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台湾の通信キャリアが3社に統合された

 台湾に5社あった通信キャリアが3社に再編されました。2023年12月に2社同士の合併が完了し、台湾之星(T Star)と亞太電信(Gt)が消滅。残存キャリアは中華電信、遠傳電信、台湾大哥大の大手3社に。

 消費者にとってはキャリアの選択肢が減りますが、実はこの大手3社の加入者シェアは全体の8割強。今回の統合によりむしろ3社間の競争がより進み料金の引き下げなども期待できます。

 2023年12月16日から18日まで台北と台中を訪問しましたが、市内には合併を知らせる広告などが多数出ていました。

遠傳電信と亞太電信の合併の広告

 ちなみに台湾の国家通信伝播委員会(NCC)のデータによると、2023年11月末時点の台湾各キャリアの加入者数は以下の通り。3強2弱、という状況でした。

  • 中華電信:1100万
  • 遠傳電信:718万
  • 台湾大哥大:713万
  • 台湾之星:268万(台湾大哥大へ合併)
  • 亞太電信:208万(遠傳電信へ合併)

 合併後は以下のようになり、3社拮抗します。

  • 中華電信:1100万
  • 遠傳電信:926万
  • 台湾大哥大:981万

 街中を歩くと台湾之星、亞太電信の店はすべて閉店していました。看板や店内の改装を行ってから新規営業を開始するようです。

台北の亞太電信の某店舗。撮影は夜だが昼間も閉っていた
1月1日から合併後の遠傳電信の店になると案内

 なお従来の台湾之星、亞太電信のSIMカードを入れたスマートフォンのアンテナピクト部分のキャリア表示はそのままでした。

 一方、スピードテストアプリではIPアドレスを見てネットワークを判別しながらも、台湾之星は「台湾大哥大(旧台湾之星)」と表示。いずれ完全にネットワークが統合されるのでしょう。

(左)台湾大哥大のSIMを入れたスマホ。(右)台湾之星のSIMを入れたスマホ

 台湾ははるか昔にはPHSがありましたし、WiMAX時代は6社が競争、4G開始時には3社が新規参入など、さまざまな動きがありました。

 しかし結局は2G時代から生き残った大手3社にすべて集約された格好となり、合併できなかったキャリアもそのまま消滅してしまいました。人口約2300万人の台湾の人口規模を考えると、3社の競争がちょうどいいのかもしれません。

もう見ることのできない台湾之星の店舗