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1世代前のGalaxy S23 Ultraでも使える! ギャラリーアプリだけで作業効率爆上がり
2024年9月2日 00:00
世の中はNPU(Neural network Processing Unitの略。機械学習からの処理に特化したプロセッサのこと)を搭載したAI PCの登場に沸いているが、筆者はいまいちその実用性にピンと来ていない。それはたぶん、筆者の環境ではカスタムしたAI処理を必要だと感じていないし、クラウド上のAIツールで事足りているからだろう。
しかし、スマホのAIとなると話は異なる。移動しながら使うものなので、通信速度に左右されないエッジ処理をしてもらいたい。また、スマホのAI処理には日常的に使い勝手の良い、「あったらいいな」と思うようなものが多いので多用したいという理由がある。
日常使いの例として、AI文字起こしやAI要約があるだろう。デスクワークの多いビジネスパーソンにつきものの“会議”を録音しておくだけでなく、文字起こししてくれるだけでなく、ざっと目を通せば全体の流れを思い出せる要約文までAIで作ってくれるのだ。誰か1人を任命して議事録を作らせるよりよほど時短になるし作業効率化にもつながる。
筆者の場合、イベント取材やインタビューなどを敢行し、その内容を文字に落とし込んでいくというのが仕事である。「なんとなくこうだったなぁ~」だけで済めば良いのだが、登壇者やインタビュイーの発言として鍵括弧でくくった文字にした場合、言った言わないの問題が生じがちなので、ここは正確に記録しておきたい。そのような場面で、取材後、移動している間に文字起こしが終わっているという環境は、最高オブ最高なのである。
さて、もうひとつ「これはまさに至高っっっ!」と感動したGalaxyのAI機能がある。それはGalaxy S23 Ultraプリインストールアプリ「ギャラリー」内で使える「反射を消去」機能である。
次の写真を見ていただきたい。スマートフォンやPC、モバイルディスプレイなどのディスプレイ表面がつやつやしている、いわゆる「グレアタイプ」だと映像がくっきり見えるので美しくて良いのだが、こと物撮り(モノトリではなくブツドリである)するという場面では困ったことになる。
この写真をわずかに上部へスワイプすると詳細を表示する。と同時に写真内に「反射を除去」と表示されるので、これをタップする。すると、数秒待つだけで映り込みをかなり除去した写真が生成される。
この結果だけ見ると「ほーん」という感想しか持たないだろう。しかも、スタジオでの物撮りは何度でも撮り直しがきく。時間をかけて修正するより撮り直したほうが手っ取り早い。
Galaxy AIの「反射を除去」機能の効果を最も実感するのは、イベント取材において巨大ディスプレイに表示されたプレゼンテーションを撮影したときである。
まずは元の写真を見てもらいたい。イベント内容がわからないようぼかしをかけているが、それでも参加者がディスプレイに映り込んでいるのがよくわかる。
何も表示していないディスプレイであれば、映り込みを削除するのも簡単だ。しかもスタジオでの物撮りなら撮り直しもできる。しかし、文字や図版を表示しているディスプレイに人物が映り込んでいる場合、削除するのはかなり手間がかかる。セミナーや発表会などのイベントであれば撮り直しもできない。撮影したものを後で確認して「あちゃ~」と後悔することが多かったのだが、ここまで映り込みがなくなるのであれば実用レベルだといえよう。
何よりありがたいのは、これがクラウドに依存せず、端末の中だけで処理できるということだ。イベントで写真をGoogle Photosにアップしすぎて通信速度が遅くなってしまった、あるいは単純に4G回線エリアで遅くなっているということもしばしばある。そのような場面でも、なんならすべての通信を切断する機内モードにしたとしてもしっかり処理してくれるのだ。
Galaxy AIでできる作業は移動中に終わらせておき、さらに整える必要があるものだけPCを開いてPhotoshopなどで処理をする。このスタイルを確立できたおかげで、作業時間がグッと短縮できた。毎年買い替えるのは懐事情的に難しいが、作業効率がこれだけ上がるのだ。少なくとも2年に一度は投資してもいいよなぁと思うのであった。