあって(「Galaxy Z Fold6」で読めばいいじゃないか!)、これまた久しぶりに「iPad mini(第6世代)」を持って行くことにした。

 かつては海外出張&旅行のお供に欠かせない存在だったのに、コロナ禍で海外渡航をしなくなり、持ち出す機会が随分と減っていた。それに、以前は日本~ドイツ間の飛行時間が9~10時間くらいだったけど、今や各地での紛争や戦闘の影響もあって、14~15時間程度もかかってしまう。機内エンターテインメントシステムだけでなく、本を読むなど、時間つぶしのネタはいくつも欲しいわけです。

 iPad mini(第6世代)は今回の渡航中、機内Wi-Fiにも接続したり(あんまり速くないけど)、渡航先ではホテルのWi-Fiを接続したんだけど、「せっかくのWi-Fi/Cellularモデルなので、ちょっと試しに何かeSIMでもインスールするかなぁ」と探していたところ、日本の通信事業者のビジョンが提供する「World eSIM」というサービスを見つけた。同社は「グローバルWi-Fi」という国内外で利用するモバイルWi-Fiルーターのレンタルサービスなどで知られる会社で、2014年には「SIMカード9枚挿しモバイルWi-Fiルーター」を海外渡航者向けに提供して注目を集めるなど、本誌でも何度か取り上げられたので、ご存知の人も多いはず。

「グローバルWi-Fi」でもおなじみのビジョンが提供する「World eSIM」は、データ通信のeSIMに特化したサービス。アプリが利用できる

 「World eSIM」は同社が2021年9月から提供を開始したサービスで、180以上の国と地域で利用できるeSIMを提供している。国と地域ごとにプランが用意されているけど、アジアやヨーロッパなどで複数の国と地域を周遊するための周遊プランもある。

 今回はドイツに滞在中に少しだけ試せればいいので、「1GB/3日間」というプランに申し込んだ。料金は割引もあって533円と、お試しにはちょうどいいレベル。

今回は渡航中、ドイツのeSIMのプランを購入。期間と容量が決まったプランと無制限に利用できるプランが用意されている
もっとも安い「1GB/3日間」を533円購入。日数のカウントはアクティベーションが完了してから24時間単位。足りなくなったときは「チャージオプション」から追加可能

 申し込みは「World eSIM」のアプリから手続きを進める形で、アカウントを作成し、国と地域やプランを選んで、申し込む。支払いはクレジットカードのみで、一部のデビットカードも利用可能。

支払いはクレジットカードのみ。Apple PayやGoogle Payが使えると便利なんだけど……

 申し込みが完了すると、登録したメールアドレスにQRコードなどの必要な情報が送られてくる。eSIMを登録する端末でQRコードが記載されたメールが送られてきた場合、以前は別の端末でQRコードを表示するなどの手間が必要だったけど、現在はメールに記載されたQRコードをロングタッチして、表示されたメニューから「eSIMを追加」を選べば、アクティベートされ、端末にeSIMが登録される。

 今回は「iPad mini(第6世代)」で操作したけど、iPhoneでも同じように操作すれば、登録が可能。ちなみに、eSIMをアクティベートするときは、別途、Wi-Fiでの接続が必要なので、渡航時であれば、ホテルのWi-Fiやスマートフォンのテザリングなどを利用する。

メールで送られてきたQRコードをロングタッチすると、メニューが表示されるので、「eSIMを追加」を選ぶと、「新規eSIMをアクティベート」のダイアログボックスが表示された後、アクティベートが実行される
無事にモバイル通信の設定が完了。あとはiPadの[設定]アプリの[モバイルデータ通信]-[モバイル通信プラン]で設定したeSIMを選ぶだけ

 実際の使用感としては、インストールから利用開始まで、特に不満もなく、ストレスなく、使うことができた。データ通信のパフォーマンスは接続先の携帯電話会社のネットワーク次第なので、何とも言えないが、ドイツの都市部ではごく普通に使うことができた。

 利用中のデータ通信量などは、「World eSIM」のアプリ内で確認できる。決められたデータ通信量を使い切ったときは、アプリから追加することも可能だ。また、今回は渡航先で申し込みの手続きをしたが、事前に国内滞在時に手続きをしておくこともできる。国内で申し込み、アクティベーションをした場合でも渡航先で接続したタイミングで、利用開始となるため、出発の前日や当日にアクティベーションをすれば、ムダなく使うことができそうだ。

契約したeSIMでどれくらいデータ通信を利用したのかは、「World eSIM」のアプリ内で確認できる

 スマートフォンやタブレットを海外で利用するためのサービスは、国際ローミングや海外のSIM/eSIM、レンタルのモバイルWi-Fiルーターなど、いろいろな手段があって、それぞれにコストも違うけど、「World eSIM」はわかりやすいアプリが提供されており、手続きも非常に迅速なうえ、国内の通信事業者が提供するという安心感もあり、あまり海外での利用に慣れていない人にも適したサービスと言えそうだ。